曲がり角の向こうに・・・

毎日の暮らしの中でフと心に留まった人やもの、そして風景を描きとめています。 

猿や兎や蛙たちの内緒話

2020-02-21 | 絵  ①日本画

昨日久しぶりに地元の友人が遊びに来てくれました。 お互いにアレコレ忙しくて会うのは約1年振りくらい。 いつもはリビングだけど今日はチョッと気分を変えて和室でお茶しましょ。 と玄関横の和室に入り、襖を閉めたとたん、『アラ、アラ、何これ鳥獣戯画じゃない!!』と彼女。 「そう、これムサビに通っていた頃、スクーリングで模写させられたものなのよ。」 『そうなの? でも何だかお洒落。』・・・(^ー^* )フフ♪と彼女の反応にニンマリ。

出来はいまいちながら、自分ではこの模写が気に入っていて、なんとか生かしたい・・・と4年前に考えた末に、和室入り口の襖が、経年劣化して糊の跡が見えてきていることを思い出し、ダメモトでこの上に貼ってみようというアイデアが浮かんだのです。 早速貼ってみると、糊が沁みだしている部分は完全には隠れませんが、なかなかいい味が出た~~と自分では大満足の出来。

そんな襖を見ながら、例によってリズミカルな口調でアレコレどうでもいい話をする彼女に耳を傾け、適当に相づちを打ちながら大笑い、というのが彼女との、話のいつものパターン。

断捨離の話になった時、いつになく神妙な顔をして彼女が言うには、『少しづつ断捨離を進めているけど、一つだけどうしても捨てられないものがあるの。』と。 「何なの、捨てられないものって」 『昔の恋人の写真』 Oh!~言ってくれるじゃない。 「それで、彼と結婚したかったの」 『したかった。 でもプロポーズしてもらえなかった・・・ 食べていける仕事ではなかったし・・・ でも、とっても格好良くて、素敵な人なの。 風の噂で未だに一人だとか・・・』・・・ 「で、どうしたいの。 有能な建築家のご主人と、優秀なお子さんたちにお孫さん達がいるのに・・・」  『分かっちゃいるけど・・・燃えるような青春の恋の思い出として大事にとっておくことにするわ。』 な~~んだ、若かりし頃の切ない恋の話を聞かせたかったのね~~ 「それじゃあ今度お宅に遊びに行った時に、彼の写真を見せてね」と言うと『ダメダメ、絶対に見せない!!』と言いながら、顔は見てもらいたい気持ちがアリアリで笑ってしまいます。

 

 

 

午後のひととき、久しぶりに、お馬鹿な話を沢山して、良い気分転換ができました~~ 襖の中で、カエルやウサギ、サルたちが、二人のオバアの他愛ない話を聞きながら・・・こんなヒソヒソ話をしているかもしれません・・・

サル:   オイオイ、いい年をしたオバアが二人でまったくしょうもない話をしているな。

ウサギ:  可愛いと言えば可愛い、しかし、50年も経っているというのに女は怖いよな~

カエル:  哀れでもあるな~~

サル:       ところで、俺たちに日の目を見せてくれようと模写作品を襖に貼ってご満悦のここの

                      オバアにはそんな話はないのかい・・・

ウサギ:  それはナイナイ。 なんでもはっきり言って、色気なんて全然ないもんな

 

お粗末の一席でした~~

 

 

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