曲がり角の向こうに・・・

毎日の暮らしの中でフと心に留まった人やもの、そして風景を描きとめています。 

曲り角の向こうには・・・

2021-12-13 | 良い加減介護

曲り角の向こうには新しい世界が

広がっているでしょうか・・・

 

昨日のにわかT家のメンバーの集いは予想通り

とても和やかで楽しい時間となりました

夫の旅立ちに際し 葬儀や相続はじめ色々な関連事項で

大変お世話になった元農協の役員さんは

女性達のおしゃべりに戸惑いながらも

自然と輪の中に溶け込んで

楽しそうでしたし

昨年夫が救急車で運ばれた時以来

何かと気を遣って下さる

ご近所のご夫婦も

すっかり我が家の様子を心得て

会話を盛り上げてくれました

誰よりも元気印の卓球と麻雀命の彼女は

(13年もの間町の民生委員を務めていたそうです!)

明るい話題で座を取り持って

終始笑いが絶えませんでした

 

当の私は涙も見せず?(出ず?

何だかカラリとした風でしたので

励まそうと思って来たかもしれない友達は

チョッと拍子抜けした

でしょうか

 

嬉しいことに 皆さんいい葬儀だった

と言ってくれました

お花いっぱい フルートの生演奏

そして

棺に入れた絵手紙を一枚一枚見ながら

大粒の涙を流してくれた卓球の彼女も頷いてくれて

何だかこれで ようやく一段落した気分になりました

 

夫の介護7年目に入った3年前にブログを新しくした時

ブログタイトルを「曲がり角の向こうに」としたのは

今日のこの日を迎えることを

心のどこかで意識していたのかもしれません・・・

 

介護生活を卒業した今

確かに曲り角を曲ったのです

 

なるべく早く元気な姿を夫に見せられるよう

新たな独りの人生を生きてゆくスタートラインに

立ったということでしょうか

 

 

夫の施設に毎日行く必要もなく

洗濯ものも届けなくてよくなり

絵手紙を描くこともなくなりました・・・

何よりも夫のことを心配しないでもよくなった

日々を戸惑いながら

前へ進んでいくしかありません

 

今日は強い風が吹いています

風は苦手です

 

それでも 木々の枝先には春を待つ芽がのぞいています

 

気が付けば今日は結婚記念日です

目出度くも昨年50周年を迎えたのでした

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笑顔で送れたかな・・・

2021-11-24 | 良い加減介護

 

溢れるお花と共に

銀座時代のフルートの先生が奏でる

優しく温かなフルートの響きを楽しみながら

 

 

大好きな曲の楽譜と

お気に入りのゴルフウェアを

携えて

元気が湧いてきた絵手紙もお供に

 

夫は旅立ちました

 

こんな形で送り出すことができて

本当に良かった・・・と

心からホッとしております

 

友人達によると

気が張っている時期が過ぎると

悲しさとたまらぬ寂しさに

襲われるそうです

 

そこで

思い切り涙を流した後に

新たな世界が

見えてくる

のだとか

 

それともこの私のことですから

案外ケロリとこのまま

自分のことだけを考えればいい自由を

満喫しよう・・・なんて気になるかもしれません

 

何はともあれ

「死と同じように避けられないものがある  それは生きることだ」

とのチャップリンの言葉を胸に

しっかり

前向きに生きていこうと

思っております

 

                    

 

前の記事で「介護の卒業証書がいただけるでしょうか」と書いたのを受けて、昨日ブロ友さんの一人がご自分のブログに「卒業証書」のタイトルで、私に卒業証書を授与して下さっていることに気が付きました。 コメント欄を閉じていたために、こんな形で私にエールを送って下さったのだ・・・と申し訳ない気持と共に、その温かなお心に感激いたしました。 ブログの素晴らしさを又も味わった思いでおります。

同じく

沢山の方々から応援のお気持ちを寄せて頂き本当に有難うございました

ブログのUPはしばらく不定期になるかもしれませんが

今後ともどうぞよろしくお願いいたします

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旅立ち・・・

2021-11-20 | 良い加減介護

85歳のお誕生日まで

あと3日という日に

夫は天に

旅立ちました

酸素マスクのお世話になりましたが

願った通り

夢うつつ状態のまま

安らかに逝きました

 

苦しく長い闘病生活から

ようやく解放されて

本当にほんとうに

お疲れさまでしたの気持ちでいっぱいです

よく頑張りました

これからは

何の心配もなく安心して

ゆっくり休んでほしいと

願っています

 

K先生のフルートの豊かで優しく心に響く演奏に送られて

穏やかな気持ちで旅立ったことでしょう

あんなに静かな微笑みを浮かべて

いたのですからきっと

私の思いは通じている・・・と

 勝手に信じています

 

あちらでは

お母さんはじめ懐かしい人々が

みんなで夫を笑顔で迎えてくれることでしょう

病気のためにやれなかったことを

心ゆくまで楽しんで下さいね

 

共に歩んだ50年の山あり谷ありの歳月は

あっと言う間でもあり 長くもあって

色々な思いが胸に去来していますが

なにはともあれ

あ り が と う

の言葉を捧げたいと思います

 

そして私には

介護の卒業証書を

頂けるでしょうか

 

               

 

見出し画像は 夫とのお別れの朝見上げた空に

見つけた鳥のような姿をした雲です

私の目にはなんだか

鳳凰雲のように

見えました・・・

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会えなかった日々を取り戻すかのように

2021-11-14 | 良い加減介護

夫は点滴のみで

命をつなぎ2週間が過ぎました

面会に行って

私の顔を認めると

微笑み

言葉にならない声を発して

話しかけてきます

「そうなの」「よかったね」『分かったよ」など

と答えると満足そうな表情を

見せます

看護師さんはじめ介護にあたって下さるスタッフのみなさんは

『やはり、お母さんだとこんなに良い表情を見せるのね。

これまで声など聞いたことが無かったのに・・・』

と行く度にスタッフ同士言いながら頷いています・・・

 

その言葉を聞くたびに 胸が痛みます・・・

 

おとうさん 気が済むまでこの二人の時間を楽しみましょうね・・・

 

昨日から夫はスタッフルームの隣の

個室に移されました・・・

 

                    

 

友人がご自分のお母さんの話を聞かせてくれました

夫と同じく点滴のみで20日ほど過ごした後に

急に『タラ鍋が食べたい』と言い出して

友を慌てさせ

『美味しい‼』と言って食べてから

グングン良くなり

何とその後2年も生きた・・・と

本当に人の命は不思議に満ちています

 

                    

 

今日の振り返り記事はバリスケッチの話です

当時の夫の介護問題も載っております

祈りの島バリの絵と共に

ご覧頂けると嬉しいです

 

 
思い出のスケッチ旅 ― バリ(3)ー最終回
見出し画像は、前回チョッと思わせぶりな書き方をしていた作品です。 ウブドの繁華街?をスケッチポイントを探して歩いていると、道路の片隅に小さな祠があちこちにあるのが目に付きます。 人......
 

 

最後までお読み頂き有難うございました

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生演奏で送りたい・・・

2021-11-11 | 良い加減介護

前回の記事をご覧になった方の中には

呑気なことを言って・・・他人事ではないだろうに・・・なんて

心配して下さった方もいらしたと思います

 

もちろん

天から頂いた夫との穏やかな時間を

毎日大切に過ごしてはおりますが

考えたくはないけれども

考えなくてはならないことが

アレコレたくさん あって・・・

気分はいつも落ち着きません・・・

 

一番に思うことは

(残念ながらここまできてしまったのだから)

できるだけ

心を込めた形で夫を送りたい・・・

どうしたら夫に喜んでもらえるか・・・

ということ

 

それが 一昨日 突然閃いたのです

夫がこよなく愛した

音楽の力を借りたらどうだろうか・・・と

 

それで思い出したのが

夫が現役時代勤務していた銀座で

フルート教室に通っていたこと

当時夫は小さな財団法人の役員として

元気で勤めておりました

夫の人生の中で一番輝いていた時代だったと思います

 

当時夫がお世話になっていた先生が

まだ銀座十字屋で講師をされておられるのか 

ドキドキしながらフルート教室へ電話をしたところ

ラッキーなことに先生は現在も講師をされていらっしゃいました

先生の連絡先を

教えて頂けるかと訊ねたところ

先生の了解が取れたら後で連絡するとのことで

程なくして先生の携帯番号を知らせて頂きました

 

この先生とは毎年 年に一度のお教室の発表会の時に

お会いして親しくお話させて頂いたことはありましたが

なにせあれから10年以上経っておりますので

夫のことを覚えていて下さっているかどうか・・・

とても心配でした 

ところが『よく覚えていますよ。楽しい思い出がたくさんあります』と

仰って頂けたのです!

夫の現状をお話しして

夫が天に召された時に先生の

フルート演奏を式場で聞かせて頂けないか・・・と

これまたドキドキものでお願いしたところ

『私で良かったら 是非伺わせてください』との

お返事を頂けたのです!

 

久しぶりに受けた電話は昔の教え子の妻からで

しかも 話は 教え子の葬儀の場での

生演奏の依頼・・・そんなとんでもない話に躊躇することもなく

快諾して頂けたことは

大変有難く

心底ホッとしております

 

夫の元気な頃の姿を知っている先生が

夫のために

フルートを演奏して下されば

どんなにか夫は喜ぶことでしょう・・・

曲目は夫が好きで良く吹いていた

「精霊の踊り」を入れて頂いて

あとはすべて先生にお任せということに

いたしました

 

何だかこれで夫を笑顔で送れそうな気になってきました・・・

 

もちろん 残された夫との穏やかで愛しくも尊い時間を

許される限り大切にしたいと思っております・・・

 

               

 

見出し画像は なかなか描き上がらない

薔薇の花です

ソフトフォーカスで

ベールを被せて(^_-) 載せました(^_-)

 

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