「おはようございます! Tさんお迎えに来ました~~」と明るい呼びかけで、夫がお世話になっているデーサービスからの送迎車から降りてきた介護と看護の二人のスタッフさん。 私が玄関を開けると、すぐに階段を上って、私をハグするのは、小柄でコロコロ可愛い看護士の彼女。
私の顔を見るとすぐに胸に飛びこんでくるのです。 最初はビックリしましたが、明るく弾む声でいとも自然にハグしてくるので、こちらも受け止めてハグ。 一緒にきた介護士さんの中にはハグしている2人に加わって、3人でハグ。 「一体何なんでしょう」・・・とケアマネさんに言うと、『なんなんでしょうね~~ きっと奥さんのことが好きなのよ・・』と笑うばかり。 介護している私を励ましてくれているのかしらん?? それとはちょっと違う気がする・・・ デー利用者の夫はそっちのけのこの儀式?? わけがわからん・・??
なんて言っているうちに、ハグの効用のようなものが分かってきたような気が・・・ 胸に飛び込んでくる彼女に対して、温かな気持ちを感ずるようになってきたのです。 夫も彼女が担当してくれる日は、帰宅願望も少ないように思えます。 結構大きなデーサービスのため、スタッフさんも多く、送迎は配車担当者が決めることになっていて、ハグの彼女がいつ回って来るのか分からないのですが、いつの間にか彼女を心待ちにしている自分がいて笑えます(彼女だけでなく、スタッフの方達は皆さん明るく優しいのですが・・・)。 ハグの彼女は30代半ばで、多分一人暮らしで寂しいのかしら・・・と思っていたら、素敵なご主人がいるのだそうで、この年代は私たち世代と違って、ハグも日常的なものになっているらしい・・・時代は足元からどんどん変わってきているのですね(^_^;)
それで、思い出したのが、Free Hug for Peace 運動を展開している桑原功一さんのこと。
いつだったか、TVで、韓国の反日本政府デモ会場の広場の片隅で、日韓関係改善を求めてフリーハグを呼び掛けていた桑原さんの姿を放映していました。 最初はただ彼の姿を眺めているだけだった人たちの中から、『君の勇気に負けた』、『ありがとう』と言いながらハグに応えてくれる韓国人が大勢出てきた姿を放映していました。
桑原さんは大学卒業後、教員になる前に見聞を広げようと、世界一周の旅に出たのだそうです。 その旅の中で、中国人と韓国人の優しさに、激しく心を打たれ、日本人が抱いている彼らへの偏見をなくすために、2011年からフリーハグ運動 "A Bridge in the East Asia between the people" を始めたそうです。 これまでにアジア18か国で実施し、2020年は「フリーハグ大陸プロジェクト」を計画しているとのことです。
フリーハグで平和を・・・大丈夫かな~~と、懸念しながらも、ユニークな若者が育っていることに拍手を送りたい気分です。 そして、彼の願いが徐々に世界に浸透していってくれればいいな、とも。
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見出し画像は、明るい陽射しをたっぷり受けて、大輪の花を咲かせたハイビスカスです。 蕾がいくつも出てきているので、次から次に花を咲かせて、部屋を明るくしてくれることでしょう。