曲がり角の向こうに・・・

毎日の暮らしの中でフと心に留まった人やもの、そして風景を描きとめています。 

2月は勝手に折り雛月間

2020-02-01 | あれこれ

夜明けが早くなり、日脚も大分伸びてきました。 もうすぐ立春です。 毎年この時期になると、友禅紙や白黒の和紙を取り出して、せっせと折り雛を折り始めます。 前の年にお世話になった方々や折り雛の良さを分かって頂けそうな方々を胸に思い浮かべながら、丁寧に折り雛を折り、その方達にプレゼントをするようになって10年以上になりました。

女雛・男雛・3人官女・5人囃子・のワンセットが折れますが、皆さんには女雛・男雛をセットにして贈っています。 何年も折り続けているのに、毎年2月だけの季節仕事?のせいなのか、折り方をその都度確認しながらでないと安心できません・・・どうしてしっかり覚えられないのだろう・・・と我ながら情けない・・・ 髪の毛、顔、袴、衣装のすべてを一緒に重ねて、ハサミだけを使って折っていく・・・という独創的な折り方です。

娘が幼い頃、この折り雛の本を友人から紹介され、そのきりっと端正な折り雛にすっかり魅せられたことをきっかけに、勤めていた高校では折り雛クラブを作って、生徒たちに作り方を教え、文化祭では教室いっぱいにずらりと折り雛を飾って、見に来た人たちを圧倒??させたりもしました。 卒業生たちが一人でも、女の子が生まれたらこの折り雛を折って、おひな祭りを祝ってくれたら・・・と心ひそかに願ってもいました。

折り紙は日本独自の文化で、海外でも広く知られていますが、私が折るのはこの折り雛のみ・・・ 子供の頃折った、奴さんや、風船や鶴などは忘れずに折れますが、連鶴などを折りたいと本は買ってもすぐにギブアップ。 結局、この折り雛だけが好きなのです。 日本人の細やかな感性で折り方を研究されつくされた作品と言ってもいいのでは・・・と個人的には思っています。 プレゼントするのは伝承されているこの折り雛の良さを広く知って欲しいと願うと同時に、一人でも自分で折ってみたいという人が現れて欲しい・・・との気持ちもあります。 しかしながら、残念なことに実際に折り雛の良さを受け止め、折り方を教えて・・・と言ってくれた人はこれまでただ一人、ムサビの友人だけでした。 お母様に贈りたい、と・・・

何年も前に絶版になってしまった折り雛の本は: 「折りひな」田中サタ著 石井桃子監修 で福音館書店から出版されたものでした。 友人から借りて、コピーをとって折り雛を折っていましたが、新たに旧版を踏襲して、三水比文 真田房枝 さんが 「折りひな」を出版して下さったので、とても嬉しいです。 

 

 

皆さんも、「梅一輪 一輪ほどの あたたかさ」のこの時期に、桃の節句を待ちながら、折り雛を折ってみませんか

 

 

コメント (10)