1ヶ月前の前回とは様変わりに、歩き旅には最適な天候となった。季節の変わり目とはいえ余りの変わりように、前回を想い起しながら、改めて日本海と向き合って生活することのご苦労を感じさせられたそんな歩き旅となった。雹や冷たい雨に遭遇することもなく、強い風に煽られることもなく、足下に敷き詰められた桜の花びらを踏みしめながら、青空の下、波静かな日本海を眺め、温かな陽気に汗を掻きながらの5日間だった。
芭蕉の足跡を訪ねる奥の細道歩きも日本海側に移り、秋田県の象潟から南北に長い新潟県を経て、今回ようやく富山県に入る。芭蕉の足跡が薄くなってきていることを感じながら、終着大垣まで残り少なくなってきた旅路を一歩一歩踏みしめながら味わっていくことにする。