GO GO ヘナK小隊!!

北海道で趣味の鉱物採集と狩猟を楽んでる、小隊長(奥さん)と兵長(ダンナ)の夫婦による‘ヘナK小隊’只今奮闘中であります。

宮沢賢治と宝石(鉱物)

2007-09-26 19:54:46 | 鉱物採集
突然ですが、下の『 』の中の文章に何種類の鉱物・宝石が隠されているでしょう。

『その宝石の雨は、草に落ちてカチンカチンと鳴りました。
それは鳴る筈だったのです。
りんどうの花は刻まれた天河石と、打ち砕かれた天河石で組み上がり、その葉はなめらかな硅孔雀石で出来ていました。
黄色な草穂はかがやく猫睛石、いちめんのうめばちそうの花びらはかすかな虹を含む乳色の蛋白石、とうやくの葉は碧玉、そのつぼみは紫水晶の美しいさきを持っていました。
そしてそれらの中で一番立派なのは小さな野ばらの木でした。
野ばらの枝は茶色の琥珀や紫がかった霰石でみがきあげられ、その実はまっかなルビーでした。
もしその丘をつくる黒土をたずねるならば、それは緑青か瑠璃であったにちがいありません。』

この文章は、宮沢賢治の童話「十力の金剛石」の一部です。
一番最後の部分の「緑青」は、本来錆びた銅のことを意味するそうですが、ここでは「孔雀石」らしいです。
宮沢賢治が、子供の頃から鉱物採集をしていたのは有名な話。
私が子供の頃読んだ「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」「まなづるとダリア」などにも鉱物名が登場します。
最近あらためてこれらの本を読んで、鉱物好きの宮沢賢治を感じてはいるものの、本の中身はやっぱりかなり深い。
‘人間とは何ぞや’という哲学的なことを考えてしまうので、私には重いです。
なので、鉱物好きな私はピュアな心で読むより、童話や詩集の中に書かれている鉱物の名前を意識しながら読んでいます。
「十力の金剛石」は、あらゆる自然を鉱物や宝石に置き換えて描かれています。
内容はディープで、少々難しいかもしれませんが、私の好きな童話の1つです。

単純な私は、昨夜夢の中で天河石でできたりんどうを摘み、野ばらのルビーの実からポトポト落ちる水晶の滴を拾っていました。
降ってきた雨は、トパーズ・サファイヤ・ダイヤモンドでした。(しっかり物語の中・・)
すごく幸せな夢だったのに、夜中に兵長(ダンナ)が「喉が渇いた」と言って、起き上がったので目が覚めてしまった。


ああ、今日も宮沢賢治を読んで寝よっと・・・。
コメント
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