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【微塵我報】

思い込みと勘違いと妄想と思い出補正の懐古厨による、最早ヲタクの余生です。はてなブログさんにお引っ越し予定です。

アルスラーン完結④

2018年01月26日 18時46分31秒 | アルスラーン戦記
●メルレイン
90年代の雑誌の読者投稿で彼のことをメルとお呼びになる方がいらして、可愛いなぁと思っていたので、
そこから私もメルと呼ぶように…。
ちゃんとメルレインと呼ぶことも多いですが。
元々、メルはアルフリードの兄ということ抜きにしても好きなキャラクターでしたが、
最終巻を読み終えるに辺り、自分で思ってたよりメルレインが好きだったということを自覚しました。
メルレインは父親が殺された時に、族長は妹が継ぐという事を守らせる為に登場して、
その流れの一端で、アルスラーン陣営に族ごと加入しちゃってたっていうザックリな把握の仕方。
アルフリードが美しいという設定の中、異母兄であるメルレインもさぞかしハンサムであろうと思い、
実際、不機嫌極まりなさそうな無愛想なお顔立ちのせいで、それがよく伝わらなかったっぽい。
けども、義理堅くて優しくてクールで熱いメルレインが好きでした。

メルレインは妹よりは更に一歩引いたバイプレイヤー的な位置にいたので、口数の少なさもあいまって、
要所要所のシンプルで確実に役目をこなすところ以外でで、出番的には少なかったのかも知れない。
でも、その存在感、意志、見せ場。
そういったところが前面に出てくるのが、父と妹と妹婿の家族を喪った後だというこの絶望感。
生き方や人生の情熱が、家族の復讐、仇討ちにシフトする中で、
最も命を奪いたいとする仇がですよ。
人付き合いの苦手そうな、好きじゃなさそうなメルが、
関係性は良好だったんだろうことが「けっして悪くなかった」という感想で初めてわかる仲間のジムサ。
彼の実の弟のプルハーンか゜探していた仇というこの運命の過酷さですよ。

これはさすがにメルのメンタルのボコボコさに追い討ちで…。
妹の仇討ちの為に友達寄りの仲間の弟をやらねばならない…。
結局、メルレインはあくまでクールに徹した葬り方をした訳ですけども…。
その割り切り方ももう…。
決闘式なもんだし…首を刎ねてるしで…。もう…もう…。
ほんと…メル…。
その後からのメルは自暴自棄というか、がむしゃらに死に場所を探してそうな気配すらある、
戦場殴り混みの武人っぷりで最前線の大活躍の連続。
この破竹の勢いの中に、何処か投げやりで、
余計な感情を頭に入れないようにしてそうなのが本当に酷で…。
まぁ結局、ザッハークに果敢に挑んで行って玉砕するんですよね…。
首飛ばされて、目が見開いたままだったみたいな…。
どんなホラーだよって感じですよ…。
メインキャラの1人にこの扱いかよ…。というのと、あくまで戦場では残酷さが常に平等なのかも知れない謎の現実というか…。
はぁ、でも痛みとか感情とか何もないまま、
一瞬の一発で事切れる事が出来るなら…まぁ…うん…せめて…どうなんだろう…という…。
族長も族長代理も亡くなってしまったゾット族…その後の事はわからない…。
つら…。





そんな感じで、メルレインの事を書くだけでメンタルが死亡したので記事がずっと止まっておりましたが、
ようやっとここまで辿りつきました。


●クバード
クバードはクバードらしかったなぁ。
クバードらしくて、特に何も言葉が出ない…。
(クバードらしさというものに解釈違いがなければ)
彼は、家族とか家柄とか身分とかそういうもの関係なくて、常に今。って感じじゃないですか。
イルテリシュと互角だったので、イルテリシュよりクバード強そうなんだけどって思う自分と、
イルテリシュって強いんだけども、自分が思ってたより強かったんだねっていうバランスで、
差し引き互角って事なんだと自分で納得した。
クバードが相手が互角って察してすら両目を失った時点で、相打ち前提の勝利に持ち込むのを判断して迷いがない。
そして予想通りに予定通りの結果の残して、
「こんなもんだな」
と息を引き取る。
死への持ち込み方も彼らしい終わりでした。
未練も後悔もない。今だけ。


●キシュワード
キシュワードもメルレインと違った意味でメンタルボコボコですよ。
周りに気を使って、奥さんと息子との別れ(多分今生のものになると察している)も素っ気無くやらざるを得ない。
キシュワードの奥さんは聡明で才覚のある人だろうけど、
物語的には良妻賢母の専業主婦夫人でしかないので(でしかないという言い方も何だけど)
何かいきなり突然いろんな任務任せられて、内政に関わる役職の立場が付いていき…何なのこの展開…の連続。
子育て中なのに…とか思ってしまう…。
キシュワードさんはああいうタイプのお人柄ですから戦場で果敢に挑み、
そして戦場で散るというのはまぁ別に構わないというか、覚悟の上の誇りなんでしょうけども。
実際、クバードの最期を見事と称して奮起して腹を決めた感じでしたし。
あー、でも御大は狙ってたんでしょうかね、双刀将軍の異名を持つ程の名高い戦士がですよ、
両手首を切り落とされて亡くなるとか…。
ああ…もう…ツライ…。
まぁでも勇者的な非業の死と名誉の死で、そこだけ切り取ると、
武人らしい最期ですね…って感じで収められそうなのが…キシュワード…ツライ…。




続きは、タハミーネとラジェンドラとザッハークとヒルメスとフィトナと総括になる予定です。

アルスラーン完結③

2017年12月28日 19時54分44秒 | アルスラーン戦記
●ギーヴ
ダリューンの武勇チート、ナルサスの知略チート、そしてギーヴの遊撃チート。
とにかく技量とか運動能力とか、頭の回転とかバランスよくそつなくチートなのがギーヴ。
単機行動で密偵みたいな事も出来るし、
ゲームでいうところの運の良さとかラック的なものが異常に高い。
ナルサスがいなくなった今、行動力の高さから単独チートがアップしたようで、
とにかく無双であり仕事人だしで。
主要人物の中では最も死の気配がなく、終盤では戦場での生き残り組。
結局、ギーヴの正体や素性は誰も知らないままで、よく彼が女を口説く時に自称していたホラの何とかの王子内容なんかが、
割と本当のところではないんだろうかって思ったこともあったけど、その辺りは物語の誰も知らないまま。
あれだけの技術や能力を培うだけの生い立ちや経歴なんかも謎のまま。
なのに、そういう人物なのに、登場したての割と序盤からアルスラーン個人に入れ込んで本気で仕えてたりして、
こういうタイプなのに長い付き合いになるっていう不思議な縁で。
ナルサスなんかギーヴの素性もよくわからないうちから、単独行動のお願いとか出しちゃってるし、
この辺りの最初から信頼関係ある程度出来てたのも凄いし、謎。
結局何、アルスラーンに対しては何処までも人の良いお兄ちゃんだったのか。
ギーヴは生き残ったけれど、生き残りとしての役目は、心から仕えていた主を失うことで逆に自由になって、国を去るかと思ってたんです。
アルスラーンの治めない国なんか興味ないし、仕える必要もないし、ここにいる必要もないとかで。
国政に関して傍観者を決め込むぐらいの。
そして後世に残ったかも知れないアルスラーンの伝説の弾き語りみたいなサーガの伝え手としてだと頭から決め付けていたら、
無口になったり、女遊びをやめてしまうとか傭兵みたいなことを始めるとか、
アルスラーンの崩御で、ギーヴのアイデンティティが完全に失われちゃってた。
ただ、彼は旅に出ることもなく、律儀に真摯に遺された者同士の中に留まった。
元々真面目な人だったのか真面目にならざるを得なかったのか。
いろいろ考えます。
彼の最後は病気だったのも以外というか呆気ないというか。
人に殺されるのも老衰に殺されるのも真っ平そうなタイプだから、病気というのもそれはそれなのかなとは感じつつ、
戦場を生き残った運も、病気にかからなかったという運にはならなかっんだなとか。
とりあえず何だろう、臥せったまま病で死を悟るほど衰弱していくギーヴは正直見たくないし、考えたくもない。
それはエラムやファランギースもそうなんだろうなって。


●ファランギース
一番根性が座ってそうだった彼女だけど、いろんな人、仲間の死を女神官として見送って、
その中に、死からも逃げ切ってみせるようなあのギーヴが加わってしまった。
その辺りで隠居を決めてしまった辺り、いよいよ気丈さの陰りとか、思うところがあったんじゃないかとか、
最前線にいる事にさすがにもう疲れてしまったのではとかさー思う訳です。
ナルサスとアルフリードに何かが起きて、そして結ばれた前例を思うと、
エラムが、ギーヴとファランギースは結局のところどうだったんだろうって感じるぐらいには、
この二人にはこの二人なりの関係が、絆があったのだと思います。
(やったとかやらないとかデキてたとかデキてないとか別にして)
ギーヴはファランギースを口説こう落とそうとする素振りの中には、心からの本心と、若干のからかいとちょっかいがあるように見えた。
素っ気無く突っ返されても、鋭いツッコミが来ても、そのいずれも彼は喜んでたし、楽しんでた。
ファランギース含めて、それは二人のコント仕立てのやり取りでもコミュニケーションの一環で、
お約束の展開を二人で繰り出しているのではないかみたいな。
ギーヴの最後に「おれの赤心」を捧げた。
と、彼らしく言うのも、初志貫徹で良かった。
彼ならではの冗談らしくもあり、これは本心なのだろうという微妙なライン。
別に操を立てていた訳ではないけど、それに通じる何かは感じました。
ギーヴもファランギースもお互いの仲がどうなったのかは沈黙していたので最期までわからなかったそうだけど、
あったにせよなかったにせよ、お互いに墓まで持っていった。と考えたら、それはそれで特別だったのではなったのではないかと。
ミスラ神に仕える女神官と、その女神官にただ一つの赤心を捧げた男の生涯ということで。
そして、ファランギースも病気。
嫌になるほど波乱万丈な人生を「おもしろい人生」だと締めくくれたファランギースはやはり芯の強いマイペースで彼女らしかった。
そんな自分であろうとしたのかも知れない。


●エラム
何だかもう一番割を食った貧乏くじ総大将だったのは一番幼年であったエラムではなかったのかと思うと、
エラムの人生を思って悲しくなりました。トホホ。
ナルサスの弟子としてナルサスから徹底的に仕込まれていたのは、
待童としての身近な立場を超えて、(私は最初は身近故にと、エラムの両親のことを考えてだと思ってたんですが)
エラム自身の優秀な才覚や性格を見越してた部分があったのだと今は絵感じます。
その期待をかけた教育を完了する前に恩師が亡くなり、
彼をサポートしていたチートな大人集団がほぼ全滅。
志を分けた弟弟子で親友で君主も年若くして死去という現実に追い討ちをかける祖国滅亡。
しかも自分は割と中枢にいた訳で…。
そしてラジェンドラのところで居候50年…。
エラムが頑張ったことって、全盛期のチートメンバーなしで全部自力解決しなきゃいけないことだから、
もう本当にできること、できたこと。考えたこと、考えられなかったこと。沢山あると思うんです。
ナルサスは生前に、死んだ人が生き残ってる人に勝手に後の事を押し付けてくる遺言を全面否定してたけど、
結局エラム自身が亡くなった人達の意志を受け継いだっちゃあ聞こえはカッコイイですけど。
ギーヴやファランギースという相談先は生き残ってくれたけど、
二人とも先頭に立つタイプではなく第一線でない感も亡くなったメンツよりは際立つので、
先の見えない後始末を全部押し付けられて自分の人生使い切るまで死ねなかった…訳ですから、
もう本当にエラムおつ…おつだよ…。
アイヤールやロスタムみたいな後継は育ってきたけど、育たせるまでの孤独さはいかばかりか…。
みたいなことを考えて突き詰めていくと、今の状況をそれなりに楽しんで自分の人生を謳歌できるタイプではないので、
やっぱり使命の全うというのが人生の比重になったのかな…どうなのかな…。
世話焼きエラムはおっちょこちょいで天然の奥さんが出来たけど、そういう何気ない私生活の片隅以外は、
安らぎがなかったのかも知れないな…とか。
エラムは一番長生きする設定はわかってたとして、最後に登場する人生の終盤を迎える老いたエラムが、
その若かりし日の少年エラムと全く結びつかなかったのは、正直、私の個人的な読解力の問題なのかなとか。
自分の人生を使って、目的を果たすまで死ねないと張り詰めていたエラムと、
いざ目的を果たし終わって一種遺言という呪縛みたいな使命から開放されたエラム。
そうなると本当にエラムがすべきことが亡くなってしまって、
だからといって第三の人生を余生として自由に過ごすことにエラムの気持ちが向いてなくて、
もう死んでもいい。生きてることに意味はない。まで思っちゃってて。
栄枯盛衰を全部見たエラムは、もう一度栄と盛を見ることを時代に託してしまった。

そうしたら絶妙なタイミングで迎えが来るんだわ…。
亡くなった仲間が、人生で一番輝いてた全盛期の姿で迎えに来て、一緒に旅をしようって声をかけられたら、
エラムも自分が一番輝いていた時期の姿に戻ってる。
そして自分も一緒に旅立つと、この世から存在が消えた。
ベタじゃないですか、余韻の残るベタなラストではないですか。
いなくなったけど、亡くなったかはわからない。
けど、いなくなったから、亡くなったとわかる。
遺体も痕跡もなく、消えたことで死を悟り、死であると伝わる。
迎えに来た方も、そこに本当に存在していたのか、幻だったのか、エラムの願望だったのか。
でも、来た方の実際の痕跡は他の人に見えて残っているし、
痕跡が何処かに続いているかといえば途中から消えている。
お察しにお任せします。
というのが、物語の締めくくりにして一番のファンタジーを見た気がします。
ここ一番ファンタジーの、童話的な終わりだと思います。

まぁリアルな話だと、
エラムが目的を果たすまではお迎えが来なかったこと、これは本人が拒絶することもあるとして、
エラム本人が人生に未練を残さなくなって、やり遂げたと感じたところに、
狙ったようにやっとオールスターお迎えが来るのも見事というかズルイというか何というか…。
でも、ギーヴやファランギースのように、無念ではないけど志半ば感のある人生の途中退場よりは、
エラムが自分の逝きたい時に、会いたいメンバーが来てくれたというのは最後の御褒美なのかなと思います。
それまで苦行過ぎて見てられないけど、本人が喜んでい行けたのなら。っていうエラムおつ…。




ノロノロと続く。

アルスラーン完結②

2017年12月27日 14時14分10秒 | アルスラーン戦記
(ここからネタバレになります)
例によって、最終巻はケツから読むクセが抜けませんでした…。


去年、ナルサスとアルフリードの2人が夫婦として志半ばにして退場してしまったことで、
最終巻16巻に関しては、結末を見届けるという大儀の中に、
私の中でどこにオチが付いたのかだけでいいや…。みたいな気持ちが出来上がってしまってまして。
ナルフリの未来がなくなり、終わってしまった今、
最終巻は最終巻自体が、一巻丸々使った盛大なエピローグになってしまうんだろうなぁなどと思っていたら、
読後の感想としては、あながち間違っていないという感じでした…。

例えて言うなら、毎週放送している連続ドラマがありましたとします。
ラスト二話のクライマックスで最大の悲劇と展開があります。
続きが気になって一週間待ちました。
待った最終話は10分拡大スペシャルだったけど、
最終話の冒頭から前回までのクライマックスから始まることなく、突然普通に後日談と回想が始まる。
前回と最終回がぶった切られてて繋がっていない。
そして、残った人達で話を進めている。
…そんな感じの時々目にするドラマ構成に通じるものがありました。
最終回はダイジェストです。みたいな。

正直な話、
私は田中芳樹作品を読み込んでいる作家ファンというよりは好きな田中芳樹作品がいくつかあるだけの作品ファンのカテゴリです。
なので、「皆殺しの田中」という異名が作品のコンセプトなのか、個人の美学なのかは正直わからない部分があるんですが、
最終巻はどうしても、「皆殺しの田中」という異名に引きずられたその名に相応しい過剰なサービスだったのかなぁと。
16巻で終わらせます。と公言した意識を守るのは大事だけど、やっぱり収まりませんでした無理でしたと訂正して前後編二冊出して頂けても、
私個人は約束を違えたとかプロ意識がないとは、思いません。
皆殺しの田中内容は、あらかじめ公言していた展開だとしても、
そこまでして消さなくてもいいんで…と思う気持ちと、
でも人が死ぬ時って割と理不尽だし、納得いく死のないものが大体現実だったりするし、
全てが上手くいく訳じゃないけど、物語としては読み終えるだけの何かが欲しいじゃないですか。
その辺りの整理がなー。
しかし、生き残ってしまうと、
未来をちゃんと考えてあげないといけない。と、
いう点では退場なさって頂いた方が頁数的にもいいんだろうなぁというゲスい事が簡単に思いつく大人になってしまったので、
まぁ歳月流れ過ぎですよねっていうこの。



最終巻なので、あらすじでいうと今まで登場した主なキャラクター総出演でスポットが当たり大体は総決算スポットと同時にもれなく「死」
今の今まで応援してきた、共に生きてきた登場人物たちの結末が、余りにも事務的に淡々と続く「死」の羅列。
盛り上がりも感動も特になく、ああいなくなったハイ消えたお前もかお前もか…と無表情で読み流す私と、
思い入れのあるそれぞれが、短い文章で死を迎える中に、ウワァ痛そうウワァ残酷ウワァウワァ…と目を背ける私と、
淡々といなくなったいなくなった死んだ死んだと読み続けながら、この人の人生や、この人生の終え方は一体何だったんだろう…とやりきれなくなる私。
淡々と死を見送りながら、死を受けるまでの凄惨さから目を背けたり、愛する登場人物を失った喪失感でモヤモヤしたり。
淡々と読んだのに淡々と処理できない。
未だにやりきれない。
あ、戦場での退場シーンの数々なんかは「真田丸」の残り数話の自軍がどんどん崩壊していく様を、
よりエグく表現した感じかなとふと大河を思い出しました。
最も真田丸は史実に存在した主人公の題材からしてラストが最初から想像付く範囲の崩壊と敗北じゃないですか。
アルスラーンってそうじゃないじゃないですかって思ったら、
早い段階で叙事詩とか大体死にますとか栄枯盛衰って話って言われてたって聞きましたわ…愕然とする…。


●アルスラーン
アルスラーンは、この少年を支えたいと心酔し、支えてくれる人がいるから、
その自分を支えになってくれる人を支えるに足りる、支えられるに値するに相応しいであろうと心底努力するのが美点でした。
ただ、アルスラーンを支えるチートな大人の中で格段にチート無双だったナルサスという高い壁があったからこそ、
アルスラーンの伸びしろが無限だったように思えてくるぐらい、ナルサスの喪失が大きかった気がします。
ナルサスに頼りっぱなしだった訳でなく、自分でちゃんと考えて出した答えも沢山あって、
それが採用される事でちゃんと独立して成熟していくのかと思ったら、
頼りにしているナルサスが傍で見ているからこそ一生懸命考えた。というのが少なからずあったんだろう。というのが最終巻で出てきます。
ナルサスならこう考えるであろう、そしてそれが一番最善だろうという答えのすり合わせがなくなった時に、
アルスラーン自身の判断が、毅然とした王たる者の判断ではなく、優しさと甘さによる凡庸な少年の判断に変わる。
それはナルサスの教えに背く。という判断に繋がる訳で、当然の事ながらナルサスの判断が全ての正解ではない。
けれど、それは公人と個人の境目をなくす。
長所から来る優しさ甘さが、それ判断としてどうなのよ。という部分に繋がり、
ここに来てアルスラーンの成長を促していたアルスラーンの性格が、アルスラーン自身の性格で彼自身の成長を止めてしまい、
補助輪のはずされた自転車のようになってしまった。
自立が間に合わなかったという印象。

結果、「ナルサスがいたら」「ナルサスが生きていれば」と最終巻ですら読者は思ってしまうし、
「ナルサスが後三年生きていたら」
と信頼し、信頼されている臣下にまで思われてしまう。
これは悲しいし、しんどかった。
最終巻にして、主人公自身が完全に不安因子じゃないですか…。
この最終巻の冒頭辺りから頻繁に顔を出すようになる、ブレーンのいない統率者アルスラーンの優しさから来るポンコツ判断。
アルスラーンの要所要所の漠然としたポンコツ化の積み重ねが物語の終焉を助長するなんて前巻からは思ってなかった…。
最終巻は独り立ちするはずではなかったのか…いや…前巻辺りまでに、優しさや甘さが命取りかも…って結構思われてたね…。
何だ…地味なフラグだったのか…。
死ぬ死ぬと予想されていた彼ですが、最終的には王よりも個人として望んだ最期。
今までキャラの濃いチートな大人家臣の中で、
極めて無個性であったアルスラーン個人の意思を最後の最後に優先していたと思います。
故人の意思を確認してないのに、生き残った人に遺言めいた事を残して人生を縛ったり、いいのか悪いのかはもうわからない。
アルスラーンは主人公だったけども、登場人物同士を繋げて物語を動かす役目が多く、
「アルスラーン」は王の名前ではなくて、王にたる者に必要な「概念」のようなものになってしまった感があるので、
一部メインだった時代の、この王が歴史に名を残す偉業をした「開放王」のような誰もが知るビッグネームではなく、
歴史の中でこんな王様の時代もありましたよ「開放王」って言われてたみたいです。という、
現実では本当は史実の中のうっすらとした時代と時代の繋ぎ程度のマイナーな何かだったのかも知れないんだよなー。
この少年の成長と独立が物語のメインで流れで帰結だと思っていた子供のころの私は、
この少年の成長の山あり谷ありの試練が、その後の退化の谷で終わる衰退だとは思ってなかったけど、
大河ドラマって主人公が決まった時点で、何処で失敗して何処で終わるかっていう栄枯盛衰がついてくるので、
そういう着眼点だと、アルスラーンも長年続いた大河ドラマだったと思えば…。
先が見えなかった…先を知らなかっただけで…。


●ダリューン
ダリューンは一番最初にアルスラーンの味方になってくれた人で、戦場で亡くなった仲間の中で最期まで最も長くいてくれた人。
という立場では、アルスラーンにとってはかけがえのない仲間達の中で頭一つは特別な人だったのだと思います。(性別関係なく)
正直、アルスラーンはお亡くなりになるとしてダリューンは生き残ると勝手に思ってて、
それはまぁ絹の国の美姫エピソードを盛大に支持しているが故の欲目以外の何者でもなくてのう…。
アルスラーン個人に忠誠を誓っているのなら、アルスラーンいなくなったら国捨てても仕方ないとか思ってたり…。
ナルサスという親友とは両翼と言われるだけあって、知能頭脳と武勇体力で役割分担のチート同士で二人で一つみたいなところも多かったから、
ナルサス喪失の状態で一人でアルスラーンを守り立てられるかったら、とうしてもイエスマン寄り待ったなしで最期の最期に武勇頼みの脳筋化…。
人相手には最強だったけど人外においてはお察し…というところでクライマックスで退場にしても簡素な流れでした…。
実に惜しい…。別れの言葉もシーンも呆気なくて頁が押ししている感…。
絹の国に遺児とかいないかな…と妄想するのが残された唯一の楽しみです…。


●ナルサス
去年の退場時に残した謎の書面が、
開けてみれば死せる孔明なんちゃらかんちゃらの如く大逆転劇に繋がる重要な何かかと思ったらそんな事はなかった。
ナルサスの退場が遺したことと言えば、アルスラーンのところでも書いたけど、
いかにナルサスが凄かったのかと、何故ナルサスがいないのか。というところなので、
ナルサスの死が味方陣営の起爆剤になるかと思えば、
普通にナルサスがいないとどうにもならないっていう現実を、わかってたよ!という形で目の当たりにするだけだったという…。
いや、でもナルサスも対人以外の魔道は専門外なので、そんなに上手く対処出来てなかった部分すらも死後の美化かも知れないけど。
ナルサスはああいう望んで挑んだ戦いではなく、
不本意な形でアクシデント扱いの死で、そこ思うと油断や慢心や家族が出来た守りの姿勢が出たとかあるとして。
でも、ナルサスはたまたま出会ったアルスラーンに心動かされて、その後にアルスラーンという王を通して自分のやりたかったこと次々やって、
引っ掻き回して、まだこれからもいろいろやりたかっただろうから、
志半ばで無念っちゃあ無念だけど、最期の阿鼻叫喚に巻き込まれなかっただけ良かったのかなぁ。
彼が生きてたら、彼の禁止事項をアルスラーンは守ったかも知れないけど、もしナルサスでもどうしようもない滅びが来た時を考えると、
その期に立ち会わなくて良かったのかなぁどうなのかなぁとは思います。
アルスラーン戦記は、アルスラーンの物語だけど、
歴史としては、パルス周辺諸外国が思っていたように、
実際は、その通り本当に背後でナルサスという策士が王を扇動して盛大に動いていたという時代のパルスだった。ということなのかも知れない。
うーむ。




続く。

アルスラーン完結①

2017年12月25日 15時48分04秒 | アルスラーン戦記
(ここは最終巻を読み始めるまでの盛大な前振りみたいなもので、とりあえずは確信的なネタバレはまだないです)
はい、アルスラーン戦記読み終わりました。
さすがに最終巻です。
連載なしでいきなりの単行本扱いの最終巻でいきなり誰もが本番です。
北海道は遠隔地扱いなのでどうしても入荷が数日は遅れる為に、発売日以前の本州フラゲ組含めて、
さすがにこれは、ネタバレ情報を入れるか入れないかで悩みました。

まっさらな状態で最初の感情を大事に立ち会うという形で最終巻に挑む。
情報を入れながら覚悟を決めて、確認という形で最終巻に挑む。
凄い悩みました。
30年越しの完結の瞬間をどういう形で見届けるか。

さすがに30年越しの完結ともなると、時代が流れ過ぎてて新刊を読み終えるということたった一つにしても、
その動作をする環境が余りに変わり過ぎているというのも一つの現実で。
まず、今でこそ入荷日や発売日なんかはネットでわかりますし、
そもそも発売日って結局昔は何処で知ったのかもイマイチよく思い出せなくなってる始末。
時間の都合のついた時に入ってるか入ってないかわからない田舎の書店をハシゴすることもなく、
直接書店で手にしたいという意思がなければ、通販で後日でも本がたやすく家に届く時代になっている。
自分で出向く手間については、
私は親の車で連れて行ってもらうという、まず親に頼むことから始まった小遣いと相談する義務教育時代、
自分で交通費を出して、自分で出かけるようになった学生時代、
自分で車を運転して出かけるようになった社会人生活。

そして何より、ちょっとの操作でまだ見てもいない物語の核心部分と結末がリアルタイムでガンガン目に入る今のこの時代。
開けてはいけない扉を開かないように情報が閉じたまま維持して我慢するか、
あるいは、うかつにも突然開いた扉か、扉のないところから、何処かしこから飛んでくる開示情報の爆撃をうかつにも食らってしまわないように、
最善の注意を払いながらネット断ちするかの二択。

呟き。感想、レビュー。伝聞。
そういうものが公式な発売日の前後から、ネットの海の中で莫大なネタバレがさ迷い出すなんて本当に凄い時代になったもんだ。
自分以外で同じ本を読んだ人の感想を、自分が知れることにタイムラグが生まれない。
同じような人を探すことの果てしなさが、こんなに瞬時で簡単なことになってしまったなんて。
そりゃファンロードも廃れて久しいわ。って思ってしまう。
30年の歳月だと思ってしまう。

で、ここまで引っ張っておいてなんですけど、
結局、本を買って直接知りたいと思う好奇心が、
持ってないけど今すぐに、大至急結末を知りたいという欲求に完全に負けたんですわ。
簡単に。
30年物を待ったのに本を買えるまでの数日が待てなかったんです。
ダメだわー私。
これが、私と本屋と本と、友達とファンロード。という世界ならまだ待てたと思いますが、
この明らかに開ききった世界を覘かずに通す、っていうことがもう無理でした。
ツイート検索、感想ブログ、そしてゾンアマレビュー。
目を閉じて耳を塞ぐことが出来ずに、私は結末に真っ直ぐまっさらに立ち向かう一度きりの瞬間を永遠に失って放棄した訳です。
最後ぐらいはちゃんと発行されていたころの状況のように、
外部の情報シャットアウトしようと思いながら、出来なかった。

結果論からいうと、人様の感情や思いや感想を拝見しながら、事前情報で読み終わったつもりになれるほど、
誰がこうなってどうなってどうしたみたいな知りたい事は数日も待てずに掘って掘って堀まくってしまったので、
最終的にその事実の数々を自分でどう向き合って検証していくかみたいな読み方になりました。
読み進めるスリルやヒヤヒヤ感や盛り上がり、感動なんかも完全に放棄して、あらかじめ決まってしまっていたことに、
これから出会っていくみたいな。
何処かでそれは何となく良い読み方ではないと思うから、手法として最後まで迷ったけど、
それでも、事実だけを淡々と受け入れる覚悟をしながら心の準備が出来たのは、思ったよりは動揺がなくて良かったのかなぁと思います…。




自分で読んだ後のネタバレ的な感想はこの次で。

ナルフリメモ②

2016年12月28日 16時35分22秒 | アルスラーン戦記
未だにナルフリについて物語の中身の範囲内で考えた時に、
私はずっと、ナルサスの言う向こう何年かは国事に専念するから云々の前置きは、体のいい断りだと思ってたんですが、
これひょっとしたら、お断りではなくて、それが嫌なら諦めなさい。の他に、
それでもいいなら考えるよ。っていう含みも寸分でもあったのかな?という可能性のところに、
今になって考えが脱線してしまって、
頭が更に混乱してます…。
まぁどっちにしろ実質概ねオッケーのまま放置してた事には変わりないんですが。


わっかんねー…orz

ナルフリメモ①

2016年09月17日 18時49分52秒 | アルスラーン戦記
15巻の衝撃と大打撃を引きずって結局⑩まで書いたナルフリに対するあれやこれやですが、
長過ぎて多過ぎて、要所要所かいつまんでメモ部分だけ見た方がいいんじゃないかって思ったので、
要点短くまとめた方がいい気がしてきました。
何だよ~結局10で終わってない事になるじゃないかー。

そういえば、ナルサスって、アルフリード出会ってから惚れられて押しかけ女房される前の間は、
初対面ながら結構好感度高く持ってた印象でした。
割と冷静にアルフリードを見ている中で、緊迫感のあるシーンでも、
彼女に対して、美しいと感じる余裕があったり、
ナルサスの素性を知らないアルフリードが貴族なり王族に対して辛らつな毒を吐く事に対しては、
その内容や真理に純粋に納得していたり関心したりする、一目置いて見るような面があったで。
それが、突然好意持たれて冷静に関われなくなったから、
逆にここまで判断や返事が伸びたのかなって考えたり。

それと、よく考えてみたら、このアルスラーンの世界観って、
どんな美人でも、
「美女を与える」とか「美女を与えられた」「妓館に行った」っていう、時代的にもちょっと物っぽいというか、
タハミーネにしろ、イリーナにしろ、
やっぱり微妙に何処か女性の立場が無意識に潜在的に低い部分も感じるので、
ナルサスですら「泊まっていけ」というショートカットになるのは仕方ないのかなと思いましたマル。
っていう部分もある。
別にアルフリードの事を下に思ってる訳ではないというのもしっかり添えますが。




オチがない。




後日、追記。
この記事と同じ内容前に言ってたわ…。

ナルサスとアルフリード⑩

2016年08月09日 21時00分40秒 | アルスラーン戦記
8話で終わってしまいましたが、アニメ2期を見て、ナルサスとアルフリードのこの後がいろいろ気になったりして、うっかり検索してしまったら、「アニメから3年後舞台の原作最新刊の最大のネタバレメインにして、うだうだ言ってるブログ」が登場して、出くわした方がいたら申し訳ない。。。
でも、アニメ層は大体ツィ検索だから、こんなところまで来ないから良いか…とは思っています。
後、往年のファンとかでアルスラーンの最近の状況調べたら、今更私みたいな奴が出てきてウヘェとしょっぱい気持ちになったりしたら、それはそれで見てはいけないものを見てしまうことになるので、お互い平和に生きよう…。
そしてナルフリだから…とてもナルフリだから…。

この5月下旬から続くパニックも8月も半ばになりまして、半ばに書いていたこの文がネットに出てくるのは9月でして。
その間に大分頭が整理されたのかどうなのかというところで、この⑩まで続いた謎の混乱もさすがに足掛け3カ月も長々書き続けて内容も延々ループして、ゴメンこれ前も言った何回も言ってるわ状態を何度も繰り返してきた結果、ようやく頭が整理されてきて落ち着いたような気もします。


未だに、
何故具体的な告白をせずに突然合体ありきのお泊りのお誘いを持って来たか、そして、暗に合体のお誘いを持ってしてそれを事実上の告白とする。
みたいになったのか、の話で盛大に盛り上がれる議題であることには間違いがなくて。
いや、わからなくもないんですよ。
含みだけを残して、余計なことを示さずに、短い文章の中で、読者の想像に任せる。
という、お察し展開の流れは。
結婚ありきの合体ならば、合体を前倒しして式を後にする場合は、そんなに差し迫って合体したかったのかという話になるんですが、序盤から間際までゾット族の女たるものの身持ちの固さアピールを打ち崩すには、そんなゾット族の女であるアルフリードをよく知っているという前提で、ならば合体を持ってしておぬしを受け入れよう。
という、待たせたことに対しても、わかりやすい責任の持ち方を取ったというか。
私は、いよいよアルフリードに決めたことを、押し切られた絆された流された。というよりは、ナルサスはアルフリードとの件をちゃんとさせたけど、
そこには長い付き合いから来る情以上に、突然沸いたでも蓄積されて気付いた恋心があってもいい。あったんじゃないか。
って。
読者にはそんなに意図して伝わらなかったけど。
だから、今更、変に好きだとか愛してるとかそういう、欲しかった、望んだ美辞麗句?がなかったとして、
今まで、意識することが出来なかった、手を出すこともしなかった相手に対して、
「泊まっていけ」の短い言葉にある、衝撃的な一言の中に、一番わかりやすい最大限の好意があったんじゃないですか。
ナルサスなりの。とは思います。
ただ、その短い言葉の中にそれだけのことが詰まってるなんて察せないし、
そのサラッとしれっと言った言葉から感情が察せない。
それでは聞いて下さい。
「作者はそこまで考えていない」


後、後、余りにもあっさり言った「泊まっていけ」に気を取られ過ぎてるけど、そろそろ帰ろうとするアルフリードに、「用があるのか?」ってナルサスは聞いたのを、今時期に欲目こじらせて読むと、アルフリードはこの時点でナルサスの仲間以上の何者でもないので、家に帰るのは当然じゃないですか。
自分のところから、帰るというのは当たり前なんですけど。
にも関わらず、帰る。という自然なことに対しての理由を、「誰かとの約束とか…」って自分以外の誰かとこれから逢うのではないかと、ナルサスが聞いてくるんですよね。
別に、陛下とか兄貴とか大体はファランギースとの用事でも何でもいいし、それ以外の男と逢う可能性なんて彼女にはないんですけど、
若干所有感醸してるような、自分より優先する用事を気にしているようにも見えたんですよ。読んでて。
で、アルフリードも、聞かれた内容を不自然にも思ってないっぽいし、変なリアクションもしないけど、人との約束に関して、「そんなものないよ」って。
その時に「用はないんだな」って念押ししてるんですよね。念押しですよ。
何のための用事がない。の念押しか。
泊まっていけのためですよ。
ファー。
用があったら、泊まっていけは後日に引き下がったのかって思いますけどねwwww

それではもう一度聞いて下さい。
「作者はそこまで考えていない」


そもそも思った訳ですけども、メルレインに関して。
兄が妹に「いい仲にはなったのか」みたいなこと聞くじゃないですか。
それに対して何もない訳ですから、妹ははぐらかして「都合がある」って答えたじゃないですか。
いい仲の言葉には、進展したのか付き合い出せそうなのか、もしくは、進展はしてないけど関係としては、やったのか。
みたいなニュアンスだったと思うんですよ。
前も言ったけど、兄にそれ言わせちゃうレベルですよ。
で、何もない→やってない→まだ。ってことかどうかは知りませんけども、まだ何もないに対して、ないのかを確認したとか聞いたよりは、ないかあるかをジャッジしかねる位、無意識で特別醸してるように見えなくもなかったんじゃね?
って今更ながら感じました。
トゥースの嫁三姉妹にも不思議に見えてるし。
そして、この兄は、一腹盛ってでもやれ。って兄が妹にするには随分過激な助言をしたじゃないですか。
それ、当時の私なんかは、ナルサスの死亡フラグに際して、メルレインの直感が、今のうちにやっておかないと取り返しが付かなくなる。って助言だと感じたんです。
リミット来てますよ。って。
ナルサスが死ぬ前に一発くらいはかまさないと、後悔するなぁ。って。
そこにもナルサスの意思や気持ちは一切反映されていないしでアレなんですが。
結局、蓋を開けてみたら、一発かませないうちにアルフリードが離脱してしまう意味合いも濃かったのかなと、どっちに転んでもアルフリードには取り返しのつかない事態が迫ってたということで。。。

そんな示唆があった上で、じゃあ、一発でも一回でも想いが通って、思いを遂げるに間に合ったという事実だけは、助かったというか全くもって助かってないし救われてもいないけど。
救われた。救われてないし、落ち着いてもいないし、うっウガー!!

正直アルフリードは、ダリューン、ナルサス、エラム、ファランギース、ギーヴの、序盤で加わったイメージの存在感のある5人に比べて、ちょっと後で遅れて加入した点では脇役度が上がるのかなという印象ですが、長き時へ経て、アルフリード→ナルサスという、あくまで一方通行片思いで、ナルサス×アルフリードというカプが願望の産物で釘を刺されていたところに、やっと、遂にナルサス→アルフリードの気配に流れて、最終的にナルサス×アルフリードというカプ様式がが公式展開で確定となったこと。
アニメや漫画を見た時に、この2人は今はこうだけど、過程や結果がどうであれ、後々にちゃんとくっ付く。と、いう安心感で見られるようになったこと。
というのは自分の中でやはり大きかったです。
最も、結ばれたが最後でその後には死しかない。という、本当に落ち着けるところなど何処にもなく、過去のシーン遡っても未来には亡くなってる。
っていう部分は抉られるものがありますね…。
この2人もういないんだぜ…しかも無念の死だぜ…。
報われたけど報われない…。
アルフリードはナルサスと結婚までこぎつけたけど、望んでいたささやかな結婚式は結局叶わなくて、それでもファランギースに立ち合って貰って、二人並んで仲間に見守られて、夫婦として弔われた。
というのが、今思うとどうにも式っぽいというか…。そっちの式じゃないけど…。

一夜、一夜か…。
日数の表記の前提で一回一晩だけって説になってますが、遠征行くギリギリまで数日連日お泊り通ってても良いのよ…?
むしろしよ…?
あれ?数日もなかった…?orz




話は逸れますが私は、2部のヒルメス戦記が結構好きでして、ナルフリちゃんの出番が余りなかった2部の中では結構なシェアを占めた2人が破局したりしたことにも割と打ちのめされていた訳ですが、破局なんかどうでも良くなるくらいのダメージが15巻であったというオチでして。
そして、破局と失脚のヒルメスが性格破綻して、結局はナルサスを倒してしまった訳ですからもうもう…。
何となく、ヒルメスという人はアルスラーンとの対比で、アルスラーンを因縁としていた要素が目立つ御仁だったので、
彼における因縁の相手として怒りの矛先をナルサスを執拗にロックオンするとは感じてなかったのですよ。
アルスラーンの背後にいる。という点ではナルサスが黒幕めいても仕方ないかもとは思いますが、そこまでとは。

ああ、残念だ。

それでも、やっぱり、ナルサスとアルフリードはカプになったんだ。という結論が出て、私は良かった。と思います。
幸せになった2人、夫婦になった2人の未来が志半ばで打ち止めになったことは悲しいし不幸だけど、一読者として、長い間望んだ結論が出ないまま、何もないまま亡くなられないで良かった。
という無責任な安心しかありません。
物語のクライマックスで主要メンツが今までの出番に比べて遙かに短い文章だけでバンバン戦死離脱していく様は、そういえば的にはハリポタ終盤や漫画的には聖伝を思い出しますが、残り1巻の結末に挑む戦いに出ようと思います。





長くなりましたが、偏った内容を自分好みに整理できて落ち着きました。
もし、ここまでお付き合い下さった方がおりましたら、本当に有り難うございます。
せっかくアルスラーンについてベラベラする機会に恵まれたので、アニメのこととか、ヒルメスとフィトナについて話しが出来たらいいなとかは言うだけタダ状態で。

ダリューン生き残って絹の国に行かないかなー。
ないだろうなぁー。




御清聴有り難うございました!!

あ、浪川ナルサスは男っぽくて好きですけど、塩沢ナルサスに泊まっていけ言われたら、爆発します。

ナルサスとアルフリード⑨

2016年07月12日 16時27分57秒 | アルスラーン戦記
こじらせカプ厨が自分に都合の良いように感想を整理するだけで公正性と客観性がない独り言大会です。
私事ですが資格試験の勉強が佳境で身動き取れず途切れ途切れすいません。

ここに来て大事なことなので最初に書いておこうと思いますが、
ナルサスがアルフリードと初めて出会ったのが12月6日で、
その5年後の12月5~10日の間に「泊まっていけ」デーがやって来ていた。

ということが久しぶりに読んだ読本で判明しまして、
こりゃ「5年も待たせて悪かった」が大体5年ではなくガッチガチの5年後ビッタリである可能性が出てきて打ち震えています。
ただし、5年前も5年後も数日後にヒルメスにエンカウントしてますけどね…ケドネ…。

ツイッタは鍵かけたままでありながら、相変わらずナリフリで検索かけてはファボ無双ですが、
鍵なのでもいつも見てます有り難うございます!みたいな事を一言を告げずに神々の呟きに全力でひれ伏しています。
往年のナルフリスト強い…。

ループしますが、
アルフリードはさ~、ナルサス好き好きだけど、基本的に肝心で大事な所では絶対にナルサスの妨げにならないを徹底してた訳で、
明るくて賢くて情に熱くて優しいところもそうなんだけど、
例え、思い込んだら命がけでも、かといっても最終的にその邪魔にならなくて妨げない要素が、
ナルサスの実感からの好印象の莫大な加点になったと思うんですよね~。
自分の妻だなんだと豪語して引き下がらない困った追っかけなんだけど、
自分の好きな事やりたい事に関わって来ない、でも全力で協力する。みたいな。
うわっ都合が良い!
ナルサスが自分の世界に入り出したら、家からそっと立ち去るとかその気配りもそうだし、
ナルサスの追っかけだけど、全てがナルサス中心かったら一見ナルサスの気持ちガン無視でも、ナルサスの大事なものもちゃんと守るとか。
欲目とか利益不利益換算や、エゴとか無しに。
それは、そもそもゾット族という特殊な立場で、一族を重んじる族長の娘で、
時期族長たるアルフリードの持つ「ゾット族の女性はこうあるべき」っていう信念めいた立ち振る舞いと気質ならではから来るところもいくつかあって、
その要素が何となく、ナルサスの邪魔にならなくて、でも支えになる。ところに上手く噛んでいると思った次第です。
そういう意味でも、結局行き着く先にナルサスはアルフリードじゃなきゃ駄目だった。というところに落ち着かせたいカプ脳。
そうそう、読本読み直したけど、アルフリードの事、
「ナルサスの知と勇、人格に敬意を抱き、この妻となることを勝手に決めている」
って真面目な地の文で書いてあって、ここだけ読むと本当に、
「心から尊敬しております、妻となれるような女性になることを志してます」
って古式ゆかしい武家なりなんなりの良家の女性っぽい信念感じた訳ですよ。
実際、押せ押せ押しかけでああだったけど心根の部分としては、
この方に決めました生涯捧げます、この方に相応しい自分であれるよう精進して、この方に見合う女性に。って意識で、
それが「あたしにその価値があれば」に繋がってるような気がして。
それに、一族の女性は18歳で結婚したから自分も18歳でなんて勝手に決めてたけど、どうにもならない事には柔軟だし、
妾や愛人、事実婚も割といる世界観の中で、口では形式にはこだわらないなんて言っちゃってるし。

アルフリードは、自分にナルサスが振り向くだけの価値があるならいつかナルサスが来ると思ってて、
根拠はともかく、思い込みではなく首に見えないナワをかけたと確信できるところまでこぎつけてたところに、
突然の、泊まっていけ。
だもんなぁ~。
突然、振り向きすぎだろうと思って頭抱える…。

でも、この突然のハイスピード展開で頭抱えながら思ったけど、
ナルサスって、政治にしろ絵にしろ、没頭してのめり込むタイプというか情熱傾け過ぎるタイプな気がするから、
ぼんやり逃げてた事でも、ふと思いついて、こう思ったらこう加速して突き進んじゃうのかなって。





久しぶりに二巻を読んでしまったんですが、読んでみて誰も?着目していなところがあって。
私もナルフリちゃんがこんなことになった後にいろいろなことを根掘り葉掘り探したり、
後付でこじつけれるところで萌えようと思って必死にならなければ、今の今まで普通に読んで普通に捉えてサクッとスルーしてたところなので、
冷静に客観的にこれ本当に何の伏線にもなってないところだと思うんですが、一応訴えよう。

二巻で、ナルサスを待ち伏せしていたヒルメスのところに、その場所を縄張りとしていたゾット族と族長として登場したヘイルターシュが現れて、
ヒルメスに返り討ちにされて、アルフリードは目前で父親と部族の者を殺されてしまうという悲劇に遭うじゃないですか。
その時に、ナルサスは本来なら自分が狙われていて襲われているはずなのに、縄張りに出てきてしまったゾット族が代わりにヒルメスに襲撃されて、
そのお陰で自分が逃げおおせたという事を気にしているのですよ。
勿論、アルフリードを助けに来たり、時間稼ぎを使って反撃の用意をしていたりで、
当たり前ですが見ぬふりをして1人で完全に逃げ切った訳ではないんだけども。
ナルサス的には、
そのつもりなどなかったにしろ、ゾット族のおかげでヒルメスらの待ち伏せを免れたのだし、助けたからには以後も相応の責任がある。
最初から助けなければよかったのかもしれないが、ナルサスにはできないこと。
苦笑しつつ、覚悟を決めざるをえない。なのだそうです。
だから、助けたアルフリードをそのまま現地付近で置き去りにして別れた後に、ヒルメスに殺されても後悔するナルサスは、
結局、アルフリードの身の振り方を考えながら身元を何処か安全なところか人に逢うまで預かってた感じなんだろうけども、
短い間に勝手に好意持たれて、結婚して下さい!テンションに突然なられてるっていう。
うっわー、身の振り方を考えてる最中に相応の責任の取り方が結婚とか、そういう責任の取り方になってる来るんですかヤダー。
結局、ゾット族やメルレインに会っても安全な?身元の元々の所属に帰らずに、ずっとナルサスにくっついて殿下一派に名を連ねてるみたいな。

アルフリードも、あんな性格だし背景含めて父親が殺された原因の一つがナルサスのせいだなんて考えてないだろうし、
その事件以降のナルサスもそのことは考えていないし、
物語の地の文も、2人の出会いの件に関わることは既に深追いしていないので、今更そんなに着目する必要もないと思うんですが、
助けたからにはそれ相応の責任がある。というところで、考えているアルフリードの身の振り方が全く解決としていないという。
勿論、アルフリードは自分の意思で殿下と同行を始めたのだから、それは彼女の意思で決めた身の振り方で既にナルサスは関係ないのだけど、
その一旦っていうのがナルサス好き好きによるところから来ているから、そこで堂々巡りな気もして。
でも、じゃあ結果的にでも巻き添えにさせてしまって、そこで命を助けた責任をとって結婚しますわ。って、
自分の将来に関わる結婚を簡単に出来るほど「責任から来る同意」ありきの判断が最初に出来る男なら、
望み通りに、傍において、形だけでも妻になって頂きました。て当初から自我関係なく決めてると思うし、
もっと責任を取る意味であれば、身を尽くして彼女を幸せにして将来を保障しなければならない訳で、
それってもっと自分の人生に食い込んで来る訳じゃん…?
でも自分、それどころでじゃないじゃん…?
でも、拾ってきた責任一応あるじゃん…?
誰も気にしてなくても本人がちょっと引っかかってたりするかもじゃん…?
そりゃ、保留するわ…。
現実から逃げるわ…。
好かれてるのも面倒だけど好かれてることで出来る戦力背景的な利点もあるし、
好かれているからこそ、愛想を尽かされるまで待たせておけるってことも出来る訳で…
飽きられた時点で、新しい身の振り方を彼女は考えて自分で選ぶ訳だから、そこでやっとナルサスの責任って終わるよね…。
これ、根気勝負だ。
責任は感じてたけど責任放棄して、責任を取れなかったナルサスは最低になるかもだけど。
一応、ナルサスは、所見の段階で彼女を綺麗と感じていたり、コミュニケーションも上手く成立してたし、
ナルサスに向かって正論の毒を吐ける女子が物語の中でもファランギースレベル以外いなくて一目置いてたっぽいし。
ただ!突然着火した押しかけ女房的好意で全て台無しレベルで狂いましたけど…。
うわっ好かれてる!とも面倒臭い!でうやむやになってしまった彼女の長所…。

幸運にも、ナルサスはアルフリードを悪い子だと思ったことは一度もなく、縁も切れずにズルズルしていたら、
いよいよ遂に女性として意識して、
庇護対象から仲間を経て伴侶にしてしまったってことはホント円満じゃないですか…。待たせたけど…。
やっぱりオクサスにアルフリードを行かせたことで、
5年ぶりに静かになった身辺を感じて、ちょっと物足りなさとか感じたのかなとか、
アルフリードを改めて冷静に客観的に見れるようになったのかな。
とか、いろいろこじつけな妄想をする訳ですよ。
帰ってきてから距離が確実に縮まってるし、アルフリードを分析する余裕が出来たというか。
そうしたら思いの他、良い女に成長していた訳だ。
気付かなかっただけで。気付いたら早かった訳だけど。
世の中にはお見合いでも、友達同士でも、仲間でも、
一緒に一生を歩んでいけそうな相手。と思ったら、恋愛感情がなくても好感度の高さで、成り行きでも結婚は出来てしまうので、
責任と放置抱えてるナルフリの場合は、そこでナルサスが最終的にどういう方向に行ったかって割と判断付かなかったんですが。
そこは、恋愛感情の方で取りますよカプ厨は。って。





のろのろと続く。
次回で打ち止め~!

ナルサスとアルフリード⑧

2016年07月04日 18時41分29秒 | アルスラーン戦記
自分が壁打ち用にひたすらパッションとしているこの謎の独り言も8回目でありますが、
ナルフリで同人をした事もなく、絵はシブに1枚だけ描いてたくらいしかしてなくて、でも逆に書いたり描いたりしてないから今ここで滅茶苦茶書いているのかも知れなくて。
とにかく7くらいまで書いた文章読み返したりはしてるんですが、ホントに勢いだけが先行してて文章として滅茶苦茶過ぎて読みにくい読みにくい。
なので見返して変だなと思ったところは極力直してます…。
一応10までやるわと言った手前、それまで続くように終わるように頑張りますwwwww

奇しくも、締め切れてないうちから、アニメ第2期が始まってしまいまして、オープニングなりエンディングなりに一緒に配置された部分を見てしまうと、配置する事に関係性以外の意図があるのかないのか別にして、ああこの2人はまだ生きている。というのと、まだくっついていない。というのと、この2人未来の夫婦なんだぜ…と思った上で見てしまう、ある種の安心感みたいなものも感じてて何か複雑です。

それにしても、これ本当に、こじらせたカプ脳の奴が醗酵した脳で思いついたままに言ってるので、ナルフリじゃない方、本当に酷だと思うので、他のナルサスカプや15巻ネタバレで検索かけて来てしまった方がいたら、
ただひたすら申し訳ない限りです。

でもまぁ最近、ごく最近、某先生が物凄く年下の若い女性とデキ婚と思ったらどうやら「責任を取る」の意味の解釈違いで、女性の方から結婚を発表してしまって男性側はずっと沈黙している事に対して、いろんな情報飛び交ってて。
これが後日この記事を読み直した時にその話がどうなってるかはわからないのですが、ナルフリにおいては、アルフリードだけがナルサスの事を「夫」だと思っているのではなくなったから、それは良しとしようみたいなところに考えが寄ってしまう自分に引きました。




ナルフリにまつわるダリューンの話を前回しましたが、15巻でナルフリという2人を亡くした際に、エラムが並べられている2人を見て、文章の部分だけでは、ナルサスだけにしか感想を持たなかったんですね。
エラムにとって人生のシェアが大きいのは確実にナルサスであって、後から出てきたアルフリードとはどうしても、順番が付くのはまぁ当然で仕方ないと思います。
ナルサスは彼の人生だったんだもの。その前では誰だって無かも知れません。
ナルサスを巡ってという言い方もおかしいですが、エラムはナルサスを挟んでアルフリードとはケンカばっかりしてましたけど、5年の関わりの中で、エラムもアルフリードも成長するに従ってそんなにケンカはしなくなってたと思います。
エラムがアルフリードに不快感を示したのは、彼女がいきなり出てきてナルサス本人の意思を全く無視して、ナルサスの妻発言を振りかざして仲間に入ってきたりしたことで、その振る舞いがとにかくナルサスを困らせて迷惑がられているのが見える訳で。
そして、後からやって来て何も知らないはずなのに、まだエラムほど知りもしないナルサスのことを、ナルサスを一番わかっているのは私だと言わんばかりにしゃしゃり出て来るのだから、ナルサスに仕えて自分の仕事を全うしているエラムにとっても、とても迷惑なのは私もわかります。
むしろエラムが正しいと思う…。
でもまず、ナルサスの迷惑になっている事が不快感の第一前提で、ナルサスにかけさせる迷惑を止めさせたいのがエラムかな。
アルフリードが嫌いのなのか、アルフリードナルサスに迷惑をかけているのが嫌いなのなっかったら、アルフリードが迷惑かけているから自分が不快。ってところなのかな。
凄い、言ってて意味がわからない。
エラムって立場や性格もそうだけど年齢に見合わない、妙に分別臭い淡々とした感じがあるのに対して、アルフリードを前にすると、歳相応の反抗的な部分が覚醒するような部分もあるので、それはそれで発見よね。
そもそも、エラムは無意識無自覚で、兄であり師でもあり主であるナルサスを、後から来たアルフリードに取られるのではという嫉妬に近い焦りもあったのかと思うこともありますが。

ナルサスに押せ押せで妻ぶる事で、ナルサスに迷惑をかけているアルフリードだけど、エラムが、じゃあアルフリードがナルサスに迷惑をかけるのを止めさせる為には、アルフリードがナルサスの事を諦めるか、諦めなくても公然と振舞うのを止めるかで、それ以外だと、ナルサスの迷惑にならなくなる。ってことで、つまりがナルサスがアルフリードを受け入れることですよね。
ナルサスは迷惑がっていたけど、本当に迷惑で彼女と縁を切る。ということをしなかった男だし、その点では、ナルサスがそうならばエラムにできる拒絶は限られてくると思うんです。だから、止めさせるにしては凄くグレーというか。嫌がってないなら放っておけばいいけど、それが出来ないというか。
それに、2部のアルフリードはファランギースに好まれたり、遂にはナルサスが振り向くほど本当に大人になっていて、好き好きオーラが良い意味で割と昇華されていて、角が立つような追いかけ方を公然としなくなったので、エラムに見える範囲でも腹を立てるようなことをしなくなったのかなと思います。

ナルサスが誰を選ぼうが主人のプライベートであることには変わりなく、現実、最終的にナルサスはアルフリードにちゃんと向き合って受け入れた。ナルサスが自らそうすることで、ナルサスにとっての迷惑であろうことが迷惑でなくなったのだとしたら、ナルサスを迷惑がらせる出来事がもうなくなったのだから、これ本当にエラムにとっても迷惑ごとが消える訳で。
ナルサスが望んで決めたことならエラムには何も言えることはないかなと。
ナルサスが認めた女性をエラムが認めない。ということはないでしょうから。

だから、ケンカや言い争いもしたアルフリードだけど、そういう仲間としての付き合いの感情の他に、名実共に「ナルサスの妻」としてこの世を去ったアルフリードに対しての感情が「ナルサスの妻」として完結したからこそ、
スパッと別段何も思わなかった…いや、彼女に対しての感情の表記がなかったのかなと、よくわからない解釈をした次第です。
15巻までの印象よ?16巻見たら正確に書いてあるかもよ?

結局、エラムもアルフリードもナルサスの元で物凄く成長して大人になった結果、エラムは男としてポストナルサスに近づき、アルフリードは女としてナルサスの伴侶になった訳ですから、物語には出てきてないけど、エラムとアルフリードは、気に入る気に入らない、やめろうるさいじゃなくてお互いをちゃんと評価して、成熟した関わり方になっていったんじゃないかなって思います。
ただ、前みたいな言い合いになることがなくなる訳じゃなくて、時々要所要所のテンションで昔のノリが戻るみたいな。
勝ち誇ったようにではなく、勝ち誇って妻宣言される訳ですからwwww

エラムはまだ恋愛とかもちゃんとしたことないので、男女関係には疎くて、ダリューンほどに大人の目線でナルフリを傍観できる訳がないですが、2部に入って、ナルサスを追いかけるアルフリードが容認公認なこと、ナルサスの彼女への前置き、今は待ってくれ発言を知っているなら、ナルサスはそんなに迷惑じゃないということも何となくわかるだろうし、
何より家に上げ始めている訳だから、主人の選択に従ってその辺り穏やかになってたんじゃないですかねって思いますけど2部に入ったらアルフリードとエラムの接点あんまりないんデスヨネー。
2部エラムと2部フリード見たいわー!




いやしかし、劇場版とかOVAのエラムは何故か子供子供し過ぎてて如何なものかなと思っていましたが、荒川エラムが原作のイメージに近いのと、そのおかげで魅力が増しているので、時代がエラムに追いついた感はひしひし感じてますね。
続く!

ナルサスとアルフリード⑦

2016年06月16日 16時57分36秒 | アルスラーン戦記
15巻の発売と同時に訪れた謎の困惑と動揺をずっと引きずったまま、1ヵ月になろうとしていた訳でして、私などはここ1ヵ月毎日の日課として「ナルフリ」「アルフリード」のツィ検索をひたすら繰り返しては、人様の感想を拝見しながら、ひたすらファボを繰り返してたりなんかしています。
しています!!!
この文章なんか長年こじらせてきたが故のただれた感想と妄想だけでもう7回目まで来てしまったので、これいっそ本作一部と同じ数10で終わりますみたいな事宣言しておいた方が良い気がしてきました。
って思ったら10だと2部始まってた…。
別に考察でもないんだ。多分作者はそんな事思っても考えてもいないでしょうて、
私が!自分に!都合の良いように!勝手に解釈をして!
私が!自分に!都合の良いように!自由な妄想をする為に!

ひたすら書き綴って、後日だったり後年だったり、思い返した時に、自分という壁に向かってブツブツニヤニヤするためだけの…文章をここに残しておく為の…脳内の整理整頓です…。

何かさー、
あたかも悲劇のカップルという締め方で2人とも一緒にあの世に行ってしまった訳でありますが、ナルフリちゃんにおける進展とか結末の描写が、15巻では終始アルフリードから見た側なんですね。
(14巻はナルサスがアルフリードを意識した点ではナルサス視点かもですが)
それで、まぁ実際そうなんですけど、アルフリードの思いが報われて、ナルサスが彼女を受け入れた。って感じにどうしてもなるじゃないですか。
入れたのはナルサスだというシモネタは無しだぜ!
「あたしにそれだけの価値があれば、ナルサスはいつか振りむいてくれる」
その時が実際来た時に、ナルサスはあくまで彼女の気持ちに答えてくれた。という事実の部分しかなくて、ナルサスの気持ちの変化が見て取れても、ナルサスの気持ちの中まではアルフリード視点進行程は読み取れないんですよ。
だからどうしても、最後に魂が通じ合っていても、アルフリード視点でのナルフリになっちゃうんですね。

そして、アルフリードに追っかけられている側のナルサスに対して、アルスラーンにしろファランギースにしろ、アルフリードを応援していたし、ナルサスの立場で考えてたのは、アルフリードの好意をナルサスが迷惑がっている、もしくはアルフリードの行為がナルサスの邪魔になっているから迷惑だ。と考えているだろうエラム、そして、腐れ縁で幼馴染?で親友のダリューンなんですね。
ダリューンはナルサスと最も長い付き合いで、ナルサスと最も親しくて、ナルサスという男の事を最も理解していた男だというのが、15巻で改めて細かくわかりまして。

その中で、じゃあ悪友として、アルフリードに追っかけられているナルサスを面白く見ていたダリューンは、その都度都度、冷やかして茶化していじって親友でただ遊んでいた訳ではなくて、もしかしたら。
ナルサスという長い付き合いの男は、今は逃げ回っているくせに、ひょっとしたら、最後にこの娘を選ぶのではないか。みたいな事を何となく察していた上で、何だかんだ嫌じゃないんだろアリなんだろ逃げんなよ、逃げても最後はそっち行くかも知れないぜ。
ってことを、ダリューンは漠然と感じて思ってたんではないか、という都合の良い解釈をする方向に至りました。
ダリューンが思う、アルフリードへの評価自体も結構良かったから、あのナルサスを相手にしようという無謀なところも含めて、ナルサスと上手くやれそうだからと、もしかしたら傍観してたのかもって。
茶化してたところで、真剣に踏み込んで真顔で彼女を薦めるような事はしなかったし、それはナルサスが決めることだろうけど、ダリューンはいじって押し付けてるように見えて、親友の伴侶となれそうな人の可能性として、ふざけながらも意外と半ば本気で薦めてたのかもなって。

もし、例えばナルサスとアルフリードに気持ちの通った上の既成事実がなかった場合でも、それでもアルフリードはナルサスを愛していたから、夫の遺体を守り、敵討ちをするという名目がなくても、自分が愛した相手を守り、敵を打つだろう点は間違いないと思うんです。
そして、力及ばず力尽きてもやはりナルサスの元まで這っていって倒れたと思うんです。
夫である。っていう強い自覚と事実がなくても。
その上で、ナルサス一筋のアルフリードが、先に亡くなったナルサスに最期まで寄り添って力尽き亡くなっている。
っていうのは誰が発見しても伝わると思うんですよね。
で、ナルサスとアルフリードに進展があったと察知していたダリューンですよ。
彼の指示で、互いの肩が触れ合うように並べるんですよ。
亡くなった2人の肩が触れ合うように。
これ、アルフリードが片思いしていただけしか知らなかったのなら、こんなカップルめいた配慮がされるかなって。
もしくは、アルフリードの気持ちにだけ配慮して、ナルサスに寄り添わせる気の使い方を、親友のナルサスの立場を無視して最後にそうするかな、しないよな。とか。
それに、ナルサスがアルフリードを選んだとして、ただ彼女に対して根負けした、折れた。ということだけなら、あえて、最後に寄り添わせる必要もそんなにないよなとか。
だからダリューン的に、ナルサスが遂にアルフリードに決めたということが、本当にナルサスの本心の彼女に対する好意がいよいよもって、あった、できた、と。それが把握できたから、勝手に寄り添わせた訳でなくて。
むしろ、そこで彼らを寄り添わせる。ということ自体が、親友が望んだ伴侶、アルフリードの夫になったナルサスというアルフリードに対して受身の立場よりは、ナルサスの妻がアルフリードという見方で、ナルサスの隣に、ナルサスの妻となった女性を寄り添わせるという、つまり、ナルサス視点側。だったんじゃないか。って激しく盛大に妄想したんですよ!!!
うわっ!こじつけ!
自分キモイ!

で、アルスラーンは、2人の死を目の当たりにした時に、ナルフリがお泊りだの式をこれから挙げようとしていたことなど、まるで御存知ないのですが、この2人に劇的な転機が訪れたの10日前程度だというから、聞いてないよ。で。
そこでファランギースが祈りの歌の中で、
夫婦の死を嘆くという弔事を読みあげた時に、陛下におかれましては、ここで初めて、
あれ?夫婦?二人一組?んんんん??
と、悲しみの中での陛下御混乱。
「ふたりは?」
「結ばれております」
「結ばれております」
これ、この結ばれての意味が、泊まっていけ発言の事実の後だけにどうしても「やったのか?」「やりました」っていう意味合いにしか受け取れないので、念の為に、意味を調べ直して来ました。
少女漫画的意訳でも、両思いになりまりましたとか、合体しました。ってなるけど、無難なところでは、人と人との繋がりが出来る。とか、結婚する。ってことのようです。
そうか…結婚か…結婚してる。ことになるのか…。感無量だ…。
ただ、二人の場合まだ式挙げてないから事実婚状態でも、どっちかったら、両思いになりました合体しました。な少女漫画意訳にイメージが寄ってしまうな…。
死後のダダ漏れプライバシー!!
いや、でも仮に、付き合い始めてました。って事だけだとしても、大人同士だからそりゃあるわなって思われるから別にダダ漏れでも当然の成り行きだからいいのか。

ダリューンがナルサス側視点をちょっと垣間見せた後で、陛下はアルフリードの長い間の想いをずっと見ていて、彼女を応援していた方だろうから、アルフリードがナルサスと結ばれたことを、「よかった、アルフリード、よかった」って頑張り続けたアルフリードの立場で感無量。
そして、気を効かせて、二人が永久に離れないようにと、紐で二人の親指を結んでしまうものだから、ここに悲劇のカップルの完成形が盛大に出来上がってしまった…。
アルフリードに対する、想いが実って良かった、願いが叶って良かった。は、アルフリードの気持ちが伝わって良かった。だけじゃなくて、ナルサスがちゃんとアルフリードを意識するようになった、ちゃんと見るようになった、そして好きになって愛した。愛するようになった。って部分がちゃんとあってのことだと受け取りたいですね。
受け取りたいんですよ!!!!

その気持ちが通っている部分で二人が対等じゃないと、アルフリード側への感慨だけで二人一緒にこのように弔われるのは、ナルサス側の気持ちが全く組まれていないような気がするかな。じゃないと、自分の死後に永久に離れられないように気を回されるの結構アレよ?




続く!

ナルサスとアルフリード⑥

2016年06月10日 16時33分57秒 | アルスラーン戦記
長きに渡って追いかけた推しカプが、カプとして見事に成立した直後に、両方ともお亡くなりになってしまい、しかも地味ながら壮絶、扱い的には戦死。
に、なるという、阿鼻叫喚が待っているとは過去の私は全く思いませんでした…でした…。
まぁ、元々は戦記物ですけど…ですけど…。

印象として、これ、物語読んだ方が大体納得行かないところで、描写の不足や無理のある展開など筆者の技量が落ちたとか、よくレビューされている部分なんですが、そこすっ飛ばして、物語内の範囲で考えると、夫の方は、身を固める方に話が向かった結果、攻めの姿勢の何処かが微妙に守りに変わりだしたのか、あるいは、知恵者の慢心による失策が招いた結果のようで、(今後の展開で死を予期していたとか死を覚悟してたところとかいう表記がなければ)妻の方は、何だかんだ恋愛成就した喜びから来る達成感の幸せボケで浮かれてしまって、緊迫感のある遠征先でも新郎と同伴という気持ち的な若干のはしゃぎ、故の軽率さ。
が、あったのかなと、なくはないだろうと何となく感じてます。
こんな事は何処にも書いてませんけど、あくまで印象として。
「恋愛は一瞬、後悔は永遠」
これはナルサスの持論ですが、今思うと持論を覆した結果、持論通りの展開のようにも取れてなかなか深い。

2人の最期としては、ナルサスとアルフリードの前に、またしてもヒルメスが現れるのですが、この一連の流れは彼らが初めて出逢った時と同じような展開でキチンと対比されている部分があったので、その辺りのところを読み比べながら読むとそれはそれで面白い部分はありました。
結果はとてもツライものなので対比していくのは体力がいりますが!!!
対比が生死すら分けてしまった…。

奇しくも、原作小説の最新刊では、
物語中で5年の歳月を経てようやく夫婦となる方向で話が付き、あらゆる志半ばで不慮の事故にも近い状態とも言える戦死をした形の2人でありますが、それと同時に発売された漫画版新刊ではヒルメスを挟んで2人が初めて出逢った5年前、まさにここから始まった2人であり、連載中の本誌でも、またしてもヒルメスに遭遇して命からがらのやり取りをする2人の馴れ初めとなるようなところであるというところが、運命は皮肉というか…。
原作では死んでしまったのに、生きてる2人の昔のシーンがそこにあって、新しく始まって進んでいて、この頃の2人は元気で健在で、まだ後にくっ付くとか先が見えなくて、くっ付けばいいなと心底思っていたあの頃。
というのが本当に不思議な気分です…。
願った結果と同時に死ですよ…。
更に、漫画版を初めて読むに当たって、この2人は後にお泊りして結婚する予定になるんだ…と確定している前提で読めるのが、また楽しく読めるというか…。おかしいな…結婚する流れになる頃には亡くなっているのに…ううっ。

○ナルサスがアルフリードに「逃げるぞ!」と一緒に逃げようとする→●ナルサスはアルフリードに「逃げろ!」と1人戦おうとする
○「あたしのナルサス」とアルフリードが言い出すがそんな事実はない→●「あたしのナルサス」とアルフリードが言わなくても実質すでにその通り
○銀仮面の正体は知らなかった→●銀貨面の正体を今は知っている
大体こんな感じなんですが、
やっぱりナルサスが自分がヒルメスに敵わなくて死ぬとわかっているのに、特に、5年前のように、舌戦尽くして時間稼ぎからの逃亡計算とかしてないし、(諦めたのか)アルフリードに1人で逃げる事を何度も叫んで、そして上手い事して一緒に逃げようとせずに、
自分が死ぬ前提で戦いを受けちゃって、そして接戦の中、運悪く斬られてしまった…。
実力じゃないところのたまたまの偶然の悲劇で、まさに運悪く。ですよ。
今際の際の言葉すらない即死のようでしたが、生前の最期の言葉までの三つ全てがアルフリードに逃げろ(→生きろ)という事を呼びかけ訴えていたのが、彼女への情の移り方だったのかどうかは、今もうわかりません…。
一緒に逃げて欲しかったよ、5年前のように…。
ナルサスは頭も良いし剣技にも秀でてた見かけによらず剛勇というチートでしたが、やっぱり軍師の側面が強いので、ヒルメス相手だと5年前も5年後も完全な勝算が出ないので、知恵を絞って逃げるしかなかったのに、時間稼ぎも逃げる方に使わずに、「自分は死ぬけど一矢報いたい」方に頭が行っちゃってて…ナルサス…お前は戦士ではないのだ…。

一方でアルフリードですが、最愛の男を目の前で失うという悲劇に見舞われます。
これはお互いに戦の中にあるので仕方ないとも言えますが、やはり壮絶です。
アルフリードはこの危機の中で自分の実力以上の力で奮戦するものの、「自分より大切な物を守って死ぬのが、一番の名誉」
という何かのフラグが以前出て来ました。
自分より大切な男の護衛をしていた身として、自分より大切なものを、夫のナルサスの命を守れなかったアルフリードは、彼女自身の名誉も失って、ナルサスを殺させてしまった自分への怒りに震えて。
ナルサスは死ぬ直前まで、アルフリードに逃げろと何度も言いましたが、アルフリードはナルサスが死んでしまった時点で、夫の遺体を捨てて逃げる訳がない。
ヒルメスに一撃を浴びせ、自分の生命を捨てて仇を討とうとしたんですが、その時に背後から矢を二発背中に浴びせられて内臓損傷で致命傷に…。

最早立つ事が出来ないアルフリードはナルサスの名前を呼びながら、這って辿り着いた彼の遺体の胸に手をかけて、復讐が腕にしか届かなかったことを謝りながら事切れちゃって…。
ごねんね。っていうアルフリードの最期の言葉は、ナルサスは、逃げろって言ったけど、アルフリードは、ナルサスを残して一人だ逃げるなんて絶対しない子で、ナルサスも、アルフリードが絶対逃げないってわかっているからこそ、逃げろって言い続けたんじゃないかな。
結局、アルフリードは最期まで逃げずに、こうなってしまって。
アルフリードにとって、最愛の人を守りきれなくて、その後に仇打ちも半ばで自分が力尽きるという、本当に心の底からひたすら無念な最期だったんだろうと思ったら、余計悲しくなりましたね…。
ひょっとしたらアルフリードのごめんよ。は、ナルサスを守れなかったこと、仇を打てなかったこと、の他に、自分がナルサスの言うとおりに逃げなかったこと。もあるのかな。そんなものはない。
アルフリードはナルサスが死んだ時点で自分も仇を打って死ぬ決意を迷わず決めてて、そうなると、逃げることも生きることもないんだよね。
ナルサスが生きてても死んでても運命共にしちゃうくらい本気で好きだったのね。
でも、アルフリードは、敗れたナルサスの命は守れなくても、その首は守りました。
命より大事なナルサスは最期に守れたんですよ…。

何か、ヒルメスで始まり、いろいろあってヒルメスで終わり、ヒルメスを挟んで初めて出逢い、ヒルメスを挟んで永遠の別れを迎え、
2人が最期の最期までお互いのことを気にしながら亡くなっていく。
(最も2人しかいなかった訳ですから、災難に居合わせた同士の心配という側面差し引いたとしても)
というのは、とても空しいと同時に感慨深いです…。
それは、盛大にフラグの立っていたナルサス退場の形としては、予想しない締め方であったと思います…。
とても思います…。
アルフリードのフラグの怒涛の追撃ラストスパートもさるものでしたが…。
言い方はあれですが、アルフリードも亡くなってしまいましたので、ナルサス様の御子展開も一切ありません…。
私の個人的な印象ですが、アルフリードにとってみれば、無念でしたが、アルフリードは何処までもナルサスを追いかけて旅立ってついて行ってしまった。
あるいは、最後にナルサスがアルフリードを連れて行ってしまった。
そう感じています。

予想していたナルサスの死ですが、その際に伴ってアルフリードも死んでしまったこと、
その2人の亡くなり方が突然、あたかも悲劇のカップルのような一纏めになっているという展開に、未だに脳内の処理がどうにもこうにも追いつきません。
いや、結ばれた手前悲劇のカップルで間違いないんですが。




続く。

ナルサスとアルフリード⑤

2016年06月07日 16時38分24秒 | アルスラーン戦記
くっつくかどうかわからない2人を、くっ付けばいいと切実に応援しながら、好きになれよ!付き合えよ!結婚しろよ!そして、やれ!!
と滅茶苦茶思っていた訳ですが、いざ、本当にそうなってしまった時に、おめでとう!有り難う!という感情で拍手喝采なのと同時に、よくわからないけど、「お、おう…。」みたいな感じになってしまって、わかってはいましたが、私の頭の中は非常に勝手なものでした。
本当に勝手だよ…。
嬉しいけど待ってたけど気持ちの整理が付かなくて反応に困る。

で、まぁお弟子さん2人抱えて後継者というものがちゃんと独り立ち始めた辺りでナルサスの死亡フラグはバンバンだったとして、
じゃあ、そこで片思いし続けてたアルフリードはどうなって生きるのか。って事を考えた上で、ナルサス抱いてやれよって思ってた訳ですけど。
そこで抱いてしまう手前から、あんなに生命力の輝きに満ち満ちていて、父親の不幸背負ってすらとにかく明るくて前向きで精神的に強かったアルフリードの行動や発言に、突然じわじわと意味深な描写が見え隠れしだすんですわ。
何かある。
「ゾット族の女はね、命より大切なものを守って死ぬのが、一番の名誉なんだよ」
ファランギースに、言ってもいないアルフリードのそういう声が聞こえたところから始まって、ファランギースには人には見えない何かを察知しまくりで、アルフリードの頭上に完全に死兆星輝いてるの見えてるんじゃないのくらいに、不吉な予感感じまくりの死相見えまくりなんですが、ファランギースは自分も修行中であるが故に、その直感的な嫌な予感に躊躇うレベル。
嫌な予感が憶測で確証がない。
でもやっぱり、物思う事があるようでお守りに鈴を渡した挙句に「無事に戻れ」です。ううむ…。

ナルサスと遂に一発かまして朝帰りした?というか、一夜明けて帰ったっていうから昼でも良いんですが、
(って思ったら朝から会議入ってるからそれなりに早朝帰宅ですかねどうなんだ)
アルフリード本人は、うれしはずかし朝帰り状態で、ここまでの、少女っぽい面影を残した娘。とい表現から一転、女。という立場表記に変わる訳で、ああ生々しい…wwww
いやもう、ナルサスがアルフリードと致してしまった…という衝撃にも関わらず、本文にして見れば数行の出来事であって、速攻翌日なのが現実としても、やっぱりそう思いつつも、一晩って結構長かったりするので、暗くなるから帰るという時間帯を引き止めて一泊してるのだから、晩御飯一緒に食べたのかなとか、そもそも、泊まっていけって言った後から盛り上がって引きこもったのかなとか、
いつ寝室に連れ込んだのか考えてしまう訳でカプ厨の私罪深い…。
アルフリードは、抱え込んだ幸福感が重過ぎて、足が宙を踏む心地、だそうで、何かもう凄い浮かれてるってのが伝わって来る。
抱え込んだ幸福感が重すぎて、ってことはアルフリードが今まで欲しかったもの願ったこと、それが一夜で一気に手に入ったと思っても良いんじゃないだろうか。
例えば、ナルサスが遂にアルフリードに向いたってこと一つにして見ても、
●ナルサスがアルフリードを愛しちゃった
●ナルサスがアルフリードと結婚してくれちゃう
●ナルサスがアルフリードと致しちゃった

から始まって、
●ナルサスの裸体見ちゃった
●ナルサスの××超良かった
(か、どうかは謎だけどほぼ初恋状態で最愛の人に初めてを頂かれたので凄い補正かかってる気がしなくも)
ってなるじゃないですか。
うわぁ妄想キモイ!!
そんな感じでようやくナルサスが手に入った事の中で、行為における言動や行動で一つも迷いの出来る事なんてなかったんじゃないかなって思った訳ですよ。
ピロートークとかもあったんだろうなぁとか考えながら一体この男どんな事言うのか。
あんまり甘くなさそうだけど、逆に突然甘やかしたりしても、どちらもらしいっちゃあらしい。

そんなこんなで妹の朝帰りの理由が兄にはお見通しで、これはこれで恥ずかしい。
兄は気を利かせて妹の幸せの為に族長の座を妹から開放してくるようとしてくれたりで、ああメル兄ちゃん優しい…。優しい…。
お見通しと言えば、ナルサスという男を最もよく知る男であるダリューンなんかは、結婚に傾きだしたナルサスの微妙な変化に戸惑っていたので、アルフリードが「あたしが、これからずっとナルサスの護衛をする」と言っただけで、ずっと護衛をするという事の意味を理解したようで、人の悪い笑みを浮かべたりで。
お察し。ってやつですか。
親友が遂に覚悟決めたもんね。

で、アルフリードは、ゾット族族長としてのこの戦いが終わったら、ナルサスと正式に式を挙げる気満々で、もうナルサスの事を完全に「夫」として見ているし、何気ない2人の会話も一線超えた後だと思って眺めると、また違った受け取り方も出来て…。
こんな、やり取りがこれから広がるんだろうなと思いかけた矢先、平たく言うと、この戦いが終わったら結婚するんだという強烈な古典的死亡フラグを立てた結果、ナルサスどころかアルフリードもお亡くなりになるだなんて思ってもいませんでした…。

いませんでした…。
トホホホホ。




続く。

ナルサスとアルフリード④

2016年06月01日 16時16分35秒 | アルスラーン戦記
パルス暦とか日付を余り気にせずに読んでいたので、頭の中では物語の進行は、移動や行軍時間しか戦闘とか含めてそれなりに時間食ってるのかな?くらいにしか思ってなかったのです。
が、さすがに15巻のラストでパルス暦325年12月20日とか書かれてると、遡りたくもよるよねって感じで、今更だけどうっかり調べてみたんですよ。
パルス暦で325年の6月19日にアルフリードとファランギースが出かけていて、その時にナルサスがファランギースにアルフリードの事を頼んでたとして、この頃のナルサスは誰かを愛しているとかいないとか別にして家庭や結婚を自由の敵としている印象。
「9月最後の日」から「10月に入って」の間にアルフリードがナルサスの館に来るようになってるっぽい。
その時に、ナルサスがアルフリードを改めて見直すような雰囲気があって。
そしてナルサスがアルフリードを今までで一番美しいと感じたのが、パルス大地震の日として11月20日。
12月1日から12月5日の間にアルフリードはナルサスの首に見えないナワをかけたと確信していて、ナルサスは結婚も悪くないと真面目に考えてしまう。
そして、12月5日から12月10日の間に、「泊まっていけ」発言が来たと思う…。
間違ってなければ…日付見落としてなければ…。

ナルサスにとって本当にダメだったら切ってたけど、まんざらという意味でもダメではなかったから手放さずに切られなかったアルフリード。
でも、信頼関係は確立してても、切らなければ一方的な好意で結婚迫られてる状態が続く中で放置していたら、ゆくゆくは結婚に話が流れていかなくもない。
信頼関係や異性間の愛情とは言わなくてもそれなりの絆の今までの蓄積があるとして、10月頭に若干意識して、11月20日に見惚れて、12月が始まった頃には結婚を考えて、12月10日までの上旬のうちに「泊まっていけ」まで話が進んでる…!!!
なお、アルフリードはその間もずっとナルサスが好きである…!

ナルサスの屋敷に独身メンズの家には必要のない主婦が使う部屋とかあるんで、たまたまその部屋のある家があてがわれたとかじゃなければ、将来的に結婚ふんわり考えた間取りになってるのかなまで妄想しても良いのかどうなのか。
結局、ファランギースじゃないけど、アルフリードの気持ちは固まっているのだから、後はナルサス次第という一点な訳で、ナルサスにスイッチが入った時点でナルサスの気持ち次第で話の流れが一方に進むしかないんですよねー。
ナルサスがアルフリードにぐらついてきた辺りからの落ち方がこうして見ると実際早い早い。

ナルサスが何だかんだアルフリードの事気にかけていたとして、放置していたアルフリードとの関係に責任を取る事が手放す事でないとしたら、最終的に結婚することになってしまう訳なんだけども、その将来の責任の取り方が結婚だとしても、正直お互いに良い大人だし、正直結婚という関係性を築くだけなら、2人の場合、仲間同士だろうが友達同士だろうが、信頼関係がちゃんとしてれば恋愛感情じゃなくても結婚できちゃう訳で。
そもそも、国事に専念するから自由のない恋愛と結婚から逃げ回っているはずなのに、
物語的には専念しているはずの国事が全然切り付いてないのに、ナルサスが結婚考えちゃってるんだよなー。
どうしちゃったんだお前。

で。
話が再三ループしまくりですが、ナルサスの気持ち一つで恋愛関係や、もしくは結婚関係にすぐ移行出来る状態をずっと継続してて、
じゃあ、アルフリードの事いよいよ好きですよ、愛してますよ、結婚いいですよ。という返事を出す時に、それなりの盛り上がりが読者としては欲しいじゃないですか。
そういうのがくればいいなってずっと思ってた最中に、単刀直入に色気もへったくれもなく「用事がないなら泊まっていけ」(要訳)
有り難うと同時にお前ちょっと待てとか思いませんかーーーーーーーーwwwwwwww
そこにロマンはあるのか。あるけどどうなのーーーーーーーーーーーーwwwwwwwww
確かにナルサスの気持ち次第なんだけど、そういう気持ちなの?とか思いませんか。
いや、確かに確かに、ナルサスの気持ち次第で話は劇的に進んでいくけども、こういう選択は前衛的だと思うのです。
ナルサスの腹のくくり方がこうならば、最初から腹をくくっているアルフリードもお受けするしかないじゃないですか。
大混乱ですよ。

読者としては見たかった、正面から相手に向き合って改めてのちゃんとしたお返事の言葉と、それに伴うそれなりに甘酸っぱい照れとか、そこから始まる2人とかあるとしますよ。
でも、現実的によくよく考えて、むしろ、ナルサスのようなチートでハイスペックな男の何処か完璧でない部分、突出した才能が偏ってて人としてひょっとして何処か足りない部分、男として無骨な部分、そういうところが、「用事がないなら泊まっていけ」という、単刀直入だけど、意味を理解するのに婉曲的な内容に出たのかなって。
アルフリードが最初からナルサスの事を好きなんだから、自分がアルフリードを好きになった時点で、何の隔たりもない訳だから、ボディ関係になってもおかしくないっちゃあそうだよね…。

ここに来て、アルフリードに関して、今まであんだけからかわれて茶化されて、動揺してむきになってして取り乱していたのに、ようやっとこの時が来た時に、それに関して照れもはぐらかしもせずに、婚前交渉において、おかしくないではないか。当然ではないか。と、しれっと言いそうな気がしなくもない。
家系の名誉がとか釘さされてるのに、そこであえて結婚してからの営み開始ではなくて、婚前交渉に流れた辺りなんかは、待てなかったとか、気が変わったとかそういう以前に、順番を気にしないという、何処か突飛で奇抜で前衛的な発想をする人なのかなって。
今更、愛したからと言って最初にボディのお誘いというのが、だらしないとかけじめのつけ方がおかしい。という一面もあると思うけど、私はありかな。と思いました。

結局さー、ナルサスはナルサスなりにアルフリードの事ちゃんと見てて後年ちゃんと惹かれていたと解釈してるんだけど、別に乙女ゲーとか少女マンガとかラヴロマンス物でも、主人公とヒロインの恋愛でもないし、そもそも戦記物なので、そんなにかっちりかっちり過程を描写する必要もないんだけど、短い文章や描写の中だけで察するとか、思わせぶりな表現とか、読者の受け取り方次第に部分を自分に都合良く解釈するとかないところで、もう少し、ナルサス様の感情を下さい!って思いますんよ。

感情を下さいとか思ってるそばで、何度も連呼してるけどこの「泊まっていけ」が本当に予想外で。
ナルサスって、過去に宮廷で浮名を流したとか木石ではないから妓館に通った。とか前々から書かれていた訳で、物語でそんなやり取りなくても、見えてない所でそれなりにそれなりに性的な男だったとは思ってましたが、
如何せん、見えてない過去のモブ相手を察する部分なので、こうして、主要な登場人物に対して、性的?な一面を見せたのが本当に衝撃で。
無骨だけど!色っぽくないけども!
そういう事するんだ!そういう声のかけ方するんだ!女の腰に手をまわして引き寄せちゃうんだ!って。
ナルサスの男の一面ですよ。
しかも、いよいよもってアルフリードに!!
そりゃもう頭パーンですよ。

そうこうして長年追いかけたカプが、相思相愛になる。とか、結婚する。とかそういうところはしょって、告白まで省いて通り越して即日お泊り合体みたいになってしまいまして、2人はカーテンの内側に消えて、翌日アルフリードはめでたく朝帰りとなったのでした…。
おめでとう…本当におめでとう…。
ナルサスがアルフリードをいきなり抱いてしまった…。

そういえば「泊まっていけ」発言の辺り、何処かで知ってる流れだと思ったら、立場やシチュエーションこそ違うけど、ベルばらの「今夜アンドレ・グランディエの妻に」の夜の辺りと一緒っちゃあそうなんだよねー。
この戦いが終わったら結婚しようみたいなところも…。

あっ…あっ…あっ…。



続く。

ナルサスとアルフリード③

2016年05月26日 15時32分43秒 | アルスラーン戦記
20余年は追っているカプが結末を出して拍手喝采と手放しで喜べない事情は後々のネタバレになりますが、とりあえずは、そこに辿り着くまでのこの20余年分のパッションを放出しない事には現実を直視できませんのです。ううむ。
後、アルスラーンとの出会いと年季に関して厳密に言うと多分劇場版アルスラーンが小学生辺りの頃で、それをアニメ雑誌か何かで詳しく知って小説を読み出したら小学生の頭じゃ難しかったという感じです。

「5年も待たせて悪かった
ってナルサスは言った訳ですけども、ナルサスは、アルスラーンが14歳から18歳になっていた2部の開始の8巻時点ではどう考えてもアルフリードとの仲が進展していなかったんですよ。
「向こう幾年かは国事に専念する、国家より恋や家庭を優先するわけにはいかぬ」
っていうもっともな大義名分はあって、私は当時なんかは、それぐらい両立できるだろ。って思った物ですが、後々これをよくよく思えば、かける情熱が重ければ重いほど両立って難しいことで。
オタクが忙しくなれば忙しいけど、今は恋愛とかいいんで、オタク楽しませて下さい。って全て放り出して優先順位が変わるじゃないですか。
オタクも恋愛を掛け持ったら、オタクとしての自分が中途半端になるし、恋愛で頭いっぱいになったらオタクしてる余裕なんてなくなるのと似てませんか。
比較対象と次元がおかしいし、そもそも国家を動かす事とテメェの趣味一緒くたにするなって話ですね、あ、はい。

それで、ちょっとこれは1巻辺りに含まれる、いい感じではないけども2人のやり取りに関して付箋でもして話追わないと要所要所すら見逃す感じで、ナルサスの死亡フラグが15巻に向けてチラチラ出てきて、その上に、余りの進展のなさに13巻では一服盛ってでも想いを遂げろ遠慮はするな状態になりまして。
そうしたら、やっと14巻で、アルフリードが仕事で1人でナルサスの館を訪ねるようになって、2人で仕事の話をするように。

もし、アルフリードが「おりますの」とか言うような女性だとしたら何とかして縁を切っていたろうなあ。というナルサスの内心がふと出て来た時に、ああ、この男はやっぱりこれはダメだ合わないと思ったら、どうにかして縁を切る事が出来た、切っていた男で、彼は優柔不断な態度ながらもアルフリードに対してそれをずっとしてこなかったのだと、感じました。
真正面にいるアルフリードを見て、少女っぽさを残しているけど確かもう21歳で子供が3人ぐらいいてもおかしくない歳でそれが大多数だとか今更ながら思ってみたり。
同時に、アルフリードに対して「やさしいな」と感想をもらしたりして、ちょっと珍しい。
その後に考えにふけりだしたナルサスの邪魔をしないように、アルフリードはこっそり帰宅してちゃってるのにナルサスは気付くんだけど、そういう邪魔にならない配慮が出来るアルフリードに対して何か思ったのかなというところがあったのかどうなのか。

要所で言うならば、アルフリードが自分のスカーフをナルサスの頭を包んで抱え込んで、「あんたの頭を守ってるんじゃない。陛下の頭を守ってるのよ!」っていう男前なシーンがございまして。
この件でアルスラーンを守る為にはナルサスを守らなければないないという自然の判断で、アルフリードは粉塵だらけになるんですけども、この時にナルサスは頭を打った覚えはないのに、「何故か」「アルフリードが」「今までで」「一番」「美しく」見えたそうなのです。
ひょっとしたら、このじわじわ無意識に感じてた何かがあって、この時に今までと違った何かに変わって見えたのかなと思わなくもない。

ナルサスは国事に専念する為に恋もしなければ家庭も持たないとしていた一方で、自由な独り身を好んでいて、逃げ回っている。とアルフリードは思ってるらしく、それでも、逃げ回っているナルサスだけども、彼の首に見えないナワをかけたと遂に確信する部分が出てきたようで、後は時間の問題でこちらに来ると思ってるらしいところまで来ているとか。
確かに、許容されている年月が長くなって来てて、切られない訳だから見込みがない訳ではないよね。
それに、最初こそ1人で行けなかったナルサスの館だけど、15巻には、アルフリードがナルサスの館に寄って、他愛もない茶飲み話をして帰る程度には、気軽に立ち寄れるようになってる。

気軽に立ち寄れるようにはなってるけど、大好きな彼とのその他愛もない茶飲み話だけで充分に嬉しくて愉しい。って感じてるのに、まさかね、まさかよ、暗くなるから帰るって言ってるのに、用事がないの念押ししてからの泊まっていけ。って始まるんですよ。
どのタイミングでそれを言うのよこの男はけしかん!!!!

で、思ったのが、ナルサスが抱えてた子供枠は、アルスラーンとエラムとアルフリードで、アルスラーンは王太子から国王として独り立ちして、エラムは待童であって弟子だけども、エラム卿という同僚となって陛下に仕える臣下として対等な立場になって、アルスラーンもエラムも男として独立して、じゃあ、アルフリードって女として独立した時に異性として見てしまって、その上でやっぱり伴侶なのかなって。
だとして、いきなり、泊まっていけ?
ないわー!ありだけどないわー!




長いわー、オチないわー。まとまらないわー。
続く。

ナルサスとアルフリード②

2016年05月24日 23時04分49秒 | アルスラーン戦記
以下、アルスラーン戦記原作小説15巻の感想と長年積もり積もった妄想と、思い返したり読み直したり読み直してなくて思い込んでたり。
というような雑多な話を交えながらネタバレが続きます。
殆どナルサスとアルフリードの話しかありませんので、もし、それ以外を御所望の上で検索とかで辿り着いた方おられましたらすみません。



アルスラーンでの推しカプが私の人生のうちの20年の時を経て、ようやく結論が出ます出てしまったんです。
(20年連呼して当時小学生と自称してまして結果計算間違いでしたが、自分でも記憶飛んでるのでこのまま通します…)
推しメンがやっと動いたのです。
推し女子に「泊まっていけ」と、致そうと、一線を超えようと、遂に性的に動いたのです。

くっ付くかどうかわからなかった20年。
(刊行から30年。。。)
笑えるシーンはあっても、男女としては別段いい雰囲気にはならなかった20年。
未完で終わるかもと思っていた20年。
ようやく、待ってました拍手喝采方面に話が動いたのです。
そこは喜びたいのです。
しかも、可能性として漠然と願っていたお屋敷にお泊り展開。
そして、今まさに推し女子は初恋の人でロストするのです、この2人を推してきたカプ者感極まりたくもなりますよ。
なるんですなってるんです。

「5年も待たせて悪かった」ナルサスが言います。
さすがにこの色っぽくなるかも知れないシーンで待たせたことが社交辞令な侘びではないと思いますが、ナルサス様、待たせている自覚はあったんだ!!!
待たせていると思っていたんだ!!!
この5年は出会ってからの5年。
5年前当時としてはナルサス26歳アルフリード16歳で、アルフリードがまだガキ臭いマセガキ女子だった頃に、偶然か運命か、命を助けて貰ったり一緒に死線を潜り抜ける中で、尊敬と好意と憧れが一緒くたになってアルフリードの一目惚れみたいになっちゃってて。
それが好き好きオーラ丸出しで押しかけ女房気取りで、若いなガキだなって部分アリアリだった頃。
大人を好きになっちゃった子供が騒いでるみたいな所も多分にあって、その好意を隠さない全力でアピールする露骨さが、割とナルサスにとって迷惑であり、周りがナルサスを茶化す原因だったりして。
アルスラーンを読み始めた頃、アルフリードは私より年上だったから、アルスラーン・エラム・アルフリードで子供組扱い?でくくられている事がよく理解できなかった訳です。
小学生から見たら高校生なんて大人なのと一緒みたいなイメージで。
ああ、でも今確かにどちらかというと物事を大人組目線で見ざるを得ないので、アルフリードは子供だな…って思い直しました。
そう感じるようになった。と。嗚呼20年。
ただ、やっぱりアルフリードがナルサスみたいな年上の大人に憧れてカッコイイ!結婚したい!する!って思うのもよくわかる。
でも、実際それは思うだけで止めとくよね。みたいなところでさ。
恐れ知らずというか良い意味で身の程知らずというか。
だから、正直、その真っ直ぐな好意も純真も、重い?重くはないけども自分からしてみたら興味のない人からそうやって押しかけられても、調子狂うどころか、相手がいようがいまいが手に余すじゃないですか。
自分、間に合ってます。って。よしてくれって。

でも、言い寄られても楽しく思わずに迷惑がっているナルサスも本当に迷惑かと言えば、困っているけど、真摯に向き合って断った。訳ではなくて。
お願いだからもう終わりにしよう。ノーセンキューです。って本気で真面目に説得して話をつけるか、諦めさせるか。ってこの男なら拒絶が出来なくないと思うんですよね。
してないんですよ、ナルサス。
【優柔不断とそしられても弁明できぬ】ってあるように。
エラムに「俺の重荷を肩代わりしてくれよ」と投げてみても、ダリューンに「いい子じゃないか」と言われて「悪い子だとは思っていない」って返したり。
アルフリードが同行する事になったファランギースに対しても一応はアルフリードを心配していて、「アルフリードのおもりをお願いします」って頼んでみたり。
断りだったのかも知れないけど、「向こう幾年かは国事に専念する、国家より恋や家庭を優先するわけにはいかぬ」っていう大義名分というか上等手段を、一応は言いはしたのらしいのです。
それって、この世界観の御時勢のこの時勢で、結構先の見えない、区切りが何処にあるかわからない気の長い世界じゃないですか。
普通は身を引かなくてはならないというか、相手にそこまで期待をかけた冒険もできないし、見込み考えたら待ったところで返事が貰えないかも知れない点ではもう失恋じゃないですか。
でも、これって今思ったけど、この断りはアルフリードに対して、お前を好きにはならないし興味はない。とかそういう事には一切触れてない…。
結局、この断りに対してアルフリードは素直に了承しちゃった。っていうから気の長い世界に突入してしまったっていう。
ここで引き下がると思ったら、本当に幾年か先を楽しみに待ち始めたというから、これ本当に興味ない子にやられたらキッツイと思うのです。
それでもいいから待つ。って答えられたら逆にもうどうしようもないよね~。

でも、あのファランギースなんかは最初こそ、最初だけはナルサスを好いておるなら妨げにならぬことじゃと、助言はしたけども、本当にきっちり守ったアルフリードの良き姉のような味方になってくれて、立場的にはアルフリードをとても応援して見守っていて、見守りながらも口出しこそしないものの、逆にナルサスの方をふがいなく思ってるところが、アルフリードが良い子たる所以かなと。
優しくて、情に熱くて、面倒見が良くて。
本当に、新しく仲間に入ったメンツですら、アルフリードはどう見てもナルサスラヴ。って感じるレベルなのに、それを好意的に見て大体皆してナルサスを茶化す方に行くし、
茶化される立場になるナルサスも面白いし、そもそも誰もアルフリードに、追いかけるの止めなさい、迷惑がってる。みたいな事たしなめてないっていう。
エラムはたしなめてるのかも知れないけど、全力で阻止するとかそういう次元でもなかったし。
で、アルフリードが諦めが悪いのか空気を読まないのか別として、出会った時のテンションを維持するのって凄く根気がいる事だと思うし、この15~20歳の間に物事の見え方も好みも変わるだろうし、それなりに新しい出会いだってあるかも知れないのにずっと初志貫徹のままでいられて、その気持ちごと成長していったっていうのが凄いなぁ~。
ナルサスを最初に好きになってしまったなら、それ以上濃い人に出会うのなかなかないけども…。
「あたしにそれだけの価値があれば、ナルサスはいつか振りむいてくれると思うんだ。あせるつもりはないよ。」
って言って本当に焦らずがっつかずに大人になっていくんだよな~。
ナルサスの仕事の邪魔は絶対しないし、引いたり抑えたり出来るようになってて、恋から愛に変わって来てるというか。
押してもダメなら引いてみな、みたいな所に自然と以降してるのが本当に大人の女性っぽくなってるというか。
これ凄いよな~。
最初は曾祖母からの慣習で18で結婚する予定だったみたいだけど。
結局、5年過ぎた時点で、アルフリードは快活な印象そのままだけどやっぱり少女から女性の身体つきに変わってて、
21歳になってた時点でこの世界においての結婚適齢期を超えてて、このくらいの年齢だったら子供3人くらいいる時期なのに、周りを気にせず気にならずに、
自分のペースでずっとナルサスを待ってるっていう。
仲間をやりながら。

それに対して、その先の見えない放置に対して、ナルサスの「5年も待たせて悪かった」が遂に出たんだよ…出た…。
ううっ。




この一言だけで過去のいろんな思い出が走馬灯のようによぎったところで、長くなり過ぎた事に気付いて、続く。