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【日曜特集】第14旅団創設6周年-善通寺駐屯地祭【9】想い出の赤鷲戦車隊(2012-04-29)

2019-07-28 20:07:34 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■思い出の即応近代化旅団
 今回の第九回が第14旅団創設6周年-善通寺駐屯地祭特集の完結編となります。

 第14旅団、今回写真にて行事を紹介しています2012年と2020年代を目の前とした今日では第14旅団の編制は同じ善通寺駐屯地にあって大きく変容しています。ある意味で回顧録というよりは懐古趣味的、といえる写真としてご覧になる方も居るかもしれませんね。

 即応機動旅団への2018年改編により全国へ機動展開する能力を整備された、という説明が為されますが2012年の行事が行われる事を遡る二年前、あの東日本大震災においても第14旅団は全力で出動しており、第2混成団時代には、阪神大震災へも派遣されています。

 即応機動旅団となった第14旅団の現在は、旅団司令部、同付隊、第15即応機動連隊、第50普通科連隊、中部方面特科隊、第14偵察隊、第14高射特科隊、第14施設隊、第14通信隊、第14飛行隊、第14特殊武器防護隊、第14後方支援隊、第14音楽隊、というもの。

 善通寺市での行事一つをとっても実は大きく変容しています、2018年の行事へと撮影に赴きましたが、2018年の善通寺駐屯地祭では市街パレードとしまして今回の特集で紹介した観閲行進は市内の公道において善通寺五重塔を背景に広く強く勇壮に実施されていました。

 第14旅団は2012年時点で、第15普通科連隊、第50普通科連隊、第14特科隊、第14戦車中隊、第14偵察隊、第14高射特科中隊、第14施設隊、第14通信隊、第14特殊武器防護隊、第14後方支援隊、第14飛行隊、第14音楽隊等、という、今日とは大分に違う。

 市街パレードは2017年の即応機動旅団改編前年から実施されていまして、2017年の市街パレードでは第14戦車中隊の74式戦車が観閲行進を行っています。思えばこの行事で活躍した第14戦車中隊は既にもう無くなっているのですね、部隊マークも廃止されています。

 74式戦車を駆っていた第14戦車中隊は第15普通科連隊の第15即応機動連隊へ改編された際に第15即応機動連隊機動戦闘車隊として統合されていまして、装備品は74式戦車から16式機動戦闘車へと転換しています。もっとも、いろいろと云われる装備ではあります。

 第8師団、南九州を防衛警備管区とする西部方面隊隷下の師団ですが、実は何気にこの第14旅団と張り合っている、思い込みだと思うのですが率直な印象として思ったところがあります。なんといいますか、第8師団祭と第14旅団祭は、四月の同日に行われる事が多い。

 即応機動師団へ第8師団が改編されたのは2018年3月、第14旅団と第8師団は同じ年度末に即応機動師団と即応機動旅団へ改編されているという。実は第14旅団は諸般の事情で改編行事が一日遅れて四月一日、新年度初日に行われています。まあ、ほぼ同日ですね。

 2017年に74式戦車が善通寺市内を市街パレードで勇壮に轟音を響かせた、というその日に当方は何をやっていたのか、と言いますと、はい。その日北熊本駐屯地に居ました。10式戦車が轟音を響かせていました、第8戦車大隊と第8特科連隊の最後の行事参加と聞き。

 2018年に善通寺駐屯地祭へ進出された方々の中には、第8師団に行くか第14旅団へ行くか、迷われた方が多いという。実は新編行事を行脚したという方が居まして、知り合いの知り合いには、なんと自家用車で北熊本と善通寺を一日で移動したという猛者までいます。

 北熊本駐屯地へ前年いったからこそ2018年に善通寺に行った当方は74式戦車善通寺の最初で最後の市街パレードを2012年に善通寺で第14戦車中隊撮ったからいいよね、という。しかし、これには面白い話がありまして、此処まではいうなればまあ主観的な要素が多い。

 16式機動戦闘車が善通寺駐屯地祭2018において空包射撃を行う、とは旅団広報の方が強調していたという事ですが、その話を第8師団広報の方に話したお方から聞いたお話し、第8師団は16式機動戦闘車の他に10式戦車も同時に射撃します、と張り合っていたとも。

 考えれば、これから即応機動師団と即応機動旅団は次々に改編され誕生してゆきます。もちろん、三個普通科中隊の装甲車という者は世界規模で視ればそれ程大層なものではなく、96式装輪装甲車も世界的に視れば安価に量産できていますのでもっと改編は多くてもいい。

 その上で2012年の時点では分らなかった、と言いますか現時点でもわからない部分があります、第15即応機動連隊が創設されたものの第50普通科連隊はどうするのか。第15即応機動連隊は硬度に装甲化されていまして16式機動戦闘車も二個中隊ある。では50連隊は。

 第50普通科連隊は2012年時点では第14特科隊のFH-70榴弾砲と第14戦車中隊の74式戦車によりささやかながら連隊戦闘団を編成する事が出来ましたが、第14戦車中隊は前述の通り第15即応機動連隊へ統合、第14特科隊は中部方面特科隊で運用が難しいといえる。

 第14飛行隊が増強改編でもされていましたらば、第50普通科連隊は第15即応機動連隊の機動打撃力を空中機動と共に速力で協同する、といえるのかもしれませんが、第14飛行隊は当初計画ではヘリコプター合計10機程度を考えていたというも実際は4機に過ぎません。

 即応機動旅団と云いますが地域配備部隊としての第14旅団の中から選抜部隊として、非常に失礼な言い方ですが恰もスポーツ全国大会に行く様な代表部隊として優秀な装備を充てられているような錯覚も感じまして、実際防衛出動に第50普通連隊はどう臨むのでしょう。

 高機動車主体の普通科部隊ですが、もちろん警備任務を筆頭に重迫撃砲も対戦車ミサイルも装備していますし、錯綜地形であれば彼我混交の状態に持ち込むことで戦車さえも敵ではありません。市街地戦闘では普通科部隊の独断場といえる、次いで施設科部隊の、と。

 輸送防護車のような耐爆車両が高機動車に代えて大量装備されたならば、また様々な運用が可能となのるのかもしれませんが、この豪州製装甲車両は通称ブッシュマスター、しかし宇都宮の中央即応連隊が導入した際に取得費用を見ますと96式装輪装甲車より若干高い。

 ブッシュマスターは車内容積が十分確保されていまして、長距離機動に最適といえるものではあるのですが96式装輪装甲車と車高が高く、取得費用も一割五分ほど高い。世界的に視れば96式装輪装甲車が完成度まあまあ、取得費用手頃、という優れた車両なのですね。

 さて即応機動旅団となった第14旅団ですが、改編前の第14旅団は東日本大震災に1500名もの隊員を派遣しています、第15即応機動連隊が900名規模といいますので、防衛出動を考えた場合、当然留守部隊を残し第50普通科連隊も派遣される事は間違いありません。

 第14偵察戦闘大隊のような部隊へ第14偵察隊を増強改編する必要、その上で第50普通科連隊と協同するなどの施策は、検討されてしかるべきでしょう。もっとも、偵察戦闘大隊には機動戦闘車よりも打撃力と防御力に情報収集能力に長けた戦車中隊が必要とも思うが。

 さてさて、今回が最終回です。第14旅団はこの後に即応近代化旅団から即応機動旅団へと改編され、ここまで紹介しました第14戦車中隊、通称赤鷲戦車隊は廃止され歴史ある第15普通科連隊は第15即応機動連隊へ改編されました。今見返しますと、懐かしい情景ですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (パラベラム9)
2019-07-29 18:19:27
我が四国の護り、第14旅団‼️
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次回からは (はるな)
2019-08-02 21:00:45
パラベラム9 さま

次回からはあの精鋭部隊を、紹介します
返信する

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