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ウクライナ情勢-アドミラルゴルシコフ級フリゲイト3番艦ロシア北方造船所にて進水式

2024-10-07 07:00:45 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ソ連崩壊後のロシアは輸出艦の受注で経験を積んで建造能力を継承している構図でしたが新しい艦艇の量産体制が徐々にではあるが確立し始めている。

 ロシア海軍向けアドミラルゴルシコフ級フリゲイトの3番艦がロシア北方造船所において進水式を迎えたという。艦名はイサコフ、計画では2027年に竣工する予定です。航空母艦アドミラルゴルシコフとは別のもので、満載排水量は5400t、海上自衛隊の護衛艦もがみ型と同程度となっている、冷戦後としてロシアが量産した最大の水上戦闘艦です。

 冷戦時代のソ連海軍はソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦とウダロイ級対潜駆逐艦という、満載排水量8000t規模の大型水上戦闘艦を量産していましたが、ソ連崩壊に伴う経済破綻によりその余力は失われ、1200t程度のコルベットをミサイル艦や防空艦として建造し、経済破綻により退役を余儀なくされた水上戦闘艦の代替にあてていました。

 ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦、2000年代にはいりロシア経済が石油輸出などにより一定の回復を見せた際に建造されたのがアドミラルゴシコフ級ですが、当初は満載排水量8000t程度の水上戦闘艦建造を計画するものの、建造ノウハウの流失散逸などから時期尚早とされ、4000tのフリゲイト計画を構築、発展させたのが本級となっています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 やはり機械化部隊は重要だ。

 ウクライナ軍はクピャンスク正面において2024年初期以来最大のロシア軍機械化部隊攻撃を撃退したとのこと。ISWアメリカ戦争研究所9月27日付ウクライナ戦況報告によれば、クピャンスク南方にあるピシュチネにおいてロシア軍の増強大隊規模の攻撃を受けたという。この地域はウクライナ軍一個大隊が防御陣地をおいている場所でした。

 ロシア軍増強大隊は戦車および装甲車50両を参加させたものの、ウクライナ軍は戦車3両と装甲車11両を撃破、またロシア軍は戦車10両と装甲車16両を損傷させられたものの残存部隊は後退したとしています。この戦闘は9月26日全体にわたって展開され、ウクライナ軍は戦闘の様子を映したドローン映像を公開しています。

 クピャンスクを狙うロシア軍は当面の目標としてオスキル川への到達を目指しているとされ、ここまで進出しウクライナ軍への防衛戦を構築しようとしていますが、クピャンスクの重要性はウクライナ軍も理解していて、クピャンスク正面のウクライナ軍はなんとか後方連絡線を維持しており、ロシア軍にクピャンスク奪取の目処を立たせていません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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