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【京都幕間旅情】祇園祭二〇二四-後祭り宵々山,気候変動と経済開発は先進国と新興国の難しい関係

2024-07-31 20:01:19 | 日記
■宵山に気候変動を感じる
 祇園祭は無事閉幕となりましたが写真紹介はもう少し続く。

 気候変動、2000年代に大学で専攻を決める過程で様々な最先端の学問に接する事が出来て、視野が広まったことを感謝しています、その中に環境経済学というものもありまして、そう、SDG’sなんて言葉が出る遥か前の話ではあるのですけれども。

 国際経済学では大家の先生に学ぶことができまして、多国間国際分業と対外直接投資の流れとともに安全保障を特に軍事の視点から研究する事が出来たのは幸いだったのですが、多国間国際分業は、グリーバルサプライチェーンという一種の常識となって。

 多国間国際分業の根底は日本のトヨティズム、トヨタ自動車の1980年代からの東南アジア全体にひろがる部品流通網を分析することにより将来の、つまり現代のサプライチェーンを予測し理解できる、という点は慧眼であったのですが、ここでひとつ。

 軍需産業が端的な視座を供してくれるのですが、多国間国際分業により各国に工業化の基幹部分が醸成されるようになりますと、どの国でも、せめて必需品は国産品で揃えたい、という指導者や主権者の意思が働くようになり工業化の端緒につながる。

 家電や自動車となると、性能が不安定で高くつく国産品と安価な高性能の外国車と比較しますと、舶来品へ消費者の消費行動は収斂してゆくのですけれど、防衛装備品など、自分のフトコロではない部分では多少寛容となりうる、こうした流れが形成されて。

 エンブラエルなんかが代表例でしょうか、初期のものは開発独裁の時代だからこそ空軍が、軍事力強化ではなく産業育成のためというか、低性能短寿命のものを買い取っていましたが、我慢する事40年でKC-390輸送機を開発できる程度にまで成長します。

 カーン戦闘機と強襲揚陸艦アナドルにつづいて6万t級航空母艦建造を構想しているトルコなどもその一例で、インドのアージュン戦車やテジャス戦闘機も同じで、インドネシアのハリマウ軽戦車然り、タイの中国製戦車に搭載したタイ製電池パック然り。

 工業化は、同時にこの基盤を基に民需産業でも国際競争力を兼ね備えるようになる、外国製よりも国産品で生活を満たしたい、それにこたえられる性能と価格帯を確保できるようになれば、と。逆に基幹部分のパテント料で先進国は稼ぐようになる。

 サブスクリプト制度により、日本はこの部分で遅れているんだ、サーバーに通信や物流などなどのサービスの定額制の収益から、先進国では一気に脱工業化が進んでいる、実際造船を見るとイギリスは空母さえまともに建造できず岸壁の女王にかしずく。

 ただ、ここで気候変動対策、という問題を突き付けることで、下手をすると新しい南北問題を醸成するようになっている。昨今はグローバルサウスという言葉で説明していますが、それは、途上国という言葉がグローバルサウスに転換しようとする最中ゆえ。

 気候変動対策の要諦は温室効果ガス排出対策が中軸です、温室効果ガス大気中からの回収技術なども進められていますが、先進国は太陽光パネルに高度密閉建築物と電気自動車や原子力発電など、様々な技術が開発され、そして普及している、しかし。

 グローバルサウスにはこれら恩恵がないばかりか、原子力発電などの核開発も核不拡散条約という国際公序により制限されている、なにより社会保障が今後の課題であり、今は先ず経済拡大を進めねばならず、その為には温室効果ガスの排出が必至という。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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