■防衛フォーラム
防衛装備庁技術シンポジウムの話題を今回も紹介しましょう。

レールガン開発状況について、防衛装備庁は防衛装備庁技術シンポジウムにおいて、今後は民生技術活用による電源小型化が目標であると発表しました。パルス電源部と急速充電装置の技術はある程度具現化していますが、連射やオンボード射撃を実現するには電源部分を小型化する必要、高電力制御技術の確立が重要になるとしています。

5年後を目処に高エネルギー密度の高出力蓄電池開発を進めるとともに、防衛装備庁が目指すのは10年後を目処に十分の一まで小型化することが目標と好い、このために新材料を用いた次世代パワー半導体素子の研究と、新方式によるフィルムコンデンサの研究を進めているという。蓄電池と半導体技術については民生技術の大幅な採用もめざす。

レールガンは既に試験艦あすか艦上試験を世界で初めて成功させており、これは生産と備蓄に限界のある従来型のミサイルや砲弾に対して、エネルギーを用いて弾薬を投射することで弾薬不足という状況に陥ることを回避する狙いがある。我が国ではレールガン開発は昭和62年度より継続的に実施されたことで着実な成果に結んでいる。■

防衛装備庁は車両搭載高出力レーザー実証装置の研究試作を進めています。これは11月9日の自衛隊中央観閲式において初公開された装備ですが、防衛装備庁の防衛技術シンポジウムにもその開発状況が公開されていました。研究目的は、機動展開能力を有する車両搭載高出力レーザー装置を試作し複数が連携する小型無人機へ対応すること。

レーザーは複数の研究装備が開発されていますが、今回主眼とされたのは単一の車両に搭載することで自己完結能力を持つレーザーシステムを完成させること、そして現在製造されているものは装備開発の試作ではなく、実証装置であり、令和3年度から6年度にかけて試作、この試作装置は令和6年度10月に完成したばかりのものであるという。

小型無人機の連携攻撃はスウォーム攻撃ともよばれ、複数の無人機が蜂群のように飽和攻撃を加え、従来の地対空ミサイルなどにより撃墜することは可能であるけれども、多数の無人機に対してミサイルが枯渇する飽和状態となる懸念がある、このためにエネルギーを充填することで継続的に迎撃が可能であるレーザー兵器の実用化が急がれています。■

車両搭載高出力レーザー実証装置について。その出力は10kwレーザー、射程を延伸するよりは先ず小型化を念頭としているといい、射程は晴天で1km程度、機関銃程度の射程ではあるのですが、くわえて、索敵には現在のところ専用のセンサー開発よりも実証装置ということで民生レーダー装置、可搬式のレーダーを搭載しているという。

レーザーは車体中央部に電源装置を搭載し、第三車輪部分左側に高出力レーザー部を、そして右側にビーム指向部を配置、その後方に冷却装置を置くとともに車体後部左側に管制室を置き、レーザーそのものの操作要員は2名が車体後部左壁面にコンソールを置いてその前に外向きに座席を配置する、操作要員と計測要員をふくむもの。

電源部分は60kw発電装置を搭載しており、また実証装置ということで必要なデータリンク装置などは搭載しておらず、計測装置などを搭載していることから実装備でないことは自明ですが、実証装置の部分はある意味、多目的区画として応用できるため、データリンク装置などに積み替えることは可能と思われ、今後様々な試験を行うとのこと。■

防衛装備庁は射程5kmのレーザー装置研究試作を実施中です。これは防衛装備庁主催の防衛技術シンポジウムにパネル展示されたもので、具体的には40フィートコンテナに必要な機材を搭載、開発の主契約企業は川崎重工となっています。具体的には、電気駆動型高出力レーザシステムという名称で、平成30年度から開発を継続しているものです。

レーザ部分には国産ファイバーレーザを応用しているということで、主として従来の迫撃砲のような従来型脅威とともに小型無人機の大量投入による飽和攻撃を費用対効果に優れた方法で迎撃するという観点からレーザが注目され、防衛装備庁新世代装備研究所電子退所研究部電子戦統合研究室が中心となり開発してきた装備とされています。

野外試験が既に実施され、野外試験では小型無人機に実際にレーザーを照射し破壊する試験が実施、防衛装備庁は防衛技術シンポジウムに撃墜した無人機を展示していました。この先の発展としては、ミサイル対処にもレーザーを用いる構想で、無人機対処用のレーザーを早期実用化させるとともにミサイル対処装備も並行して開発を進めるもよう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
防衛装備庁技術シンポジウムの話題を今回も紹介しましょう。

レールガン開発状況について、防衛装備庁は防衛装備庁技術シンポジウムにおいて、今後は民生技術活用による電源小型化が目標であると発表しました。パルス電源部と急速充電装置の技術はある程度具現化していますが、連射やオンボード射撃を実現するには電源部分を小型化する必要、高電力制御技術の確立が重要になるとしています。

5年後を目処に高エネルギー密度の高出力蓄電池開発を進めるとともに、防衛装備庁が目指すのは10年後を目処に十分の一まで小型化することが目標と好い、このために新材料を用いた次世代パワー半導体素子の研究と、新方式によるフィルムコンデンサの研究を進めているという。蓄電池と半導体技術については民生技術の大幅な採用もめざす。

レールガンは既に試験艦あすか艦上試験を世界で初めて成功させており、これは生産と備蓄に限界のある従来型のミサイルや砲弾に対して、エネルギーを用いて弾薬を投射することで弾薬不足という状況に陥ることを回避する狙いがある。我が国ではレールガン開発は昭和62年度より継続的に実施されたことで着実な成果に結んでいる。■

防衛装備庁は車両搭載高出力レーザー実証装置の研究試作を進めています。これは11月9日の自衛隊中央観閲式において初公開された装備ですが、防衛装備庁の防衛技術シンポジウムにもその開発状況が公開されていました。研究目的は、機動展開能力を有する車両搭載高出力レーザー装置を試作し複数が連携する小型無人機へ対応すること。

レーザーは複数の研究装備が開発されていますが、今回主眼とされたのは単一の車両に搭載することで自己完結能力を持つレーザーシステムを完成させること、そして現在製造されているものは装備開発の試作ではなく、実証装置であり、令和3年度から6年度にかけて試作、この試作装置は令和6年度10月に完成したばかりのものであるという。

小型無人機の連携攻撃はスウォーム攻撃ともよばれ、複数の無人機が蜂群のように飽和攻撃を加え、従来の地対空ミサイルなどにより撃墜することは可能であるけれども、多数の無人機に対してミサイルが枯渇する飽和状態となる懸念がある、このためにエネルギーを充填することで継続的に迎撃が可能であるレーザー兵器の実用化が急がれています。■

車両搭載高出力レーザー実証装置について。その出力は10kwレーザー、射程を延伸するよりは先ず小型化を念頭としているといい、射程は晴天で1km程度、機関銃程度の射程ではあるのですが、くわえて、索敵には現在のところ専用のセンサー開発よりも実証装置ということで民生レーダー装置、可搬式のレーダーを搭載しているという。

レーザーは車体中央部に電源装置を搭載し、第三車輪部分左側に高出力レーザー部を、そして右側にビーム指向部を配置、その後方に冷却装置を置くとともに車体後部左側に管制室を置き、レーザーそのものの操作要員は2名が車体後部左壁面にコンソールを置いてその前に外向きに座席を配置する、操作要員と計測要員をふくむもの。

電源部分は60kw発電装置を搭載しており、また実証装置ということで必要なデータリンク装置などは搭載しておらず、計測装置などを搭載していることから実装備でないことは自明ですが、実証装置の部分はある意味、多目的区画として応用できるため、データリンク装置などに積み替えることは可能と思われ、今後様々な試験を行うとのこと。■

防衛装備庁は射程5kmのレーザー装置研究試作を実施中です。これは防衛装備庁主催の防衛技術シンポジウムにパネル展示されたもので、具体的には40フィートコンテナに必要な機材を搭載、開発の主契約企業は川崎重工となっています。具体的には、電気駆動型高出力レーザシステムという名称で、平成30年度から開発を継続しているものです。

レーザ部分には国産ファイバーレーザを応用しているということで、主として従来の迫撃砲のような従来型脅威とともに小型無人機の大量投入による飽和攻撃を費用対効果に優れた方法で迎撃するという観点からレーザが注目され、防衛装備庁新世代装備研究所電子退所研究部電子戦統合研究室が中心となり開発してきた装備とされています。

野外試験が既に実施され、野外試験では小型無人機に実際にレーザーを照射し破壊する試験が実施、防衛装備庁は防衛技術シンポジウムに撃墜した無人機を展示していました。この先の発展としては、ミサイル対処にもレーザーを用いる構想で、無人機対処用のレーザーを早期実用化させるとともにミサイル対処装備も並行して開発を進めるもよう。
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