■C-17輸送機とC-1輸送機
C-1FTBは既に退役してしまいましたが輸送機の話題など。

航空自衛隊の輸送機部隊、元々航空自衛隊は対領空侵犯措置任務につくという関係からもっとも実戦に近き組織という矜持をもっていまして、そのこと自体は間違いではないのですが一種の誇りとしていました。

対領空侵犯措置任務は、年間、多い年度で2000回を超えてしまうこともありましたので、多大な負担と共に、日本の飛行情報区に関する管理を含めた義務を履行しているわけですが、ここに最近もう一つ加わり。

邦人輸送任務、新しい自衛隊の主要な任務となりまして、つい先日もイランイスラエル戦争を背景にイランを脱出した邦人の輸送へ美保基地のC-2輸送機がジブチ航空拠点へと派遣されたばかりです。

C-2輸送機とともに、1983年から既に40年以上にわたり運用されていますC-130H輸送機も邦人輸送任務にあたっていまして、一方でC-130H輸送機の寿命というものをそろそろ考えねば成りません。

輸送機の輸送所要は、航空自衛隊の業務輸送とともに、陸空作戦協定にもとづく陸上自衛隊の輸送需要というものを含めて必要な機数が産出されているのですが、これ、もう少し輸送機を増やすことは出来ないものか。

C-17輸送機1機あればC-1輸送機の1個飛行隊をまるまる1機で輸送できる、こういう話が1990年代にありまして、当時のクリントン政権との間の日米貿易摩擦問題へC-17が検討されたことがありました。

大蔵省、当時の財務省も乗り気であり、その背景には、C-17が導入されたばあいには、航空自衛隊の20機以上のC-1輸送機を数機のC-17で置き換えられ、人件費を抑えられるという視点からです。

ただ、仮に2機のC-17で飛行隊を、これは政府専用機の飛行隊が2機編成ですが、新編した場合、稼働率はせいぜい50%、1機整備中というだけで稼働率は50%となってしまうという避けられない問題がありました。

イランイスラエル戦争について、いやその前のスーダンや南スーダンの情勢悪化の際にも感じたのですが、戦闘機部隊は5分待機の機体がある一方、輸送機は派遣準備に72時間程度必要として即応性が低いということ。

小牧基地のC-130H輸送機がどういった機種に置き換わるのかは未知数で、問題が無ければC-2輸送機に置き換えるとともに、もう一つ、戦闘機が1個飛行隊だけの百里か松島にC-2飛行隊を新編できないか。

輸送機の5分待機ではありませんが、飛行隊を増やすとともに輪番制で12時間待機の、つまり政府が派遣命令を発出した際には少なくとも1機の輸送機と空中給油機をその日のうちに派遣できる体制が必要なのではないか。

輸送機には今後、ミサイルの空中発射任務など、従来の輸送に留まらない任務が付与される研究が始まっていますし、防衛費の問題も、度を超した緊縮の時代が漸く終わり、そろそろ必要な機数を確保する時代と思うのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
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航空自衛隊の輸送機部隊、元々航空自衛隊は対領空侵犯措置任務につくという関係からもっとも実戦に近き組織という矜持をもっていまして、そのこと自体は間違いではないのですが一種の誇りとしていました。

対領空侵犯措置任務は、年間、多い年度で2000回を超えてしまうこともありましたので、多大な負担と共に、日本の飛行情報区に関する管理を含めた義務を履行しているわけですが、ここに最近もう一つ加わり。

邦人輸送任務、新しい自衛隊の主要な任務となりまして、つい先日もイランイスラエル戦争を背景にイランを脱出した邦人の輸送へ美保基地のC-2輸送機がジブチ航空拠点へと派遣されたばかりです。

C-2輸送機とともに、1983年から既に40年以上にわたり運用されていますC-130H輸送機も邦人輸送任務にあたっていまして、一方でC-130H輸送機の寿命というものをそろそろ考えねば成りません。

輸送機の輸送所要は、航空自衛隊の業務輸送とともに、陸空作戦協定にもとづく陸上自衛隊の輸送需要というものを含めて必要な機数が産出されているのですが、これ、もう少し輸送機を増やすことは出来ないものか。

C-17輸送機1機あればC-1輸送機の1個飛行隊をまるまる1機で輸送できる、こういう話が1990年代にありまして、当時のクリントン政権との間の日米貿易摩擦問題へC-17が検討されたことがありました。

大蔵省、当時の財務省も乗り気であり、その背景には、C-17が導入されたばあいには、航空自衛隊の20機以上のC-1輸送機を数機のC-17で置き換えられ、人件費を抑えられるという視点からです。

ただ、仮に2機のC-17で飛行隊を、これは政府専用機の飛行隊が2機編成ですが、新編した場合、稼働率はせいぜい50%、1機整備中というだけで稼働率は50%となってしまうという避けられない問題がありました。

イランイスラエル戦争について、いやその前のスーダンや南スーダンの情勢悪化の際にも感じたのですが、戦闘機部隊は5分待機の機体がある一方、輸送機は派遣準備に72時間程度必要として即応性が低いということ。

小牧基地のC-130H輸送機がどういった機種に置き換わるのかは未知数で、問題が無ければC-2輸送機に置き換えるとともに、もう一つ、戦闘機が1個飛行隊だけの百里か松島にC-2飛行隊を新編できないか。

輸送機の5分待機ではありませんが、飛行隊を増やすとともに輪番制で12時間待機の、つまり政府が派遣命令を発出した際には少なくとも1機の輸送機と空中給油機をその日のうちに派遣できる体制が必要なのではないか。

輸送機には今後、ミサイルの空中発射任務など、従来の輸送に留まらない任務が付与される研究が始まっていますし、防衛費の問題も、度を超した緊縮の時代が漸く終わり、そろそろ必要な機数を確保する時代と思うのです。
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