◆C-Xまでの繋ぎという意味も含め
アフガニスタン派遣任務に、陸上自衛隊ではなく、航空自衛隊の輸送機を派遣するという案もあるようだ。もっとも、英空軍などはC-130がアフガニスタンの過酷な環境でで何機か失われているのだが。
航空自衛隊は、小牧基地の第401飛行隊にC-130H輸送機16機を導入し、運用している。C-130H輸送機は、20㌧を搭載し4000km、8㌧を搭載し8600km。C-5やAn-124などの戦略輸送機、C-17,Il-76などの戦域輸送機があるが、C-130Hは戦術輸送機、戦略輸送機が輸送した物資を第一線まで届ける用途に用いられる機体だ。
航空自衛隊には、現在25機のC-1輸送機が配備されているが、1000㍍以下の滑走路でも十分運用できるSTOL性が優れている反面、最大搭載量は8㌧、8㌧搭載時の航続距離は1500kmでしかないため、海外派遣はもとより、沖縄県に飛ぶにも特別仕様機が必要であることから、国際貢献に飛行させることは不可能である。しかも、C-1輸送機は老朽化が進んでいる。
KC-767空中給油輸送機が貨物輸送も可能な機体として、運用が開始されている。もともと、ボーイング767を改造した機体だけにパレットに搭載された32㌧の貨物を搭載し9260kmの飛行が可能であり、座席を設置すれば、窓こそないものの旅客機、つまり人員輸送機として運用することも可能だ。しかし、現段階では4機の導入が予定されているのみである。
ローテーションなどを考えれば、航空自衛隊の国際貢献任務への対応能力は、C-130H輸送機数機が限界という状況である。イラク復興人道支援任務派遣では3機、他の場合にも基本的に2~3機のC-130Hが派遣されているのだが、予備部品などは米空軍など現地からの供給に頼っている状況である。
現在、開発が難航しているC-XがC-2として制式化されれば、C-130H以上の航続距離と搭載能力を有するので、C-130H以外にも国際貢献任務に対応できる部隊は増えるのだろうが、C-Xの開発が進まない以上、C-1も老朽化が進んでいる事もあり、繋ぎとしてC-130Hの増勢も考えるべきかもしれない。
予備部品の供給、日本本土と派遣部隊との輸送機による連絡を維持し、必要に応じて派遣隊員の交代も輸送する観点からは人員輸送能力が大きいKC-767,もしくは旅客機型のC-767輸送機を充実させるという選択肢もある。一時期、中古の767を政府専用機として採用できないかという検討が防衛庁(当時)で為されたというが、改めて考えるべきだろう。
米空軍の場合、C-32輸送機のように、旅客機型の輸送機を運用するのは、例えばB-747(VC-747と称するべきと思うのだが)では大きすぎる要人輸送に用いたり、必要に応じて邦人救出任務にも転用できるし、かなり大きいが人員輸送型のYS-11の後継としてC-767を、例えば他のより小型の機体と併用して運用するという選択肢もあるかもしれない。
輸送航空団の増強案としては、C-1をC-130Hで一部置き換えつつ、C-2輸送機が完成した際には、定数に上乗せして輸送機を配備し、各飛行隊の定数を増加させることで、輸送航空団全体の輸送機保有数を増強させるという案などが考えられる。輸送航空団を増強することは、増加傾向の国際貢献のほかに、同時に島嶼部限定侵攻を始めとした有事の際に部隊展開の手段を確保するという点でも、意義がある。
HARUNA
技本サイトの公示情報を見ると『次期輸送機の性能確認試験のための技術支援』に関する入札公募の情報があり、初飛行に向けた準備は粛々と進んでいるように思えます。
まぁせめてA400Mよりは先に飛んでほしいものです(笑)
C-2(C-X)は、航続距離、進出速度、搭載量から国際的に見て戦略輸送機になるんでしょうね。
さて、日本国で使う場合には、戦術輸送機として使われるわけで、短距離離着陸性能に関しては発表や噂もありません。どうなっているのでしょうかね?
空中給油機も輸送機として使うとのことだし、C-2はC-1に比べて搭載量や進出速度も速いですからC-1の代替え時は機数も減らされるのでしょうね。
それとC-Xが、つなぎの機体が必要=C-1の用途廃止に間に合わないっていう話は初めて聞いた。
ほかにも突っ込みどころはあるけど、KC-767はなぜ4機導入なのか、C-1の航続距離が決定された経緯については、本記事で触れるべき事項であろう。
C-Xは、FTBをカラーリングから見間違える方も少なからずいまして、一時期速報が飛び交いましたが(個人的にはFTB大好きなんですけどね)、一方で聞こえてくる情報は、アレな話ばかり、怖くてここでは書けません・・・。
他方で、コスト的な面や採用しているエンジンなどの面で、その気になれば輸出出来そうな機体という印象がありますので、なんとか頑張ってほしいですよね。
C-X遅延で、すわ!A-400に先を越されたか!?!?と思ったのも杞憂、A-400はダイエットに忙しいようで。
『次期輸送機の性能確認試験のための技術支援』に関する入札公募ですが、今更公募しているあたり、鋭意進行中という名の泥沼状態のようにも・・・。
そういえば、一時期航空雑誌でお馴染みになったXP-1飛行情報、誌上に出てこないという事は、それだけ飛行回数が多くなっているのですかね。
STOL性能からみて、戦域輸送機に区分していいのでは、と思います。戦略輸送機ですと第一線基地の短い滑走路に着陸出来ないので、C-17が戦略輸送機に区分されてないのは、米本土から第一線に直接乗り入れられる、という意味で戦域輸送機という新しい区分が出来た、と記憶します。
C-Xの製造数ですが、全くの未知数ですね、今出ている数字さえもC-1の時の事があるので未知数です。C-1を1:1で交代して31機ですので、量産効果などを含めれば、XP-1と部品の互換性があるといっても、もう少し生産する必要はあると考えます。
失礼失礼、輸送航空隊でしたね。
C-Xが制式化されて、技術研究本部から飛行開発実験団に渡されて、その後で輸送航空隊に配備されるのは、最大限遅延した場合を考えると、選択肢には入ってくるのではないでしょうか。初飛行から間もなく40年です。
C-1については、仰る通り、社会党の反対と、ここまで早く沖縄返還が実現するとは考えなかったことで航続距離が抑えられた、という事は記載するべきでしたね。
しかし、C-141スターリフターのように、胴体と航続距離を延ばす改良案も出ていたのですから、沖縄返還後に実現性を無視した防衛庁にも多少責任はあるのだろう、と。
私はC-130HはC-17で代替したらいいと思ってたんですがねぇ~(確か空自でも導入を検討してたはずです)
それならC-1をC-Xで置き換えてもいらない子にはならないでしょうし海外派遣ではより多くの物を少ない飛行数で運べますし・・・
最近の国外派遣を見てると空自にはC-17はいると思うのですが
C-17について、当方も、その話が航空専門誌などに出た時には是非実現してほしい!と思っていたのですが、一機200億といわれたのは昔の話、豪州空軍のC-17導入費用などを見てみますと、E-767に匹敵する費用に価格は高騰していまして、必要は必要なのですが、しかも生産終了間近ですし、次の戦域輸送機に期待!というところでしょうか。