◆中々見ない機体を撮影に成功
CH-46輸送ヘリコプター、飛行している様子を偶然見かけまして撮影に成功、実は海兵隊のCH-46は初めて観ました。
海兵隊のCH-46輸送ヘリコプターは1961年に海兵隊の空中機動用として制式化され、1962年より配備開始、今年でその制式化から半世紀を迎える事となります。MV-22へ置き換えが計画されているのですけれども、普天間飛行場に展開する第1海兵航空団第262飛行隊、第265飛行隊等に配備されている機体です。EP,12そんな数字が見えるのですが、これは機体番号なのかな?、第12海兵航空群は固定翼攻撃機を運用している部隊だし、海軍はそういえば補給艦から艦船に補給品を空輸するバートレップ用にCH-46を持っていました。海兵隊用、海軍用、間違ってたら申し訳ない。
初めて、といっても航空自衛隊のV-107を航空祭等でフィルム時代から何度も撮影しているのですが、V-107のいやCH-46のエンジン音やローター音を聞いていましたらば、感想としては陸上自衛隊のCH-47の方が随分とうるさい印象で、またタンデムローターが相互に干渉する音は軽く、陸自のシングルローターであるUH-1のほうが遠方から音が響きますし、騒音としては気になる印象、デシベルに換算すれば違うのかもしれないですけど、そう感じました。実際、音が小さかったので撮影準備が遅れてしまいました、パタパタパタ、というCH-47に比べカタカタカタ、という聞こえでした。しかし、これまで普天間関連の記事を掲載する時は最近展示されないので数年前の岩国の写真を使っていましたが、少々写真が増えたのかも、と思いました次第。
海兵隊のCH-46輸送ヘリコプターは主として強襲揚陸艦からの空中機動に用いられます。陸軍は機体が定員25名で決して大きくないCH-46は余り評価せずに、CH-47,定員が55名の大きいほうの機体を導入しました、その背景にはCH-47では導入当時の強襲揚陸艦に余り数を搭載することが出来なかったのです。そこで、大きさが手ごろで、しかし輸送能力があるCH-46を強襲輸送用に導入して今日に至ります。ちなみに、エンジン三基で物凄く大きいCH-53は1966年に重輸送ヘリコプターとして海兵隊へ配備が開始されています。
CH-46は、強襲揚陸艦に搭載されて機動運用されます。海兵隊は陸軍と比べれば比較的軽装備です、空挺師団や軽歩兵師団ほどではありませんが、機械化歩兵師団や機甲師団の編成と比べると顕著で、自走榴弾砲を持たずに牽引式榴弾砲を装備していて、大隊を中心に海兵遠征群を編成した場合でも戦車は一個小隊4両しか支援につけないのですが、その分空中機動により急速展開し、危険な状況であればそういう地域は避けて航空攻撃を行い、そののちに展開し、任務を達成するという運用を行います。それを支えるのがヘリコプターでして、海兵隊地上戦部隊とヘリコプターは一体なのですね。しかし、何故来たのか、というと、なんでも厚木基地に隣接する日飛、日本飛行機で定期整備を行っているそうで、その関係なのかもしれませんね。
ちなみに海兵隊は第二次大戦中のエセックス級空母を1961年に3隻強襲揚陸艦に改造していて、1961年から7隻が建造された基準排水量11000㌧のイオージマ級強襲揚陸艦を揚陸艦として装備していて、CH-46はこれ等に搭載されています。続いて、タラワ級強襲揚陸艦、ワスプ級強襲揚陸艦が建造されて、ワスプ級は揚陸艦としては40000㌧を超える怪物揚陸艦となってしまいましたが、現在計画されている新型のアメリカ級揚陸艦は45000㌧、下手な空母よりも大きく、こちらにはCH-46ではなくMV-22を搭載することになるようです。しかし、もうしばらくは海兵隊で運用される事になるでしょう、このCH-46,何故ならばCH-46の数は多く、対してMV-22は固定翼機並の速度と長大な行動半径を持つ分、価格が高いですからね。
HARUNA
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