goo blog サービス終了のお知らせ 

北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】トルコ空軍ユーロファイタータイフーン戦闘機導入検討,イギリス空軍E-7早期警戒機初号機

2025-04-07 20:21:19 | インポート
■防衛フォーラム
 今回も縮小版で。

 トルコ空軍はユーロファイタータイフーン戦闘機導入を検討中です。もともとトルコはJSF計画参加国であり、F-35戦闘機を導入する計画でしたが、同時期にロシアから導入するS-400地対空ミサイルシステムがF-35戦闘機のデータリンクシステムと連接することでF-35戦闘機のネットワークシステム情報が漏洩する懸念がありました。

 JSF計画の参加資格停止はアメリカのトランプ政権時代に決定し、バイデン政権時代に復帰できることをトルコ側は期待していましたが、バイデン政権でもJSF計画復帰は認められず、正式にJSF計画からの除名が発表、F-35導入の目処が立たなくなりました。トルコではこの際、独自に第五世代戦闘機カーンの開発を進めるとしています。

 ユーロファイタータイフーン戦闘機の導入は、カーン戦闘機開発の遅れとともにトルコ空軍が運用するF-16戦闘機のF-16Vへの近代化改修計画も遅れていることからつなぎとして期待され、当面は24機を、最終的に40機を導入する計画です。トルコへの輸出はドイツ政府が難色を示してきましたが、トルコとドイツは協議開始で合意しました。


 イギリス空軍が導入するE-7早期警戒機初号機がイギリス空軍塗装の上で飛行士兼を開始しました。イギリス空軍は7機を運用していたE-3早期警戒管制機の後継としてE-7早期警戒機5機を発注しています。イギリス空軍ではE-3早期警戒管制機の退役が始まっているため、戦力空白が生じている中での納入目処は朗報といえるでしょう。

 E-7早期警戒機は、オーストラリア空軍とトルコ空軍をローンチカスタマーとしてボーイングとともに独自開発したもので、韓国空軍が採用し、同時期に停滞していたE-10統合警戒管制機の開発が中止されるとE-3早期警戒管制機後継機の有力候補となり、NATOが採用、最近ではアメリカ空軍が採用を決定し独自仕様型の開発が始まっています。


 韓国空軍のF-15Kがタウルスミサイル発射試験を成功させました。もともと韓国政府はアメリカ政府にJASSMミサイルの供与を要請していました、これは射程950kmのミサイルでもともと韓国がF-15EストライクイーグルをF-15Kスラムイーグルとして採用した背景には射程の長いAGM-158-JASSMミサイルを搭載することが目的の一つとされていた。

 タウルスミサイルはスウェーデンとドイツが共同開発したもの、供与が拒否されたJASSMその代替装備として検討されたもので、韓国空軍が採用したさいしょの欧州製ミサイルとなります。韓国が調達したのは200発、この170発が引き立たされた時点で北朝鮮による核恫喝の度合いが増し、このため90発を追加調達した経緯があります。

 タウルスミサイルの特色は高い命中精度とともに射程が500kmと比較的長く、今回の試験はその映像などが公表され長距離目標に対する打撃力を誇示しています。このミサイルはウクライナ政府が繰り返しドイツ政府に供与を要請し認められていないものですが、同一目標に連続命中させることで地下バンカーなどに対しても有用といわれます。


 イギリス空軍が開発を進めるブライトストーム妨害システムの試験が成功したという。これはスタンドイン妨害システムとしてイギリス空軍とレオナルド社が開発を進めていたもので、開発成功がAUSAアメリカ陸軍年次シンポジウムにおいて発表されました。この妨害システムは従来の電子戦機の常識を根本から変えうるものとなるでしょう。

 ブライトストーム妨害システムは、電子戦機が電子妨害ポッドを搭載して電子妨害を実施指定単穂に対して、電子妨害ポッドそのものに主翼とエンジンを取り付ける、つまり一種の無人機として運用するものです。発表されているCGには降着装置が見当たらないことから、航空機などから空中発進させる方式であるとみてとれます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-アメリカのルビオ国務長官はロシアの停戦への本気度にアメリカ政府が関心

2025-04-07 07:00:45 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 トランプ大統領の制裁だけで平和が訪れるという発想は日本的だと鏡を見るような気分ではありましたが実際には別の動きもあるもよう。

 アメリカのルビオ国務長官はロシアの停戦への本気度にアメリカ政府が関心を示していると述べた、これは4月4日付ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告によるもので、ロシア側が交渉を引き延ばす段階だけではなく、戦争の解決にどの程度真剣さをもっているか、戦争終結について価値観を共有しているかを関心事としているとのこと。

 追加制裁、ロシアが停戦に熱心ではなく交渉を先延ばしすることでアメリカの関与を弱めようと考えている場合はロシアへの追加制裁を行い、またロシアが交渉そのものに解決を目的としていない場合には、アメリカのウクライナ支援に関する重要性を再評価する可能性があると指摘しました。一方で、ウクライナでのロシア軍攻撃は継続されています。

 ウクライナ軍はチャシブヤールとポクロフスク南西地域で領土奪還を若干ですが成功、対してロシア軍はポクロフスク南方地域とトレツク南西部において僅かに前進したとISWは報告しています。そしてウクライナ軍事評論家マショヴェッツ氏の分析として、ロシア軍はポクロフスク東方の大51諸兵科連合軍が大きく損耗しており、その回復を実施中、と。

 戦況全般では、トレツク周辺を中心にロシア軍は小規模な歩兵の浸透攻撃を続けており、戦車や機械化部隊による突破作戦などは行っていない、ウクライナ軍部隊の居ない地域を迂回する様に浸透する方法をとっていると指摘、その上でウクライナ大統領府のパリサ副長官はロシアでは兵員増強のための募集強化を行い、歩兵を増強していると指摘しました。

 兵員増強の流れとしてロシア政府は2025年内に兵員を15万名増強する方針という、ウクライナ政府が2025年2月にまとめた報告書があり、ロシア軍は莫大な損耗に曝されているものの、兵士の採用には苦労しておらず、このためにウクライナ国内での歩兵の小規模な分散をあらゆる地域で進める事が可能となっている状況があるとのこと。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする