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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】HELIOSレーザー無人機撃墜試験とMk.45艦砲オーバーホール,NATO海底ケーブル防衛

2025-04-15 20:00:42 | インポート
■防衛フォーラム
 gooブログサービス終了に伴いこの防衛情報を含めた備忘録的な情報を如何に別のブログサービスへ移動させるかが課題です。

 アメリカ海軍はヘリオスレーザーを用いた水上戦闘艦艇からの無人機迎撃試験を成功させました。HELIOSレーザー、これは統合工学幻惑システムの略称でアメリカ海軍が2025年1月に発表した報告書によれば、2024年にこのヘリオスレーザーシステムを搭載したイージス艦による無人機迎撃実験に成功、目標を撃墜したとのこと。

 ヘリオスレーザーシステムの実権にはアーレイバーク級ミサイル駆逐艦のプレブルが参加、プレブルはアーレイバーク級の38番艦で2002年に就役しました。興味深いのはブレブルは2024年10月12日にイージス艦ベンフォールドと交代し、横須賀基地へ前方展開していることで、横須賀では海上自衛隊によるレールガン試験が実施中です。


 NATOは海底ケーブル11本の損傷を前に警戒監視強化を進めている、フランス海軍はNATOによる海洋哨戒任務支援に新たにアトランティック2対潜哨戒機を充当、この機体は旧式で中型の航空機ではありますが、5時間にわたり哨戒飛行が可能であるとともに機首部分に改修により強力なセンサーを搭載し海上哨戒能力を有しています。

 海底ケーブルに対するロシアから運用されている国籍不明船による損傷事案が連続する中で、NATOはこの監視能力を強化していますが、15か月間で損傷した海底ケーブルは11カ所となっていて、NATOのルッテ事務総長は新しく2025年1月にバルト海哨戒部隊を多国籍部隊として創設しましたが、どの程度攻撃を防げるかはまだ未知数です。


 アメリカ海軍はMk.45艦砲についてオーバーホール契約を結びました。1月27日、アメリカ海軍はイギリスのBAEシステムズ社との間で7000万ドル規模の契約をむすんだとのことで、このオーバーホールに際して砲身を62口径に延長するとともに砲架部分も強化、更に砲システムの完全なデジタル制御化も実施するとの事でした。

 艦砲はミサイル時代に会って一時期はその存在感を薄くしていましたが、アデン湾や紅海におけるフーシ派武装勢力による無人機を用いた民間船舶無差別攻撃が行われた際、安価な無人機に対して効果で数に限りがあるミサイルをうち尽くす問題が顕在化しており、比較的低コストで連続射撃に耐える艦砲が再評価されているところです。


 ノルウェー海軍は次期フリゲイト計画をフランスとの間で検討しています。これは1月16日、ノルウェーオスロのアーケシュフース要塞において執り行われたフランスのセバスチャン・ルコルヌ国防相とノルウェーのビョルン・アリルド・グラム国防相が国防閣僚会談を行った際、海上防衛協力に関する覚書を交わし、方向性を確認したもの。

 ノルウェー海軍は新しくフリゲイトを5隻乃至6隻増強する構想を推進中で、この計画にはドイツ、イギリス、アメリカなどが参画の意志を示していました。フランスはFDIフリゲイトとして4500t級の水上戦闘艦の試験を開始しており、各国が示した候補の艦艇では最も小型となっていますが、取得費用などにおいて優位性があるとしています。


 トルコ海軍はマヴィヴァタン2025演習を実施しました。この演習は2019年よりトルコ海軍が実施しているもので、主として領土問題を抱えている中で同じNATO加盟国であるギリシャと、そして回教国となっているトルコに対して微妙な国際関係となっているイスラエルの地中海におけるポテンシャルに対抗する演習となっています。

 トルコ海軍はこの演習に際して、新たにミルデン級航空母艦構想を発表するなど、大型の空母運用を地中海において実現することで海軍ポテンシャルを強化する試みを示すとともに、海軍は水上戦闘艦艇など77隻と潜水艦7隻、固定翼航空機31機、ヘリコプター17機、無人航空機28機を参加させたほか、空軍の早期警戒機や戦闘機も参加しました。


 インド海軍は複数の水上戦闘艦と潜水艦を同時に進水式を挙行し海軍力の増強を強くアピールしました。これは1月16日、インドのムンバイにおいて実施されたもので、進水式にはラジナートシン国防大臣が出席、インド海軍の任務はインドの貿易の内95%が海洋を通じ行われており、シーレーン防衛の重要性を強調しました。

 進水式を迎えたのはフランスのスコルペヌ級潜水艦に範をとったカルヴァリ級潜水艦が含まれており、現在インド海軍は16隻の潜水艦を保有していて、その増強が狙いという。インド海軍が重視するのは中国海軍への対処能力を確保することにありますが、建造能力から時間がかかっており、今回進水式を迎えた潜水艦の収益は2031年の見込み。

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ウクライナ情勢-ウクライナ空軍開戦以来1万7575機の無人機を撃墜,西側供与の防空システムが威力

2025-04-15 07:00:34 | 先端軍事テクノロジー
■防衛情報-ウクライナ戦争
 どの程度のミサイルを必要としたのかも含めて防空基盤構築の上で参考としたいところですが現段階では数字は出ません。

 ウクライナ軍は開戦以来1万7575機の無人機を撃墜した、ISWアメリカ戦争研究所4月11日付ウクライナ戦況報告によれば、ロシア軍は2022年のウクライナ侵攻開始以来、ウクライナに対して滑空爆弾6万7000発、ミサイル数千発、2万2400機の無人機を発射したとのことですが、これに対してウクライナ空軍はかなりを撃墜したとのこと。

 ウクライナ軍の戦果は巡航ミサイル3000発、弾道ミサイル137発、自爆用無人機1万7575機の撃墜に成功したとの事で、ウクライナ空軍の発表によればこれらの戦果は多くが西側同志国の提供した防空システムによる戦果であると発表しました。これは言い換えれば、アメリカからの軍事支援停止の問題がいかに大きいかを示した構図といえます。

 ロシア軍の攻勢について。ウクライナ大統領府のパリサ副長官が発言したところによればロシア軍は今月から来月にかけ、ポクロフスク方面を最大の優先目標として攻勢に出る可能性が高いとし、東部のクピャンスク、ライマン、ノボパブリフカ、ウクライナ南部のザポリージャ市周辺に向けて攻勢に出る可能性があると現状を説明しました。

 ロシア軍はクピャンスク南東にあるステポヴァとノヴォセリフカの北方面、シベルスク南西地域であるヴァシュキフカ南、ノヴォパヴリフカ東地域に当たるナディーイフカ北東方面、ヴェリカノヴォシルカ北西地域に当たるシェフチェンコ東で前進し、更に高速道路T-0516号線のトレツクとコスティアンティニフカとの間でウクライナ軍と激戦に。

 米ロ間停戦交渉について、ウィトコフ米国中東特使はサンクトペテルブルクでプーチン大統領と会談し戦争について話題に挙げたものの、ロシア政府はアメリカ政府との関係正常化を通じてウクライナでの戦争を解決する方法を模索しているとされ、事実上、ロシアは国交正常化を主題とすることで和平交渉を遅らせている現状があるようです。

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