北大路機関

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【土曜詳報】トーテュガ佐世保入港(2)米艦トーテュガとミサイル艇しらたか(2011-11-07)

2021-12-18 20:12:40 | 在日米軍
■佐世保基地朝の日常風景
 佐世保基地は新年度には護衛艦もがみ型配備が始まるものですからCOVID-19オミクロン株が収まれば一度行きたいものです。

 トーテュガLSD-46、ドック型揚陸艦と云う事で、実は自衛隊の輸送艦おおすみ型輸送艦もジェーン海軍年鑑ではドック型輸送艦に区分されているのですが、しかし二隻を、並んではいないので他の記事を参照、写真を比較しますと、かなり構造の違いに気づきます。

 おおすみ型は航空機運用能力を重視し上部構造物を最小限として、全通飛行甲板構造、正確には飛行甲板として用いるのは後部だけですが、東日本大震災などでは前甲板を飛行甲板に転用した、こうした航空機運用を第一とし、必要に応じ車両も並べる構造でした。

 サンジョルジオ級揚陸艦、イタリア海軍の、基準排水量は6200tと更に小型なのですが似た設計の揚陸艦があります。たいして、ホイットビーアイランド級の設計は上部構造物に車両甲板から直通する通路を配置しまして、ここに車両甲板を兼ねる設計としています。

 しらたか、はやぶさ型ミサイル艇と比較しますと大きさの違いが際立つ。なにか、テレビ東京の人気番組“日高リポート”で日高義樹氏がB-2爆撃機の搭乗員に“このB-2爆撃機のF-16戦闘機との最大の違いは何ですか?”と質問した様子と重なる表現ではありますね。

 トーテュガ、これはアメリカの地名なのですが、アメリカに歴史は云々、というのは無知を曝すようなことでして、実は先住民から受け継いだとさえいえる開拓精神と近代化の歴史とが連綿と均衡を変えつつ続くアメリカには少なくない史跡があります、その名の一つ。

 ホイットビーアイランド、ジャーマンタウン、フォートマクヘンリー、ガンストンホール、コムストック、トーテュガ、ラシュモア、アシュランド、ハーパーズフェリー、カーターホール、オークヒル、パールハーバー、同型艦は前期艦と後期艦を併せて12隻造られた。

 ハーパーズフェリー級とも後期建造艦を区別する事があります。これら同型艦12隻は前期建造艦が1985年から1992年にかけ建造され、後期艦は1995年から1998年にかけ4隻が竣工しました。艦名は米国史跡、クイズでアメリカ史を聞かれれば本級を答えれば良い。

 基準排水量10500tで満載排水量16568t、全長は185.9mあり全幅は25.6m、吃水は6.4mあります。ドック型揚陸艦の名の通りのドックは全長134mと幅15.24m、ここにはエアクッション揚陸艇LCAC-1型であれば4隻収容でき、47ノットで海岸に戦車を揚陸できる。

 揚陸艦としての機動力はコルトインダストリーズ社製V型16気筒のコルト-ピルスティク16PC2-5 V400ディーゼルエンジンを4基搭載しており、合計出力は33000hp、これにより最大22ノットの速力を発揮し、巡航速度は18ノット、航続距離は8000浬に上ります。

 ドック型揚陸艦の任務は揚陸艇や上陸用舟艇に海兵隊を載せ替える洋上拠点です、上部構造物は艦橋構造物に一体化したスロープが飛行甲板まで延びていまして、艦内の車両甲板、そしてスロープはそのまま降りればウェルドック、そこの上陸用舟艇へと導かれている。

 LCAC-1型であれば4隻、LCU-1610級汎用揚陸艇ならば3隻を搭載でき、これは低速だがM-1A1戦車を3両搭載できる為に縮小戦車中隊を同時揚陸できる、歩兵用の上陸用舟艇LCM-6ですと21隻、AAV-7両用強襲車ならば64両を搭載可能、と舟艇重視の設計です。

 乗員は413名、ここに海兵隊員402名を乗艦させます、ただ402名というのは長期航海の場合であり短期間で有れば504名が乗艦、車両甲板は1214平方メートルが確保されています、通常、揚陸任務の際には揚陸艇にも戦車等の車両を搭載したままドックに収容する。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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