◆真駒内駐屯方面直轄部隊の観閲行進
真駒内駐屯地創設記念行事第六回は真駒内駐屯地駐屯の北部方面隊直轄部隊の観閲行進です。
第52普通科連隊、櫻井正人連隊長以下本部管理中隊と第一中隊が観閲行進します。北部方面混成団の隷下部隊で、混成団は混成団本部、第52普通科連隊、第120教育大隊、第1陸曹教育隊、冬季戦技教育隊を以て編成されていて、このなかで第52普通科連隊は真駒内駐屯地に連隊本部を置く普通科連隊となっています。
第一中隊、高機動車により自動車化されている中隊です。第52普通科連隊の配置は独特で、三個中隊基幹なのですが第一中隊が第11旅団司令部の置かれる真駒内駐屯地に、第二中隊が第二師団司令部の置かれる旭川駐屯地へ、第三中隊が第五旅団が置かれている帯広駐屯地に駐屯、これは機械化が進みだげk力が大きい北部方面隊師団と旅団の機動運用に備え留守部隊的な意味があるのでしょうか。
北部方面後方支援隊第102全般支援大隊。大隊本部と補給中隊に整備中隊を以て編成されています。北部方面後方支援隊は島松駐屯地に隊本部を置いていますが、島松の第101全般支援大隊と真駒内の第102全般支援大隊に上富良野の第103全般支援大隊と北千歳の第101特科直接支援大隊と東千歳に第101高射直接支援大隊と南恵庭の第101施設直接支援大隊が配置されています。
北部方面後方支援隊第102全般支援大隊補給中隊の3t半、昔の73式大型トラックですね。北部方面後方支援隊は大隊のほか、北恵庭の第101戦車直接支援隊、札幌の第101通信直接支援隊、倶知安の第301対舟艇対戦車直接支援隊、真駒内の第303普通科直接支援隊と同じく真駒内の北部方面輸送隊という編成とのこと。
北部方面後方支援隊第102全般支援大隊整備中隊。北部方面後方支援隊は北部方面隊の後方支援部隊を集中して創設されたもので、全国の方面隊も独自の後方支援隊を編成に有しています。創設されたのは2000年、機械化が進む陸上自衛隊にあって、後方支援部隊を集中運用することが稼働率維持に寄与するという想定での改編でしょう。
北部方面輸送隊。この部隊も北部方面後方支援隊の隷下部隊にあります。元々は第102輸送大隊として創設され札幌駐屯地に駐屯していましたが、創設後まもなくして真駒内駐屯地に移駐した部隊です。元来は普通科連隊の自動車化以前の輸送が任務でした。装甲輸送隊というのもありましたね。普通科部隊が自動車化された現在は戦車や火砲の輸送支援が任務です。
本部付隊の車両。これはどういった車両なのでしょうか、整備車両か、移動式のお手洗いのように見える車両なのですが、後方支援車両は分からないことが多い。本部付隊、第101輸送業務隊、第304輸送中隊、第305輸送中隊、第310輸送中隊、第313輸送中隊、第314輸送中隊、編成は上記の通り。
第304輸送中隊の輸送車両。現代戦は補給の量が支える戦線の規模を左右する重要な要素です。昔は徒歩普通科部隊ばかりだったのですが、しかし考えれば1980年代初頭まで韓国駐留の米第2歩兵師団もM-113等を保有しない純全たる歩兵師団でした、トラックは後方のモータープールに置かれていたということでしたので守勢を重視した場合、徒歩部隊には意味もあったのでしょう。
7tトラック。第305輸送中隊の車両、かつては74式特大トラックと呼ばれていた車両です。標準積載重量は7tとなっていますが、路上搭載量は10tに達して人員輸送ならば35名を輸送可能です。エンジン出力は355ps、不整地突破能力を高めるために全輪駆動方式を採っていて路上最大速度95km/h、三菱ふそうトラックバス製です。
第310輸送中隊、多連装ロケットシステムMLRSを輸送中です。装軌式車両は不整地突破能力が大きいのですが、その反面路上での長距離運用を行った場合、駆動系に負担が大きく故障の要因となります。イラク戦争では適切な整備支援を実施した場合長距離機動を達成しました。
M-1A2戦車やAAV-7水陸両用車など路上走行を不得手とする印象があった車両であっても、クウェートイラク国境からバクダッドまで600kmを踏破しました。しかし、やってできないわけではない、という範疇のものであり戦闘機動以外の場合では後方支援の需要を抑えることに意義があると考えるべきところ。
313輸送中隊の特大型運搬車、搭載するのは重量50tの90式戦車。全長16.99mと大型の車両で、戦車を湯祖する観点から535hpのエンジンを搭載しています。これでも戦車を搭載した場合の最高速度は60km/h程度といいますので、戦車を輸送する苦労というものが如何に大きいものか、わかるでしょう。
特大型運搬車、少々ぶれてしまっているのはご愛嬌。戦車輸送車を用いる場合は、戦略機動を行う場合で、不意会敵の危険性がある場合では戦闘機動として自力走行します。陸上自衛隊は戦車輸送車が戦車保有数と比較して少ない、という批判が長くありましたが、戦車輸送車は装甲車、82式指揮通信車と取得費用が同じであり、北部方面隊は道内に敵を迎え撃つという想定でしたので、それならば正面装備に集中して、という方策はある意味納得も出来るではないでしょうか。
314輸送中隊、75式自走榴弾砲を運搬中です。ちなみに、特大型運搬車は車両を輸送しない状態では一般道を95km/hで走行できるのですが、車両搭載時は特殊大型車両となるため、道路交通法上、夜間に運行が限定され緑色灯を転倒させ運用する必要があります。車体上に回転灯が見えますが、これを点けるということ。
75式自走榴弾砲の固定状況がわかる一枚を選んでみました。走行時の動揺で車両が脱落し無いよう固定されているのがわかるでしょうか。脱落すれば損傷で戦闘加入へ時間を要することになります。輸送隊は輸送科職種部隊に所属しますが、車両整備と部隊への迅速な車両の展開と積降の安全確実速やかな実施について研究と訓練を積んでいる部隊です。
北部方面衛生隊が北部方面衛生隊長竹島茂人1佐と共に観閲行進を進みます。北部方面衛生隊長は医官としての1佐が指揮する部隊で、野戦医療の専門集団です。北部方面衛生隊は北部方面隊直轄の衛生部隊で、真駒内駐屯地に駐屯、隊本部、第101野外病院隊、第301救急車隊という編成をとっています。
第101野外病院隊の野外手術システム。1988年より装備が開始された移動式の総合病院で、第11後方支援隊に装備されているものと同じです。校正車両は、手術車、手術準備車、滅菌車、衛生補給車で電源装置2セット、浄水装置1セット、大型テント数個を以て野戦病院を構成、戦闘の負傷者を応急処置と共に搬送し、ここで一命を取り留めたうえで後方の病院へ搬送します。兎に角一命を取り留める究極の応急処置として手術を行い感染症対策として後方の病院へ、ということでした。
第301救急車隊の1t半救急車。第301救急車隊は中隊編制ではなく隊編成となっていますので、それなりに多くの救急車を運用しているのでしょう。以上で真駒内駐屯の方面直轄部隊の観閲行進は完了です。このほか、北部方面隊には第1特科団が配置されており、この所属部隊で真駒内駐屯の部隊による観閲行進もありますが、こちらは次回の掲載とします。
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TKB含め左翼バカ政治屋に叩き殺され掛けている
痛々しき現状なるも、其れ故に刷新交えの大復活を渇望する声を弱めてはならぬと痛感する昨今(金切り声出す市民運動?暴力革命待望論同様とっくにヲワコンですなw)
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
次に掲載しますが、第11戦車隊が、三個中隊と思いきや二個中隊となっていたのは驚きでしたね。ううむ、やせ細ってしまっていまして、なんとか装甲車だけでも増勢できないか、とも。
ただ、陸上自衛隊特集記事に師団特集を何れ掲載する予定なのですが、まあ、11Bは頑張っている方では、とも。
具体的のどの部分がお気に召しましたでしょうか。
離れている中隊が連隊の指揮を受ける場合は、やはり連隊本部管理中隊の通信小隊から分遣隊が出されるのでしょうか、それとも一定水準の指揮であれば普通科中隊の本部が行えるものなのでしょうか・・・
戦略予備としての運用部隊かつ訓練招集の際の要員派遣の関係からの分散配置ですので、通常は連隊の指揮ではなくそれぞれの中隊毎連隊と同様の機能(人事・情報・補給管理等)が維持されています。
具体的には旭川26普連4中の本部にある人事と保全・補給・給養は通常連隊の1科~4科の指揮を受けるものを直轄運用しやすいようになされているように、それぞれ分屯している部隊ごとある程度独自運用が可能になされているはずです。
本来連隊本部を経由して師団に話を持って行く事案等も、連隊を経由せずそれぞれある程度中隊長の裁量で決定できるような配慮もされています。
その関係から26普連4中は他の中隊と違い「副中隊長」職を配置し中隊長の補佐を行えるような状況で部隊運用を行っています。
26普連4中はご存じとは思いますが元9普連の隊員受け入れの関係からコア化されていた留萌26普連4中隊を一度廃止し旭川にて再編制した部隊です。
ですので、事実上の9連隊2個中隊分の人員と装備機材を運用する独自部隊としての側面もあり、その関係から平時においては中隊本部の裁量で決定運用できるような状態に置かれています。
指揮運用は26普連でも編成当時は有事は師団長の指揮下において戦略予備扱いで運用する予定もありましたので(もう時効のお話ですが)。
でないとわざわざ遠く離れた留萌の連隊本部まで決済を貰いに行くのも余計な手間と労力を必要としますからね。
これは恒常勤務のお話でありますが、これがもし有事となればそれぞれの連隊の指揮下にて運用はされるはずです。
無論52連隊は即応予備自衛官を招集かつ管理し必要に応じて運用される戦略予備ですので、方面総監が必要と判断された地域に展開し運用される部隊です。
なので、通常はそれぞれの駐屯先の中隊がある程度の裁量で運用できる状態でありながらも、有事には連隊本部の統制の元活動する部隊である事を承知して頂ければ幸いと存じます。