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ウクライナ情勢-ロシア軍人件費高騰下の募集難と相次ぐ敵前逃亡軍法会議,東部戦線攻撃の失敗

2023-09-11 07:00:44 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナ戦争におけるロシア軍の概況をまとめてみました。

 ロシア軍の動員兵月給は20万ルーブルに達するも兵員不足に悩んでいる、8月29日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告が実情を明らかにしました。開戦前は将校でも月給は8万1200ルーブルであったとプーチン大統領自身が発言していますが、2022年10月の時点で二等兵の月給は19万5000ルーブル、現在の月給は日本円で約30万円という。

 ロシアの平均給与は7万2851ルーブルであるために、特に貧困層には大きな金額となっているはずですが、ロシア国防省が目指す志願兵の採用目標には達成が遠い状況となっています。他方イギリス国防省はこれ以上踏み込んだ言及を避けていますが、俸給が確実に支払われているのか、また戦死者への弔慰金などの状況には不透明な部分があります。
■戦線復帰命令違反
 敵前抗命はもう少し重いと思っていた。

 ロシア軍では戦線復帰命令違反により相当数の懲役が科せられる事例が出ている可能性がある、イギリス国防省ウクライナ戦況報告8月30日付公開情報に明示されていました、これはロシア軍事法廷が8月25日に2名の兵士が復帰命令に違反したとして懲役2年、また7月18日にロシア国内報道として毎週100名が有罪判決を受けているというもの。

 ロシア軍はウクライナ軍と比較した場合高い損耗率により軍事的非合理性を補っている状況があり、高い損耗は訓練不足と士気の低下にストレス問題の無視などが反映した結果と考えられています。また部隊ごとに士気と指揮の水準が低く、全く戦闘に消極的な部隊の存在があり、此処に装備不足と補給不足や弾薬不足が拍車をかけていると考えられます。
■ライホロド地区
 現状はやはり防御側に有利という。

 ロシア軍は東部戦線北部ライホロド地区へ戦車部隊による攻撃を加えたが失敗した、ISWアメリカ戦争研究所8月30日付ウクライナ戦況分析において分析結果が示されています。これによればウクライナ東部軍集団シルスキー司令官のはなしとしてジェレベツ川へ渡河攻撃を図り、ライホロド地区でウクライナ軍防御線部隊と激突したとのこと。

 ライホロド地区はスヴァトフの西13kmにあり、ウクライナ軍はゆっくりとではあるものの着実に前進を続けており、これに対してロシア軍は機動防御のかたちで戦車部隊を投入しているものの、膠着状態となりつつあるもよう。対してロシア軍が劣勢の東部戦線南部ではウロジャイネ南西5km地域でロシア軍が陣地を捨てて壊走を始めている兆候がある。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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