◆F-15E=10㎡、F/A-18E=1㎡、F-22&F-35=0.005㎡
ステルス機はどの程度レーダーに映るのか、素朴な疑問です。F-35の開発難航が伝えられる中ではありますが、次期戦闘機のレーダー反射面積からの比較を本日はしてみたいと思います。航空自衛隊が第五世代戦闘機を必要とする理由の一端が見えてくるかもしれません。
戦闘機は設計にステルス性能と設計を示す概念として、従来型機にたいし、ある程度レーダー反射面積を局限する設計を行った機体を視認制限設計のRO機といい、ステルス性を重視した機体を低視認機LO機、そしてステルス性を最重要視して設計した航空機を超低視認機VLO機といいます。従来機はF-15EやF-15C,それにF/A-18CやF-16Cといった航空機、所謂第四世代戦闘機。F/A-18Eやラファール、それにEF-2000タイフーンはRO機にあたり第四.五世代機。そして第五世代機にはLO機が来るかと思いきや、初期のステルス機であるB-2やF-117がLO機であり、これ以上にステルス機としての設計が洗練されたF-22やF-35が第五世代機でありVLO機となるわけです。
ステルス機という分、レーダーに捕捉されるわけには行けません。しかし、航空機である以上其処を飛行しているのですから程度の差こそあれ、レーダーには反射するわけです。これをレーダー反射面積RCSと呼ぶのですが、世代ごとにRCSを見てゆくと世代が異なる、ということが端的にわかります。レーダーに反射する面積が小さければその分レーダーサイトからの早期警戒で探知される距離が小さくなり、攻撃目標が防御体制に移行する時間や迎撃戦闘機の緊急発進までの時間を短縮することが出来るでしょう。そして限りなく低減したRCSは迎撃戦闘機だけではなく、上空を飛行し警戒する制空戦闘機に対し、気づかれる前に接近し攻撃を行うことが可能となります。
F-15EのRCSは10㎡です。設計において遠慮なく思い切って攻撃力に特化した戦闘爆撃機であるF-15Eは、元来F-15として設計された機体は革新的な戦闘機でした。元来、鈍重な大型戦闘機が長大な戦闘行動半径を有し遠い基地から進出して強力なレーダーを搭載する航空機は、能力的に高いものがありつつも小回りが利かない大型戦闘機は、軽戦闘機が搭載するレーダーや航続距離が限られているもののその小回りに翻弄されることが多くありました。格下のMiG-19にF-4Eが互角の戦闘となったこともあります。この場合戦闘機は爆弾などの重量物を投棄し戦闘を行ったのですが、重い機体と強力なレーダーに加え多数の装備を搭載した場合でも、その分強力なエンジンを搭載すれば小回りが利く、という設計であり、実際の空中戦で初飛行から四十年を経た今日においても無敵と言える機体になりました。
F/A-18EのRCS、1㎡。第四.五世代機ですが、F/A-18Eは第四世代機のF/A-18Cを四割ほど大きくした航空機で、かなり巨大な戦闘機で機体規模はF-15Cに迫るものではあるのですが、空気取り入れ口の形状や機体の主翼基部にコックピットの形状と配置、垂直尾翼の形状と機体の流線型などなど、あらゆる部分から徹底的にレーダー反射面積を省く設計としていたわけです。それではステルス機なのでは、という問いがあるやもしれませんが、ステルス機と言っても程度があります。ステルスに特化すれば、空中戦に必要な機動性を担保する必要な機体形状を断念してレーダー反射面積を局限する直線とするのか、レーダーへ反射しないようにミサイルなどの兵装を全て狭い機体の中に格納して搭載量の減少をあきらめるのかレーダーに反射しつつも最大限の爆弾やミサイルを翼に搭載し打撃力を重視するか、ステルス機とすればこの部分が犠牲とされてしまうので、それよりは戦闘機としての機動力や攻撃機としての打撃力を優先した、ということです。
F-22やF-35は別格なのですが、先ほど第四.五世代機は、機動力と打撃力を優先した、と記載しました。何分ステルス機は、直線を優先しているのですが、この形状というのは戦闘機として必要な形状ではありませんし、ステルス性を重視して、ミサイルそのものがレーダーに反射しないように収容する、ということは打撃力をそぐことになるのですが、これっを優先したものが初期のステルス機でした。初期のステルス機はF-117攻撃機やB-2爆撃機。B-2爆撃機は核爆弾18発を搭載する強力な戦略爆撃機で機体規模も大きいのですが、RCSは0.1㎡でしかありません、F/A-18Eの十分の一でしかないわけです。そしてより小型で精密誘導を行うレーザー誘導爆弾を一撃必殺で運用するF-117は0.025㎡となっています。しかし、F-117は戦闘機を示す“F”の記号が制式名称に用いられているものの、戦闘機に発見されれば近距離では赤外線誘導ミサイルに照準され、機関砲で攻撃されても逃げの一手、反撃はできません。
F-22とF-35はVLO機と呼ばれていますが、これが第五世代戦闘機と呼ばれているのは様々な構成要素から成立しているのですけれども、驚くべきは戦闘機としての空中戦に対応する高性能を有しているものと両立して、RCSは僅か0.005㎡、実にF-117の五分の一、F/A-18Eの二十分の一、F-15Eの二百分の一というものです。お気づきとは思いますが、F-22はF-35よりも一回り大きなkタイ規模となっているのですがRCSでは概ね同程度、F-22の方が優先度の上位にステルス性を配置している、ということでしょう。しかし、F-22はF-15に1:200で空戦を行っても対応することが出来、ミサイルを全て運用したのちであってもレーダーにより目標を補足し情報を友軍のミサイルに残量がある部隊に通知し攻撃を誘導することが出来、兎に角、戦域を飛行しているだけでミサイルを使わずとも優勢を維持できるのです。実は、超音速巡航能力というのは、アフターバーナーの使用事案に機能上制約のある航空機の音速飛行に対する方便であったり、レーダーと情報伝送能力についても近代化改修と換装により必ずしも第五世代戦闘機の専売特許ではないのですが、少なくとも構成要素の一つを占めるステルス性能では、非常な優位を保っているといえるでしょう。
航空自衛隊がF-22を必要とし、これがかなわなかったことからF-35を選定した背景は、その大きな部分をステルス性が占めているところにあり、相手に気づかれず接近し戦力を投射することが出来ます。やるかどうかは別として、戦闘行動半径域内の弾道ミサイル硬化サイロへ精密誘導爆弾を発射できますし、首都の中枢さえも能力的に撃破できるということになります。ただ、第四.五世代機であってもF-15Eと比較すれば十分の一なのだ、ということを忘れてはなりません。それだけではなく、我が国の周辺国が事象第五世代戦闘機を開発していますが、Su-27戦闘機の後継機を目指しているとされるのですが、F-15の二百分の一であるF-22のような、Su-27の数百分の一程度にRCSを軽減できているのか、という疑問が一点。戦闘機としての機動性と打撃力をステルス機能と両立できているのか、という疑問符も考えてゆかねばなりません。第五世代機という単語は単純に使われていますが、その性能は自称第五世代機と言えるのか厳格に見た場合、脅威対象が用いてくるものはどういう程度なのか、考えてみる必要もあるのではないでしょうか。
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
と言うのが納税者として思います。
ファントムF4の更新と松島基地で水没した戦闘爆撃機F2の補充は、ユーロファイターのライセンス生産して3飛行隊(60機)配備して、日本の爆弾、ミサイルに合うように火器管制システム仕上げて、
とりあえず、ロシアのSu27とシナの勝手コピー機
を撃墜できる戦闘機の数そろえて。
EJ200エンジンを研究して、次の戦闘機用エンジンはXF5-1の改善版で行くのか、EJ200でやるのかじっくり検討してやれば、早くても2019年に
納品されるF35よりも使い勝手のいい戦闘機を
仕上げることが出来るぜ、1機200億以上なら。
国産の対空ミサイル04式を使えない
兵器と言うのは「敵を相手より先に見つける事が出来るか」「敵のいる場所に移動することが出来るか」「敵に打撃を与える事が出来るか」という順番で機能が必要とされますから、ステルス性を獲得する事で敵に発見される可能性を低下させれば、相対的にこちらが敵を先に発見する可能性が向上します。
また、ステルス性の向上により、レーダーやSAMの有効性が減少する事で、地上からの迎撃を避ける可能性が向上する事も無視できません
更に、歴史的に空中戦で撃墜された相手は圧倒的に「自分を落とした相手を確認できないまま撃墜された」ケースが多い以上、戦闘機へのステルス性の獲得は、戦闘機の空中戦の歴史からみても必要な機能と言えるでしょう。
その意味で、戦闘機へのステルス性の獲得は必須と言えますが、いかがでしょうか?
また、当論文で懸念されているステルス戦闘機の打撃力と機動性についてですが、前者については、近年、付随的被害の軽減の見地から航空機用兵装(特に爆弾)の小型化が進んでおり、解決可能となりつつあります。後者についても現在F-22の酸素供給装置の問題の背景に同機の機動性の高さが災いしている(同じ装置を持っているF/A-18E/Fには問題がない)との指摘がある事から、これも懸念するほどの問題ではなさそうです。
心神ですが、燃料搭載量も発表されていませんし、航続距離の要求も何もなく、あれは実験機で実用戦闘機ではありません。
飛行試験は数年ないですが、実用戦闘機に技術が反映されるのは2020年代後半あたりになるだろうとおもいますよ。その頃ならば、まあF-4が維持できているかは怪しいですが、F-35も落ち着いているだろう、と。
ロシアですが、Su-27に対処するのでしたらF-15Jはかなりの性能を有しています。中国の新型は、あれも実用航空機なのか、戦闘機という割には非常に大きすぎないか、という疑問符がありまして、その巨体に見合う高出力エンジンを取得できているのか、どうしても疑問です。
XF5ですが、もともとT-1練習機の時代からの技術の集大成ですので、仮にユーロジェットやGEからかくじつなぎじゅつがきょうきゅうされたとしても、開発計画は維持されると思います。これまでもそうしてきましたから。
ステルス性ですが、あるには越したことはない、と割り切るのか、その他能力を最大限犠牲にしてでも付与するか、というところの妥協点が難しいのではないでしょうか。
ステルス機、こちらから索敵に電波を出してしまうと位置が暴露してしまうのですよね。また、対領空侵犯措置任務ではいきなり遠距離から一撃を加えてしまうのはできません、戦争を誘発しますから、ね。SAM対処も内陸侵攻攻撃の比重を航空自衛隊がどの程度考えるかにより変わってくると思います。
このほか、これはかなり前に記載したのですが、お互いがステルス機となった場合、狸の馬鹿試合になりそうな気も、結局、アンチステルスレーダーの能力、ということになる可能性もあります。F-22の酸欠、機動性なのでしょうかね、地上整備員が誘導路を移動中にも発生した、という話がありますので、機動性が高いので空中で破損した、という点以外は、地上で機動力は発揮しませんので、何か違うようにも。
私事ながら、我が家の最旧式PCはWindows95、あれで今使っているノートPCの十倍ほどの価格でした。性能は言うまでもなく。第五世代戦闘機の設計は機動性とステルス機の両立が主眼で、コンピュータの設計能力次第では将来的に設計仕事量が相当低下することが考えられますので、設計開始を2010年代の技術で行うならば、開発費は相当抑えられるのでは、と。将来的に第五世代機の設計と開発費は、第六世代機以前に低くなるのでは、と思います。そうした意味でF-35,Windows95の時代のPCと同じような、ちょっとコスト的には慎重になる点があるやも。
2017-07-08 22:08:35のコメント、これ無関係広告では?
投稿されましたコメントは昨日別記事に投稿の内容とまったく同じものであると共に、御巣鷹山事故が核攻撃により皇族をねらったものとのご遺族各位を著しく侮辱ずるものであるため、コメントを公開保留しています