北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

次期戦闘機F-35正式契約 F-Xのライトニング防衛省ロッキードマーティン社間で初年度4機

2012-07-02 21:57:26 | 防衛・安全保障

◆ファントム後継機、納入期限は2017年3月

 防衛省は6月29日、とにかく時間を要した次期戦闘機選定、ロッキードマーティン社へ次期戦闘機としてF-35を正式契約しました。ようやくF-4ファントムの後継機が正式契約です。

Fimg_9487 F-35戦闘機、通称ライトニング。現在開発中ですが制式化が内定したのちは年単位という顕著な開発遅延は米国国内でも報じられず、評価試験を行う飛行開発実験団への引き渡しを米国国内で行い、かつて西ドイツ空軍がF-104の運用訓練を実施したように米国国内において要員養成を行った場合、それほど大きな遅延とはならないかもしれません。

Fimg_0400 航空自衛隊のF-4EJ改戦闘機は初飛行より既に41年、近代化改修は続けていますが、これ以上後継機選定が遅れれば、三菱重工において機体構造補強改修を行わない限り、今日までのF-35の不具合以上にF-4の不具合、それも技術的問題ではなく構造疲労による問題が広く認識されていたでしょう。

Fimg_9488 ただ、不安な二点を挙げますと、一つはいつまでF-4を運用しなければならないのか。次期戦闘機F-35の機体価格のほかに開発費分担金を変な例えですがローンとして抱え込む形となり、財政負担が大きくなるだろう一方、F-4戦闘機が百里基地と岐阜基地で拍手と共にラストフライトを迎える日がいつになるのだろうか、ということ。

Fimg_2251 そしてもう一つは、近隣諸国において第四世代戦闘機が増強され、第五世代戦闘機開発の模索が行われる中、有事の際に航空優勢を確保するだけに十分な機数を確保しているのか、ということ。いかに高性能の航空機であっても一度に複数空域へ展開することはできません。

Fimg_9848_1 戦闘機定数を増強することが望ましいのですが、これが不可能ならば基地の能力強化と共に、せめて一機当たりの稼働回数を増勢するために、イスラエル空軍のように整備要員増員と搭乗員を機体数の倍以上航空団に確保するなど検討してほしいところです。ともあれ、F-35は航空優勢確保の手段であり、目的ではないということです。

北大路機関:はるな

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