◆ソマリア沖海賊対処事案
これまで、護衛艦に搭載されている複合ゴムボートを、複合型高速艇と記載してきましたが、正式には特別機動船という呼称があるとのことだ。
あさぎり型護衛艦の、あまぎり。4月4日に撮影した写真で、舞鶴基地一般公開の日にあたり、舞鶴遊覧船の運行日であったので、陸と海から撮影した写真。二本のマストが示す力強さ。はるな型や、しらね型、そして、はたかぜ型護衛艦のような、見た目が強そうな護衛艦というのは、それだけで、存在感や抑止力を期待してしまう。
特別機動船、は、搭載艇、つまり内火艇のダビットに搭載されるが、この搭載には、一応ダビット部分を改造する必要があるとのことだ。ゴムボートとFRP構造の複合艇となっている特別機動船は、北朝鮮などの不審船に対処する必要上から近年までに配備が進められていたとのこと。
特別機動船には、護衛艦の立入検査隊などが乗り組むが、同様の船は特別警備隊員の訓練などにも用いられているとのこと。この種の複合艇は、海賊船対処や不審船対処のみならず、拡散防止イニシアチヴ(PSI)任務に伴う臨検でも活躍が期待される。ちなみに米海軍では、近年、ミサイル駆逐艦のコスト削減のために、従来型内火艇に代えて複合艇を搭載する場合が多い。
従来型内火艇。特別機動船と比べると、速度では遅い印象があるが、一方で、輸送できる人員等の面では充実している印象だ。特に、沖に停泊する際などは、人員の揚陸には、こうした内火艇が必要となるので、特別機動船と内火艇の任務や用途の区分はしっかりしているという印象。
立入検査隊は、ヘルメット、防弾衣、半長靴からなる立入検査服を着用して任務にあたる。なお、防弾衣は、陸上自衛隊が用いている戦闘防弾チョッキとは異なり、海へ落水した場合、浮揚する構造が採用されている。かなり前から必要性が提示されていた水に浮くボディーアーマーは、90年代にイギリスで開発された。
HARUNA
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