ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます』

2019-12-26 00:00:05 | TVドラマ全般









 
私はクドカンさんの信者じゃないし、エンケンさんのお顔も見飽きてるんだけど、こういう企画なら興味をそそられます。2018年秋にWOWOWプライム月曜深夜の30分枠で全7話が放映された、これは言わば実験ドラマ。

毎回2幕構成になってて、遠藤憲一さんが人情派刑事=諸井情に扮して連続猟奇殺人事件を捜査するサスペンスドラマ『諸井情の事件簿』を普通のキャスティングで普通に撮影した約10分間が第1幕。

ところが助監督のミスによりすぐに撮り直さなきゃいけなくなるんだけど、共演者が帰ってしまった後で代役を探すしかない。

そこにタイミング良く現れたスター俳優(初回は小栗 旬)が代役を引き受け、同じ脚本、同じ演出で撮り直された約10分間が第2幕。

つまり同じストーリーを同じ監督が撮っても、演じる役者が替わればこんなに違って来るという実験。

同じ脚本と言っても、役者さんに合わせて宮藤官九郎さんが「あて書き」するから微妙に(それも笑わせる方向に)変わって来るし、さらに役者さんがアドリブを加えるからほとんど別物。

それを主役=遠藤憲一さんがどう受けるのか、実はかなりの「ゲラ」だというエンケンさんがどこまで我慢し、どのタイミングで吹き出しちゃうかが最大の見所になってますw

小栗旬くんに続くゲストの顔ぶれは、#02が仲 里依紗&加藤 諒、#03が高畑淳子、#04が野村周平、#05が水野美紀、#06が高嶋政伸、そして#07=最終回が桃井かおり、という豪華メンバー。

まず最初に感じるのは、やっぱりスターの並外れた存在感。無名の役者さんが演じた役をそのまま演じるワケですから、オーラの違いがより際立つワケで、やっぱり売れる人には売れるだけの理由があるんだってことを思い知らされるし、前座の役者さんたちがちょっと気の毒にも思えて来ます。(とはいえ彼らにとってこれほど『勉強』になる機会も他に無いかも知れません)

特に、登場しただけで場面をさらっちゃう小栗旬くんの格好良さ、加藤諒くんや高嶋政伸さんの顔面力w、高畑淳子さんや桃井かおりさんのカリスマ性などはまさに唯一無二、作品のカラーをがらりと変えちゃうパワーがあります。

そんなゲスト俳優たちがどんな風に役作りしてキャラクターを自分のものにするか?をエンケンさんとクドカンさんが見て勉強し、一発勝負の撮影でセンスとテクニックを試されるゲスト俳優自身もまた、あらためて演技というものを勉強するワークショップ的な番組でもあります。

同時に、私みたいに映像作品を創った経験がある者からすれば、各スターの持ち味を活かすために脚本家がどれほど工夫を凝らしてるかっていう勉強にもなるし、もちろんこれから俳優や脚本家を目指す人にとっては全てが勉強。

そういう意味じゃ玄人向けの番組なんだけど、前述のとおりクドカンさんがちゃんと笑えるようにアレンジしてくれてるし、エンケンさんやゲストたちが堪えきれずに笑っちゃうNG集的な面白さもあるから、よっぽどコメディが嫌いな人でなければ確実に楽しめるかと思います。

個人的には、エンケンさんを「お前」呼ばわりしてコキ使うFBIの鬼捜査官=高畑淳子さんと、胡散臭すぎるサイキック捜査官=高嶋政伸さんの振り切った演技と顔芸、それを見て完全に崩壊しちゃうエンケンさんの芝居がツボでしたw

また、コメディは初挑戦という野村周平くんの意外なお笑い志向や、誰よりもクドカンさんの脚本を尊重し、忠実に演じられた桃井かおりさんの謙虚さ等、こういう企画でないとなかなか出来ない発見も楽しめました。

ゆくゆくは地上波でも放映されるかも知れないけど、とりあえずDVDを買うなり借りるなりすればいつでも観られるし、WOWOWに加入されてる方なら再放送、そして多分シーズン2もありそうなので、チェックをお勧めしておきます。
 
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「年の瀬にまた驚いた。そして怒った」

2019-12-25 00:00:09 | 日記


 
こないだニュースを観てたら、とある一般女性がネット上でバッシングされてると知って本当に驚きました。

なんと、今年9月に山梨県のキャンプ場で行方不明になった女の子のお母さんですよ!

情報提供を求めるために始めたインスタグラムが炎上し、お母さんの自作自演じゃないかという憶測まで飛び交い、自宅住所などの個人情報がばら蒔かれ、罵詈雑言を浴びせる輩が後を絶たないんだそうです。

本当に……まったく本当に酷い世の中になったもんです。冗談抜きで、破滅です。

具体的にどんなことが書かれてるのか、読んで確認してから記事を書かなきゃと思ったけど、そんな心根の腐った連中が書いた文章なんか一行も読みたくないし、その内容に信憑性があろうが無かろうが非道な書き込みである事実に変わりは無いですから、読む必要なしと判断しました。

だって、そこに確たる証拠が無いかぎり、絶対に書いちゃいけないことを連中は平気で書いてるんだから。

もし仮にお母さんに何らかの落ち度があったとしても、人生最悪の悲劇に直面してる人に対して追い討ちをかけるようなことが、なんでその連中に出来てしまうのか私には全く理解できないし、絶対に理解したくない。

もし万が一、行方不明の女の子が事件に巻き込まれててお母さんが真犯人、みたいなどんでん返しが仮にあったとしても、バッシングしていいのは確固たる証拠が上がってからでしょう? その罪が100%確定して初めて、我々はバッシングする権利を得るワケです。濡れ衣の可能性がある限り絶対やっちゃいけない。あまりに当たり前すぎて書いてるのがアホらしくなって来ます。

連中がやってることは、連続殺人犯よりも、何なら京都アニメに放火した犯人よりも卑劣で、昨今聞かない言い回しだけど万死に値すると思います。

だって、殺人犯は(よっぽどのガイキチでない限り)自分の人生を賭けてるんだから。現に京アニ事件の犯人は捕まった上に全身火傷で生死をさまよい、挙げ句に死刑かも知れないんだから。

それに比べてこの連中は、自分の名前を伏せ、顔を隠し、何のリスクも背負わずに弱者を集団リンチしてる。何より醜く最低なのは、そいつらが正義の仮面を被ってること。卑劣で愚劣で、もうホント例えようがない腐れ外道です。アヌスとかウンコに例えたらアヌスとかウンコに対して失礼です。

菅田将暉先生が血を吐きながらあれほど言ったのに! ついこないだも煽り運転事件でデマを流された女性が法に訴えたばかりなのに! 世の中は全く変わらないどころか、どんどん酷くなる一方です。

こんなニュースに触れるたび、一刻も早く人類を滅ぼしてくれって、青臭いかも知れないけどホント思います。腐った連中と同じ空気を吸って生きることに耐えられないワケです。

まぁ私自身もこれまで理不尽な眼にも色々遭って来たけど、最近だって仕事先で屈辱を味わったばかりだけど、お陰でぜんぶ吹っ飛んだくらいに胸くそ悪いニュースでした。

いやあ~人間って、本当に醜いもんですね。
 
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「とりあえずの総括」

2019-12-24 00:00:09 | 日記
 
「刑事ドラマHISTORY」が現在まで追いつき、ようやく旧ブログの復刻作業が完了。1年と3ヶ月ほどかかりましたw

一口に復刻と言っても、加筆訂正に止まらず(あまりに文章が稚拙だったり、当時と感想が違ってたりして)ほぼ全文書き直した記事も少なくないし、画像を撮り直すためDVDを借りたり再放送をチェックした作品も多数あり。もちろん旧ブログでレビューしなかった作品はゼロからの作業でした。

なかなか骨の折れる作業ではあるんだけど、それがしんどかったかと言えば、さにあらず。むしろ楽しくて仕方なかったです。私は元来そういう再編集的な作業が好きなんですよね。でなければ無償でこんな手間とお金のかかる作業は出来ません。

放映当時はスルーしてた作品や、存在も知らなかった作品を観るのはワクワクしたし、たとえそれがつまらなくても「スルーして正解だったな」って思えるし、なぜその作品がつまらないかを分析するのも楽しいもんです。

とにかくこれで、現在レビュー可能な刑事ドラマはほぼ全て網羅できたかと思います。これだけのタイトルを取り揃えた媒体は、検索サイトを除けば他に無いんじゃないかと自負してます。

そんなに刑事ドラマが好きで好きでたまらないの?って、呆れてらっしゃる読者さんも多いかも知れません。が、実はそれほど好きでもないんですよね。

これだけ膨大な数ある刑事ドラマの中でも、私が全話欠かさず観たのはたぶん10タイトルも無くて、9割9分は1~2話チェックしただけ。そう、私がやってるのは刑事ドラマ観賞というよりチェックなんです。

刑事ドラマの何をチェックしてるのかと言えば、その作品にどれほど『太陽にほえろ!』成分が含まれてるか、七曲署刑事たちのDNAが受け継がれてるかを厳しく査定するワケですw

私が心底から好きなのは『太陽にほえろ!』という1つの作品だけであって、刑事ドラマというジャンルじゃない。放映終了から30年以上経った今でも『太陽~』ロスが続いてて、その面影をずっと追い続けてるストーカーなんです。

『太陽~』をCS放送やDVDで今も観続けてるマニアは沢山いても、こうして新しい作品に『太陽~』の残り香を求めるマニアはちょっと珍しいかも知れません。

結果的に『太陽~』へのリスペクトを感じさせる作品は高評価になるし、その逆に対しては悪口が多くなる。

それが最も顕著に表れたのが『踊る大捜査線』への評価で、『太陽~』をリスペクトしつつ真逆のアプローチを試みたTVシリーズには最大限の賛辞を捧げたのに、師匠に勝って天下を取ったような顔をした映画版には罵詈雑言を繰り返すという、個人的感情が入り過ぎのレビューには自分で笑っちゃいますw

だから全ては『太陽~』を基準に置いた個人的評価で、作品の出来・不出来とはあまり関係ないので観賞の参考にはなりませんm(__)m あくまで私の趣味、単なる好みです。

掲載した画像(セクシーショット除く)を見渡しても、より『太陽にほえろ!』っぽい場面を切り取ったものが多い気がします。無意識にそうなっちゃうんですよね。

さて、2019年の刑事ドラマ界は不作でした。これから刑事ドラマはどうなって行くんでしょうか? いくらなんでも、もう「ただ突っ立って謎解きする天才刑事」の時代は終わっていい気がするんだけど、それに代わるブームがなかなか見えて来ません。もっと日本の景気が良くならない限りアクションドラマの復権も絶望的で、破滅です。

ただ、そんな中でも、旧作へのリスペクトとパロディを完璧なバランスで昇華させた『デカワンコ』や、TVドラマの枠を超えたアクションで魅了した『CRISIS/公安機動捜査隊特捜班』、謎解きドラマでも見せ方次第で面白くなることを証明した『刑事ゆがみ』や『警視庁・捜査一課長』シリーズ等、突発的に傑作が生まれてますからチェックはやめられません。

それらの作品に共通するのはチームワーク、アクション、キャラクター等、やっぱり『太陽にほえろ!』のDNAなんですよね。視聴率はともかく一般的にも高評価を集めてる作品たちだし、『太陽~』を基準に置いて裁定するのはあながち間違いじゃない。七曲署のDNAがすっかり消え去らない限り、このブログも続いていく事でしょう。

ただし、これで記事のストックは使い果たしちゃったので、今後は今までみたいに毎日更新とはいかなくなります。記事を書くにも画像を撮るにも時間がかかるし、その前にまず作品を観る時間が要りますから、記事をアップ出来ない日が増えて行くだろうと思います。

更新がなくて一番寂しい思いをするのは私自身なんだけど、こればっかりは仕方ありません。取り上げる作品の傾向も変わっていくかも知れないけど、見放さずに今後もよろしくお願いいたします!
 
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『ニッポンノワール/刑事Yの反乱』2019

2019-12-23 12:23:38 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2019年の秋シーズン、日本テレビ系列の日曜夜10:30「日曜ドラマ」枠で全10話が放映された、日本テレビ&AX-ONの制作による、キャッチコピーによれば「超規格外の刑事ドラマ」。

公式サイトに掲載された概要は、以下のとおり。↓

☆☆☆☆

これが、刑事ドラマと呼べるのかー。

目が覚めると俺の横には女性刑事の亡骸があった。手には拳銃。なぜか俺の記憶は数ヶ月消し飛んでいた。俺がコイツを殺したのか……。それとも何者かにハメられたのか……。

容疑者は『自分自身』と俺の『目に映るすべての人物』。
俺を疑い追いかける同僚刑事。かつての仲間は一夜にして敵に。相棒は亡き女性刑事の一人息子である幼き少年ただ一人。やがて事件は未解決の「十億円強奪事件」の真相へと繋がっていく……。

女性刑事を殺したのは…? 十億円を奪ったのは…? 疑いが加速し、裏切りが止まらない。究極のアンストッパブル・ミステリーがここに開幕! 一人の刑事が巨悪に反乱を起こす、予想を覆し続ける規格外の刑事ドラマ!!

この物語、一度見たらその結末を見届けるまで、「とんでもないこと」が止まらない。

☆☆☆☆

警視庁捜査一課の癌と呼ばれるやさぐれ主人公=遊佐刑事に賀来賢人、殺された捜査一課のマドンナ=碓井班長に広末涼子、その息子に田野井 健、碓井班の刑事に杉本哲太、工藤阿須加、立花恵理。

そして捜査一課の課長に北村一輝、刑事に水上剣星、細田善彦、公安部の刑事に井浦 新が扮するほか、夏帆、佐久間由衣、笹野高史etc…といったキャスト陣が脇を固めます。

私は常々、斬新でサプライズに満ちた刑事ドラマを待望してます。だから「超規格外の刑事ドラマ」なんて言われると期待せずにいられないんだけど、まぁ五分五分以上の確率で「どうせ裏切られるだろう」とも思ってます。さて、この番組はどうだったか?

上記のあらすじを読む限りだと、どこが超規格外なのかサッパリ分かりません。刑事が罠に嵌まって殺人容疑者になったり、そこに記憶喪失が絡んだり、同僚刑事を含む周りの人間がみんな怪しかったりするサスペンスは、私が子供の頃からいったい何本観て来たか見当もつかないほど、全く新しくも何ともないネタです。「警視庁の癌」と呼ばれる刑事も沢山いたし、小さな子供が相棒になるって話もいっぱいありました。

じゃあ、創り手はどこを指してこれが「超規格外」だと言ってるのか? 驚きました。これは違う意味でサプライズでした。

刑事たちが、同僚(しかも課のマドンナだった女性)が殺された現場で、その遺体を前にしてフザケたりはしゃいだりしてる!

そして捜査会議で下らない縄張り争いから全員で大乱闘をおっ始める! そこにやって来た公安の刑事が拳銃をぶっ放して騒ぎを止める!

まだまだあります。初対面の上役から「遊佐が犯人だ」と聞かされた若手刑事が、その裏もとらずに遊佐を殺そうとする! 反撃してそいつを殺そうとした遊佐を、小さな子供が拳銃をぶっ放して止める!等々、メチャクチャとしか言いようのない描写が初回だけでも枚挙に暇ありません。出てくる刑事が全員、バカばっかり。

規格外って、そういう事ですか……やれやれ……困ったもんです。

違うんだよなぁ……私が求めてるのはそういうサプライズじゃない。それはむしろ、一番やって欲しくない「なんでもあり」の「悪ふざけ」です。ぜんぜん新しくもなければアナーキーでもなく、ただ単に「奇をてらった」だけ。

彼らがやってることは、コンビニや飲食店のバイト店員がふざけて食品にツバをかけ、それを撮った動画をネットにアップするような行為と同じことで、そんなの観たって笑えもしないし、まして「こいつら尖ってて超クール!」なんて微塵も思いませんよ。

ただ単に幼稚で無能でひたすらダサい連中でしかなく、そんなヤツらをドラマの主役として描いてる創り手たちも同じ穴のムジナ。なにがニッポンノワールじゃ、ふざけんな!って、私は言いたいです。

これまでの刑事ドラマがなぜ、そういう事をやらなかったか? 別に誰も思い付かなかったからじゃない。そんな事をしても作品の面白さには全く繋がらないことを、皆が分かってたからです。

マトモな人間が職場でフザケてる動画をネットにアップしないのも、臆病だからじゃない、それが究極にダサくて面白くも何ともない事が分かってるからです。あんな動画を観て笑う人は、アップした人と同レベルのおバカさんだけ。大半の人は怒りもせず、ただ「ああ、可哀想に」って思うだけ。その可哀想っていう意味も、おバカさんたちには解らないんだろうけど。

結局、全くもってありきたりなストーリーを、フザケたり裏をかいて見せることで「新しい」と言い張ってるだけ、としか私には思えません。警察という権威をおちょくったり、人気ジャンルの伝統やルールを壊して見せることがアナーキーでカッコいい、と思い込んでる小学生レベルの発想でしかない。

それは私が大好きな「パロディ」とは似て非なるものです。パロディが面白いのは、ネタ元に対する創り手のリスペクトや愛情が根底にあるからです。「この作者、よっぽど好きなんだな」っていう微笑ましさが笑いに繋がるワケです。

この『ニッポンノワール』って作品からは、刑事ドラマに対するリスペクトや愛情が微塵も感じられません。だからまったく笑えない。

同じ枠で冬シーズンに放映された連ドラ『3年A組/今から皆さんは、人質です』と話が繋がってるような仕掛けがあるらしいけど、そんな小手先の話題作りも上滑りしてます。

最終回まで「とんでもないこと」が止まらないそうだけど、そのたびに私の口から出るのは「驚いた」でも「笑った」でもない、「やれやれ……」っていう溜め息だけになりそうです。刑事ドラマの破滅が止まらない。

セクシーショットはレギュラーキャストの立花恵理さんと佐久間由衣さん。共にファッションモデル出身の女優さんです。
 
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『時効警察はじめました』2019

2019-12-23 00:00:07 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2019年の秋シーズン、テレビ朝日系列の金曜深夜「金曜ナイトドラマ」枠で全8話が放映された、テレビ朝日&MMJの制作による人気シリーズ第3弾。スタート直前に『時効警察はじめました 零号』として2時間スペシャルも放映されてます。

シレっとFBIから総武警察署・時効管理課に戻って来た霧山修一朗(オダギリジョー)が、またもや趣味で時効成立済み事件の謎をシレっと解いていきます。

相棒となる交通課婦警=三日月に麻生久美子、時効管理課メンバーにふせえり、江口のりこ、若松 了、刑事課の刑事に豊原功輔、緋田康人、鑑識課員に光石 研、といったお馴染みの顔ぶれに加え、交通課婦警に内藤理沙、田中真琴、鑑識課員に磯村勇斗、そして刑事課の新人刑事で第2ヒロインとなる彩雲に吉岡里帆、といった新レギュラーが加わります。

チャーミングな面々による独特のネアカなノリは健在で、ストーリー自体はよくあるコールドケースの謎解き物でも、全編に隙間なくユーモアが仕込まれてるので退屈はしません。

そのユーモアがウケようがスベろうが、意味が通じようが通じまいがお構いなしの、視聴者に媚びない制作姿勢が魅力で、そこがファンの心を掴んで離さないポイントなのかな?と、続けて観てる内に何となく解って来ました。

主演のオダギリジョーくんがそういうタイプの役者さんだと思うし、シリーズの世界観を創り上げた三木聡さんや園子温さん等も多分そういうクリエイター。深夜枠でこそ本領を発揮する人達ですよね。

それと、意外にミステリーとしてのクオリティーも高いかも知れません。基本はよくある謎解き物って書きましたけど、扱うのは既に時効が成立してる事件であり、だいたい真犯人の目星は最初からついてる。

言わば完全犯罪を成し遂げた知能犯によるトリックを、主人公が見抜いていく過程を見せ場にした『刑事コロンボ』式(倒叙法)の作劇。犯人当てゲームよりもずっとハードルの高いジャンルで、日本での成功例は『古畑任三郎』や『実験刑事トトリ』等、ほんの数本しか思い当たりません。

謎解きの面白さだけじゃなく、いかに魅力的なキャラクターを描けるかが倒叙ドラマの勝負どころで、その点『時効警察』シリーズは成功してると思います。退屈せずに観てられるのは、決して小ネタが笑えるからだけじゃない。

今となっては珍しい1話完結フォーマットで、やれ主人公の秘められた過去だの失われた記憶だのとわざとらしい「謎」設定で引っ張らなくたって、人物を魅力的に描きさえすれば視聴者はついて来るんだって事を、本作が証明してくれてます。

勿論そこにアクティブな描写(チェイス&バトル)が加われば言うこと無しだけど、このシリーズに限っては必要ありません。霧山くんがあくまで趣味でやってる捜査であり、時効済みで犯人を逮捕する必要も無いワケですから。

ボインぼよよん画像は、言わずと知れた本作のWヒロイン、吉岡里帆さんと麻生久美子さん。おっぱい星人な方にはたまらん組み合わせかと思います。
 
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