ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『ぼくたちは戦場で育った』『奇跡の3日片付け』

2016-03-18 16:19:01 | 
『ぼくたちは戦場で育った サラエボ1992-1995』 ヤスミンコ・ハリロビッチ著 角田光代訳 千田善監修 集英社インターナショナル
 1992年から4年間にわたって続いたサラエボ包囲戦は山の上からスナイパーが市民を無差別に殺すという、悲惨な戦争だった。その戦いが終結してから20年、かつては「戦時下の子どもたち」であった人々もいまや30代前後。サラエボ生まれの彼らに向かって、自身も戦時下の子供であった著者が「あなたの戦争体験を160字以内で語ってください」と呼びかけて集まったメッセージで出来た本。
 たった160字だからこそ、伝わるものがある。凝縮された言葉にこめられた思いがある。砲弾の破片で遊び、水汲みをし、国連の配布するランチパックの内容に一喜一憂し、母親のぬくもりを感じ、昨日まで隣にいた友達が亡くなりとリアルな戦時下での体験や思い。戦争で子どもから一足飛びに大人にならざるえなかった子供たち。子供たちは、大人たちのせいで辛い体験をすることになる。子供たちには、普通の子供時代を過ごさせてあげたいものだと思う。子供達が戦争を体験しないように、大人が責任を持って、戦争を阻止しなければならないと思う。

『一生リバウンドしない!奇跡の3日片付け』 石阪京子 講談社
 家全体の片付けが3日で終わる方法を具体的に教えてくれる。
 1日目は、収納スペースをあけるために押し入れやクローゼット。2日目はキッチン、水回り。3日目は、玄関とリビングを片付けるそうだ。私は、3日じゃ無理かなあ。まあ、片付けが嫌いにならないように無理せずに少しずつでも構わないと書いてあるが。こんまりさんはモノから、石阪さんは場所からという違いがあるが、モノを厳選するというところは同じ。(考えると、こんまりさんの厳選の基準がときめきというのは新しかった!)ただ、書いてあることが錯綜している部分があり、やや読みにくい。
 この本の大事な所は、1.自分がどんな暮らしをしたいかを知ること(厳選の基準を作る) 2.家を丸ごと片付けきること(部分片付けはリバウンドの元になるらしい)3.一日15分のリセットできれいをキープということかなと思う。
 私がなるほどと思ったのは、モノの所有ルール。人によってモノを管理する数が違うということ。例えば、フルタイムで働いているか専業主婦か、小さい子を抱えているか否か。忙しい人ほど、管理する数を少なるするほうがよいらしい。具体的に数も明示してあり、タオルならば人数分+2、靴下なら3~5足で傷んだら買い替える。
 実は、私はタイツに困っていた。はこうと思ったら、毛玉だらけとか、つれていたりとか。タンスに入らないほどタイツだらけだった。しかし、定数管理で5足と決め、タイツのバックマークに買った月を記入した。5足だと管理しやすく、毛玉ができてきたなと思ったら捨てて、新しく買うのがスムーズにいく。バックマークに購入月を記入することで、「もう2ケ月も履いたら十分でしょ」と捨てる気持ちをプッシュすることにもなる。来シーズンに残さず、シーズンが終わったら全部捨て、来シーズンになったら新しいのを買おうと思った。
 また、捨てるテレビを玄関ポーチに置いたまま4ケ月。本を読んで、すぐに排出業者に連絡をとった。この本を読むと、片付けよう!と思う。
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『いつかの人質』『いちまき』『プラントハンター西畠清順』『ゆうかんな猫ミランダ』

2016-03-14 21:33:19 | 
 3/12放送「サタデープラス」の録画を見る。長めの髪にパーマをあてている丸ちゃんが好きな私は今の姿がツボ。しかし、血管が若返る春の鎌倉旅でみせた姿は、おなかが ややぽよ~ん・・・。ジャニーズならば、腹筋は割れていてほしいなあ。「世界一簡単なパン教室」の紹介のときに、「パーン」のギャグを丸ちゃんがしてくれる。これを見て、喜んだエイターは多いだろうな。

『いつかの人質』 芦沢央 角川書店
 12年前、誘拐された宮下愛子。愛子は、命に別状なく家に戻ったが、失明してしまう。そして、再び愛子が誘拐された。犯人として12年前の誘拐犯の娘・優奈が浮上する。優奈の夫・礼遠は、失踪した優奈を追うが・・・。
 始めの誘拐の場面から一気に引き込まれて、ページをめくる手が止まらなかった。しかし、細かいところでいろいろ引っかかることがあるし、登場人物の気持ちが理解できない部分がある。それでも、どうなるんだと思って、勢いで読んでしまった。

『いちまき ある家老の娘の物語』 中野翠 新潮社
 亡き父の遺品整理をしていると、曾祖母・みわの遺した手記を見つける。なんと、曾祖母は家老の娘で江戸桜田門外の上屋敷で生まれたという。それがきっかけで、中野翠はルーツ探索の旅に出ることになる。
 「そんなことがあったのだ」と思う。しかし、あちこちへ中野さんの思いがとんでいくので、私には読みにくかった。

『プラントハンター西畠清順 人の心に植物を植える』 NHK取材班編 小学館
 NHKスペシャル「地球を活け花する ~プラントハンター 世界を行く~」の取材記
 やはり、本職が書いているので読みやすい。写真も多いし。

『ゆうかんな猫ミランダ』 エレナー・エスティス作 津森優子訳 エドワード・アーディゾーニ絵
 舞台は古代ローマ。猫のミランダは、蛮族に襲われて火の燃えさかるローマの街をくぐり抜け、何十匹ものみなしごの子猫を連れてコロッセオに逃げ込む。そして、ミランダはライオンと取引をしたり、何十匹の犬と対決したりと大活躍。児童書。
 作者は、『百まいのドレス』『モファットきょうだいシリーズ』のエスティス。絵は、『チムシリーズ』、ファージョンの挿絵で有名なアーディゾーニ。これで、おもしろくないはずがない。ミランダの機転や心配りがすばらしいし、ミランダの娘で甘えん坊のプンカが成長していく姿がいい。私は、ライオンとの取引の場面が好きかな。肝っ玉母さん猫のミランダがすごい!おすすめ!
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「猫まみれ展」「小磯良平作品選Ⅳ」

2016-03-13 22:17:30 | 美術鑑賞
「招き猫亭コレクション 猫まみれ展」 2016年1月22日~3月27日 神戸ゆかりの美術館
 猫がいっぱい。思っていたよりいっぱい。錦絵から、レオナール・フジタ、竹久夢二、フジコ・ヘミング、横尾忠則といろいろな人の描く猫がいっぱい。かわいいのやら、ユーモラスなものから、不気味なものまで、とにかく猫がいっぱい。

●見立東海道五拾三次 岡部 猫石の由来(歌川国芳)  画面いっぱいに化け猫。行燈にも猫の影。手拭いを頭に踊る猫がかわいらしい。
●猫の百面相(歌川国芳)  猫の耳の血管まで描かれており、リアル。猫はこんな表情をするのかな?
●名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣(歌川広重)  構図がおもしろい。外を眺める猫を見て、こういう猫っているよねと思う。
●流行温泉の圖(歌川国利)  着物を脱いで温泉に入る猫が変な感じ。普段は、猫って着物を着ていないから・・・。
●伊万里国芳猫文様豆皿  水の中で泡を吐く猫と日本髪の人魚が描かれた豆皿がおもしろい。猫って水に潜れるの??
●猫二十態より(レオナール・フジタ)  かわいい。
●ジャパニーズ・ボブテイル(高橋弘明)  この猫ちゃんが一番好き。
●猫(杉山寧)  正しい猫の姿だと思う。
●黒猫(斎藤清)  スタイリッシュな猫。
 『ヨイ豊』を読んだばかりなので、豊国や二代目国貞、豊原国周、国芳の錦絵を見ることができて、うれしかった。現代の猫は毛並み重視だが、錦絵の猫は線で描くからか、ひげ重視?目の上のひげがやたらと目立つ。

「小磯良平作品選Ⅳ-油彩-」 2016年2月9日~4月3日 神戸市立小磯記念美術館
 移築した作家のアトリエの窓が高いのが印象的だった。光あふれる明るいアトリエだったのだろうなあ。パレットには、絵の具が山盛り。どうやって描いたのかと思うほど絵の具がモリモリ。椅子は木製のイメージがあったが、キャスター付きの事務用のイスで実用重視だったのだろうと思った。
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『100万分の1回のねこ』『サラバ!』

2016-03-12 20:37:18 | 
『100万分の1回のねこ』 講談社
 佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』に捧げる、人気作家13人による短編集。
 妹から薦められて読んだが、よかった。人気作家13人の短編を読むのだから、読み応えがある。私は、江國香織さん、角田光代さん、町田康さん、井上荒野さんの作品が好き。

『サラバ!』 西加奈子 小学館
 圷歩(あくつあゆむ)は、父の赴任先のイランで生まれ、エジプトで小学校生活を送る。エキセントリックな姉を持つあまり、歩は回りの期待に合わせる受け身の人生を歩む。やがて、両親の離婚、父の出家、母の再婚、姉の行動、歩の薄毛から歩の人生はどんどんと転がり落ちていく。
 直木賞受賞作。友人からは「ふ~ん、こんな世界もあるんだと思って読んだ」とあまり気のりしないような感想。でも、私はおもしろかった。西加奈子さん特有のくすりとしてしむおかしみもある。生きづらさを感じるお姉さんが、紆余曲折の末、芯の通った女性へと成長するのはうれしい。美形に生まれ、モテモテ人生を送る歩が、転落するがもう一度歩き出す姿もうれしい。「他の誰かと比べてはだめ。(中略)あなたはあなたなの。あなたは、あなたでしかないのよ」「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」というお姉さんの言葉がいい。
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「モネ展」「歌川広重の旅」

2016-03-11 14:38:32 | 美術鑑賞
モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで 2016年3月1日~5月8日 京都市美術館 「印象、日の出」は3月21日までの期間限定展示
第一章 家族の肖像
 ルノワールの描いたモネの肖像がある。
第二章 若き日のモネ
 ここには、若き日のモネが描いたカリカチュア(風刺画)がある。こんなの描いていたんだと驚くと同時に、あまりの出来のよさにビックリ。
第三章 収集家としてのモネ
 ドラクロアやロダン、ルノワールの作品がある。私は、モネに風景画を描くように勧めたというブーダンの作品がモノトーンで早描きのようで好き。
第四章 モティーフの狩人
 「オランダのチューリップ畑」「ジヴェルニーの黄色いアイリス畑」が色が美しくて好き。「ポリーの肖像」に、なぜか私は心惹かれた。
特別出展 「印象、日の出」
 一目見て「輝いている!」「浮き上がっている?」と思った。まるでガラスの上に描き、裏から光をあてているよう。なんでも、この作品だけLEDライトをあてていうので、絵が発光しているように見えるらしい。原理はよくわからない。あまりの美しさに偽物じゃないかと思ってしまうほど。朝もやの雰囲気が出ている。不思議な感じのする「印象、日の出」おススメ。
第五章 睡蓮と花 -ジヴェルニーの庭

 看板にもなっている「睡蓮」 水面に映りこんだ回りの風景で広がりを、微妙な水面の色で時間を感じる。見ていると吸い込まれそうな気持になる。この1903年の「睡蓮」と隣に展示している1907年の「睡蓮」が私の一番のお気に入り。
 第六章 最晩年の作品
 白内障のせいか、赤やオレンジの色が多く、荒々しいタッチでぼやけた印象。私の好みではない。モネのパレットや眼鏡も展示してある。眼鏡は、見え方が違うとモネが訴えたので、右と左ではレンズの材質が違う。
 出口に俳優・田辺誠一さんの描いた「モネ in JAPAN」ヘタウマと言われているが、結構うまい・・・
 閉館1時間半前に入ったが結構人がいた。でも、作品の前でじっくり見ることができた。モネは近くで見るより離れて見た方が断然いいと思った。

「生誕二三〇年 歌川広重の旅 平木コレクション 保栄堂版 初摺でたどる東海道五十三次」
2016年2月19日~3月27日 美術館「えき」KYOTO
 実際の絵の前に写真で「ここが見るポイント」と表示しているので、非常に見やすい。見どころを表示してくれないと、小さい部分は見逃してしまいそうになるのでありがたかった。初摺のほかに比較として後摺や変わり図があり、興味深い。初摺は、微妙な色合いを表現しており見事。後摺などは、版がつぶれてくるのか、色が濃いめで、景色を省くところもある。
 しかし、さすがは歌川広重である。
 第一に構図がすばらしい。14原は、富士山の頂が枠からはみ出ており、大きさを表現している。30浜松では、たき火の煙と松が真ん中にあり、大胆に画面を二分。普通だったら、どちらかに寄せると思う。4神奈川では、小舟の連なりや屋根の連なりが本牧の崖へと視線を誘う。11箱根では、真ん中に急峻な峰。横に山道を進む行列が見え隠れし、山越えの困難さを思わせる。
 第二に人物の描写が細かく、時代の風俗が感じられる。21丸子には、茶屋で休む弥次喜多がいる。25金谷では、渡川後の人が旅人を肩車からおろす姿などが手を抜かずに ちまちまと描かれている。36御油では客引きの様子が描かれており、客引きの女が旅人の背負った荷物を無理に引っ張ったので首をしめたようになりグエッとなる旅人がユーモラス。53の草津では4人でかつぐ早駕籠(本当に早く走れたのか?足並みが乱れたら、かえって遅くなると思うが)、54大津の日よけをつけた牛などおもしろい。
 第三に自然描写がうまい。16蒲原の雪景色では、雪の日特有のしんしんとした静けさが感じられる。44四日市では、旅人の合羽のふくらみや転がる笠に風の音が聞こえてきそうだ。46庄野では、竹藪の墨のグラデーションや雨の線で、急に暗くなって降り出した雨という感じがする。
 日本橋
京師(京都)
 「歌川広重の旅」は、かぶりつきでじっくりと見たい。8時までやっているので、遅い時間のほうが、人が少なくゆったりと見られるかも。
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