『未成年』『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』

『未成年』　イアン・マキューアン　村松潔訳　新潮社
　法廷で様々な家族の問題に接する一方、自らの夫婦関係に悩む裁判官フィオーナ。彼女のもとに信仰から白血病治療の輸血を拒む少年の審判が持ち込まれる。聡明だが青年に数か月足りない少年。法と宗教の狭間で言葉を重ねる二人には特別な絆が生まれるが・・・。
　私の好みではない。まず、フィオーナの夫婦の問題が理解できない。しかし、フィオーナの判決やその後の行動は妥当だと思う。でも、その後の出来事を思うと、どうすればよかったのだろうと思う。

『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか　論理思考のシンプルな本質』　津田久資　ダイヤモンド社
　大企業向け指導実績一万人以上の「論理思考」人気講師が語る「ビジネスで勝つための考え方」レッスン
　マーケティングなんて勉強したことがないから、４ＰやらＭＥＣＥやらツリーやら知らないことを知ることができて、おもしろかった。しかも、具体的であり、繰り返しまとめを述べているので、素人の私にも結構わかりやすい。陥りやすい間違いや〇〇するための方法を書いてあるので親切だと思う。
　「『書いている』ときだけ『考えた』と言える」「どんな知識が何に役に立つかわからない。その意味でも、『興味のない情報が強制的に入ってくる環境』を構築するのは意外に大切」」「ビジネスの場面ではベストよりベターを狙う」「『ひとまず情報収集』をやると、プロジェクトは失敗する」「（マッキンゼーの社員は）誰でもわかるような一般的な表現を使う（専門用語や外来語を使わない）」という言葉が特に印象に残った。最後の明治維新の日本の話がおもしろかった。