ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

「モネ展」「歌川広重の旅」

2016-03-11 14:38:32 | 美術鑑賞
モネ展 「印象、日の出」から「睡蓮」まで 2016年3月1日~5月8日 京都市美術館 「印象、日の出」は3月21日までの期間限定展示
第一章 家族の肖像
 ルノワールの描いたモネの肖像がある。
第二章 若き日のモネ
 ここには、若き日のモネが描いたカリカチュア(風刺画)がある。こんなの描いていたんだと驚くと同時に、あまりの出来のよさにビックリ。
第三章 収集家としてのモネ
 ドラクロアやロダン、ルノワールの作品がある。私は、モネに風景画を描くように勧めたというブーダンの作品がモノトーンで早描きのようで好き。
第四章 モティーフの狩人
 「オランダのチューリップ畑」「ジヴェルニーの黄色いアイリス畑」が色が美しくて好き。「ポリーの肖像」に、なぜか私は心惹かれた。
特別出展 「印象、日の出」
 一目見て「輝いている!」「浮き上がっている?」と思った。まるでガラスの上に描き、裏から光をあてているよう。なんでも、この作品だけLEDライトをあてていうので、絵が発光しているように見えるらしい。原理はよくわからない。あまりの美しさに偽物じゃないかと思ってしまうほど。朝もやの雰囲気が出ている。不思議な感じのする「印象、日の出」おススメ。
第五章 睡蓮と花 -ジヴェルニーの庭

 看板にもなっている「睡蓮」 水面に映りこんだ回りの風景で広がりを、微妙な水面の色で時間を感じる。見ていると吸い込まれそうな気持になる。この1903年の「睡蓮」と隣に展示している1907年の「睡蓮」が私の一番のお気に入り。
 第六章 最晩年の作品
 白内障のせいか、赤やオレンジの色が多く、荒々しいタッチでぼやけた印象。私の好みではない。モネのパレットや眼鏡も展示してある。眼鏡は、見え方が違うとモネが訴えたので、右と左ではレンズの材質が違う。
 出口に俳優・田辺誠一さんの描いた「モネ in JAPAN」ヘタウマと言われているが、結構うまい・・・
 閉館1時間半前に入ったが結構人がいた。でも、作品の前でじっくり見ることができた。モネは近くで見るより離れて見た方が断然いいと思った。

「生誕二三〇年 歌川広重の旅 平木コレクション 保栄堂版 初摺でたどる東海道五十三次」
2016年2月19日~3月27日 美術館「えき」KYOTO
 実際の絵の前に写真で「ここが見るポイント」と表示しているので、非常に見やすい。見どころを表示してくれないと、小さい部分は見逃してしまいそうになるのでありがたかった。初摺のほかに比較として後摺や変わり図があり、興味深い。初摺は、微妙な色合いを表現しており見事。後摺などは、版がつぶれてくるのか、色が濃いめで、景色を省くところもある。
 しかし、さすがは歌川広重である。
 第一に構図がすばらしい。14原は、富士山の頂が枠からはみ出ており、大きさを表現している。30浜松では、たき火の煙と松が真ん中にあり、大胆に画面を二分。普通だったら、どちらかに寄せると思う。4神奈川では、小舟の連なりや屋根の連なりが本牧の崖へと視線を誘う。11箱根では、真ん中に急峻な峰。横に山道を進む行列が見え隠れし、山越えの困難さを思わせる。
 第二に人物の描写が細かく、時代の風俗が感じられる。21丸子には、茶屋で休む弥次喜多がいる。25金谷では、渡川後の人が旅人を肩車からおろす姿などが手を抜かずに ちまちまと描かれている。36御油では客引きの様子が描かれており、客引きの女が旅人の背負った荷物を無理に引っ張ったので首をしめたようになりグエッとなる旅人がユーモラス。53の草津では4人でかつぐ早駕籠(本当に早く走れたのか?足並みが乱れたら、かえって遅くなると思うが)、54大津の日よけをつけた牛などおもしろい。
 第三に自然描写がうまい。16蒲原の雪景色では、雪の日特有のしんしんとした静けさが感じられる。44四日市では、旅人の合羽のふくらみや転がる笠に風の音が聞こえてきそうだ。46庄野では、竹藪の墨のグラデーションや雨の線で、急に暗くなって降り出した雨という感じがする。
 日本橋
京師(京都)
 「歌川広重の旅」は、かぶりつきでじっくりと見たい。8時までやっているので、遅い時間のほうが、人が少なくゆったりと見られるかも。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« いちごのお菓子 | トップ | 『100万分の1回のねこ』『サ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術鑑賞」カテゴリの最新記事