ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『リバース』『晴れ女の耳』

2015-12-08 20:27:06 | 
 朝早く起きられなかったので、三日月の船に乗った金星は見られませんでした。でも、転覆しかかった三日月の船から投げ出された金星は見ることができました。薄明るい空でしたが、三日月も金星もクッキリ見えてきれいでした。

『リバース』湊かなえ 講談社
 深瀬和久は平凡を絵に描いたようなサラリーマンで、趣味らしいことといえばコーヒーを飲むことだった。その縁で、越智美穂子という彼女もできてようやく自分の人生にも彩りが添えられる。と思った矢先、『深瀬和久は人殺しだ』という謎の告発文が彼女に送りつけられた。また、あの事件に関わったゼミ仲間にも同様の告発文が送られていることを知る。誰かが、あの事件を蒸し返そうとしているのか?
 確証はないが、なんとなく犯人やキーポイントを感じ取る。その点が最後に見事に線としてつながる。そう来たかと。嫌な感じの本と言う人もいるが、スクールカーストの下位にいた私は、深瀬の気持ちがよくわかる。個人的には『豆の上で眠る』のほうが好きかな。

晴れ女の耳』東直子 角川書店
 和歌山を舞台に昔話のような不思議な感じのする怪談話の短編集。
 私は、こういう静かな語り口の話が結構好き。怪談と言っても、すごく怖いわけではなく、狐や狸に化かされたような感じがする。あの世とこの世の境をふわふわとさまよっているような気がする。短編の中では「イボの神様」がユーモアがあって、優しい気持ちになるので好き。
コメント
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