生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

メタエンジニアの眼シリーズ(109) 「神々の遺伝子」

2019年02月15日 07時00分21秒 | メタエンジニアの眼
メタエンジニアの眼シリーズ(109) TITLE:  「神々の遺伝子」 
                
書籍名;「神々の遺伝子」 [1998] 
著者;アラン・アルフォード 発行所;講談社
発行日;1998.11.26
引用先;文化の文明化のプロセス Converging、



このシリーズは文化の文明化プロセスを考える際に参考にした著作の紹介です。『 』内は引用部分です

この書の副題は、「封印された人類誕生の謎」とあり、人類史の始まりの書として独特の論理が展開されていた。原題は、「Gods of the new Millennium」とあり、著者は、コベントリー大学MBAの会計士で、独学で宇宙考古学を勉強したとある。

 「まえがき」では、現代人の祖先のホモ・サピエンスの出現がどのような進化論でも説明がつかないほどに、突然であったと断言している。話は、そこから始まる。そして、多くの巨大な古代遺跡とシュメル文明の繋がりを解こうとしている。著作の動機は、すべての遺物が現代科学と工学的な技術を駆使すれば、可能であるとの結論を得たためだとしているので、正にメタエンジニアリングの世界に思えてくる。

『この問題を追究し続け、私はついにシッチンの年代記を修正することができた。私の年代記は人類の誕生、神々の到来、聖書に登場する太祖の年代、シュメールの王名表のすべてに合致するものだ。
さらに、私の研究と並行して、遺伝学の分野で大きな進展があり、私は太祖やシュメールの王たちの長命の謎も解明することができた。このような経緯があり、私は本書の出版を決意した。新たな年代記を軸として血の通った神々について書いているうちに、自分でも驚くほど、さまざまな古代の謎を解明することができた。本書でその答えを示すことができるのは嬉しいかぎりだ。 私の結論は間違いなく論議を呼ぶだろう。なぜなら、それは確立された科学的見解に真っ向から挑むものだからだ。本書で示した根拠は科学的な検証に堪えるもので、矛盾点も未解決の問題もいっさ い残していない。』(pp.2)

これは、かなり大見えを切った文章だが、詳しく読むとなるほど会計士が書いたことだけのことはあると思わざるを得ない内容(つまり、論理的に記録を積み上げてゆく)になっている。そこで、シュメルに関する本を4冊ほど立て続けに読んで、最後には、ダーウインの進化論の現状解釈を解説した最新刊の本まで買ってしまった。この書はいわゆる「トンデモ本」に分類されるだろう。しかし、すべてを否定するわけにもいかないので、そこに興味がひかれる。
また、彼は地球の歳差運動に注目をしている。惑星の千年紀単位の運動に関連性を見出したとしている。

まず、ダーウインの進化論を説明し、本人も共同研究者も、人類の誕生は進化論では説明できないと断言していたとしている。
 つまり、旧約聖書の物語は、実際にあったことを何代にもわたって編集された結果であり、事実がなかったということではない、そのために現代アメリカ人の48%が、創世記を信じているというわけである。
 旧約聖書の由来については、次のように述べている。

『創世記と「エヌマエリシュ」
過去一〇〇年間において、六〇〇〇年前の粘土板が何万枚も古代メソポタミアで発掘された。これらの粘土板には、最も初期の文明からの知識が豊富に記されている。そして、それらの文明では、常にさまざまな複数の神々が崇拝されていた。 言語学的な研究から、これらの古代の粘土板(古文書と呼ぶことにする)はシュメールの物語に由来し、その文明が始まった紀元前約三八〇〇年にさかのぼるものだと今日では広く認識されている。
シュメール文明の存在、膨大な量の粘土板の存在、そしてその翻訳に議論の余地はない。 バビロニア(メソポタミア南部の古称)の叙事詩「エヌマエリシュ」では、創世記の神にかわり、マルドウクというバビロニアの全知全能の神が天地を創造したことになっている。創世記と「エヌマエリシュ」は似通っており、どちらかがもう一方に挑んでいるかのようだ。
しかし、それをいうならば、影響を受けたのは間違いなくヘブライ人のほうだ。古代都市バビロンにとらえられている間に、一〇〇〇年以上にもわたりバビロニアで最も神聖な宗教文書であった「エ ヌマエリシュ」を知ったのだ。』(pp.20)
 つまり、シュメル神話は旧約聖書の元になった文書ということを言っている。

 ダーウインの進化論については、現代の専門家の解釈は述べずに、当時の状況を示している。

『人類とサルをつなぐ「ミッシングリンク」は進化論では説明できない
―八五九年二月、チャールズ・ダーウィンはきわめて大胆な説を発表した。それは、すべての生物は自然淘汰により進化したというものだった。人間についてはほとんど触れられていなかったが、もちろん人間も含むものと考えられ、人間の自己認識にそれまでにはなかったような大変革が起こった。こうして人間は突然、神の創造物から、自然淘汰という味気ないメカニズムによって進化したサルに転落した。
しかし、科学者たちは、二本足の人間にも進化論を適用することができただろうか? チャールズ・ダーウィン自身はこの点について奇妙にも口をつぐんでいるが、共同研究者であるアルフレッド・ ウォーレスは
みずからの意見を述べるのにそれほどためらってはいなかった。明らかに、ウォーレスは、人間の進化にはなんらかの介入があったと考えていた。彼は「ある知的存在が人間の発達を指導あるいは決定した」といったのである。』(pp.27)

 通常の進化論に何らかの科学的な外力が加えられると、生命体は変えられる。現代の遺伝子工学の進化した形を想定しているのだ。

『<(種における)大規模な変化は何千万年もかかって起こり、その中でも本当に大規模なもの(大突然変異)は―億年程度かかる〉 しかし、人間はわずか六〇〇万年の間に、一回のみならず、数回の大突然変異の恩恵を受けてきたと考えられているのだ!
化石による根拠がないため、私たちが問題にしているのはきわめて理論的なことだ。しかし、完璧と思われる器官や有機体がゆっくりとした進化のプロセスにより、どのようにつくりだされるのかについて、今日の科学界では多くの有益な説明が行なわれている。 最もすぐれていたものはニルソンとペルガーによる、目の進化のコンピューター ・シミュレーションだった。彼らは単純な光電池から始め、無作為の変異を経させて、カメラアイに至るまでの発達の様子をコンピューターでみごとに示した。その途中の段階では円滑に一定の変化が起こり、進歩があった。』(pp.32)

 そして、「必要以上に高度な脳」、「人類の脳の驚異的な早さでの進化」、「不自然に発達した言語能力」などを例として挙げている。

 更に、世界中で発見された巨大建造物やオーパーツも、現代技術の延長上ですべて可能になるとしている。古代人は、超能力者を「神」としてあがめた。このようなことは、現代でもあちこちで見受けることができる。神は想像されるものではなく、実在するもの(あるいはコト)が年月を経て神になるのだと思う。彼の解釈は、次のようになっている。

『「エヌマエリシュ」の創世神話
神々はどこから来たのだろうか? シュメール人によると、神々は「ニビル」と呼ばれる惑星から地球にやってきたということだ。この惑星に関して彼らが書き残していることは、いわゆる「惑星X」の特徴に完全に一致する。惑星Xとは、現代の天文学者がこの太陽系の中で探している惑星のことだ。惑星Xの軌道は楕円残で、冥王星の軌道をはるかに越えると信じられている(だから、近年においては観測されていないのだ)。 惑星Xの科学的な根拠および現在進行中の調査については、本書中で後述する。まずは、太場系の初期から、私が一万三〇〇〇年前と考えている伝説の洪水に至るまでのその惑星の歴史をたどって、根拠を見ていくことにしよう。

一風変わった資料からニビルあるいは惑星X探しを始めることにしよう。 それは、四〇〇〇年前のバビロニアの古文書で、「エヌマエリシュ」として知られているものだ。―八七六年、大英博物館のジョージ・スミスが、この聖なるバビロニアの叙事詩の翻訳を発表した。 スミスはすでに、聖書の物語と対応する洪水の古文書を翻訳しで国際的に有名になっていたが、「エヌマエリシュ」は同じくらい話題になった。というのは、それは、聖書の創世記一章の短い記述よりずっと詳細な創世神話のように思われたからだ。
しかしながら、一〇〇年の間、「エヌマエリシュ」は神話、つまり宇宙における善と悪の抗争を扱った想像上の物語と軽く考えられていた。 そして、それに基づいて発展したバビロニアの新年の儀式も、同様に意味のない迷信と考えられていた。』(pp.186)

そこから先は、シッチンの惑星X説に準拠しているように思える。軌道の周期が3600年ということは、彼らの100年が、地球では3万6千年ということだ。地球上では、この倍数で大変化が起こっている。
その他、いろいろな面での例証が続いているが、省略して「エピローグ」へ向かうことにする。そこは、このような言葉で始まっている。
 
『本書の主題は、血の通った神々が、二〇万年前に、遺伝子工学を利用し、みずからの姿に似せて人間を創造したということである。かなりの根拠を第一章に挙げ、遺伝子工学による介入があったと考えなければ、人類の発祥の謎を解明することはできないことを示した。その他、本書に書かれていることはすべてそれを詳細に裏づけるものだ。では、私は、二〇万年前に、神々に遺伝子工学を利用する能力があったことを証明できただろうか。
私は、くりかえし、二〇世紀の技術に匹敵する水準の技術があったことを示してきた。つまり、宇宙飛行、超音波機械加工、天文学、その他、今日の水準を超えた技術(巨石をどのように動かしたのか?、)などだ。これらの技術は実際に確認できるものであり、したがって確固たる根拠になる。 この根拠から私は、神々は遺伝学を知っていたと合理的に結論づけた。この結論を支持するものとして、古文書に残されたさまざまな遺伝子操作の記録を引用した。ホルスのクローニング、尋常ではないノアの誕生、ルルをつくりだすための最初の「神女の介入」などだ。また別の面からの裏づけとして、今日さまざまな民族がいるという事実が挙げられた。これは、どんな科学的な説でも解明できていない謎だ。』(pp.389)

原題は、この惑星が太陽に近づくのは、地球上の今回の千年紀にあたるとして、大変化が起こるであろうとしている。次は、この話の前提となった「シッチンの惑星説」についての本を探ってみる。そして、最後に進化論の今も探るつもりだ。