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絵手紙

パソコンによる絵手紙をはじめて・・・

ドラマチック チルドレン (乃南アサ)

2005-07-30 14:36:56 | 読書
様々な問題を抱えた子供を預かる「ピースフルハウス・はぐれ雲」
登校拒否、無断外泊、シンナー・・ひと通りの非行少女恵を中心に
入れ替わりする入所者の人間模様・・・
東奔西走する主宰者川又夫妻の健闘・・・(富山市郊外の実在の施設)
その忍耐力には頭が下がる。
★★★

斎藤家の核弾頭  (篠田節子)

2005-07-25 15:30:59 | 読書
2075年「国家主義カースト制度」により
高度に管理されてニッポン。
政府から理不尽な転居命令を受け続け
ついに抵抗に踏み切った斎藤家・・・
住民たちと核弾頭を作り上げ対決する。

SFだから仕方が無いが、日本政府は此処まで落ちる?
どんな時代になっても人間の本質を見失わない
そんなテーマで語ってほしい。
今ひとつ引きつけるものが無い。
★★★

再生の朝  (乃南アサ)

2005-07-13 13:55:11 | 読書
萩行きの夜行高速バスで深夜、乗務員が殺害され
バスは殺人者とともに、何処とも知れぬ闇の中に放り出される。
台風接近で風雨も激しさを増す中、乗客12人のその時々の
心理、行動が良くえがかれている。
自分がもし乗客の一人だとしたらどんな行動を取るだろう?
などと・・かなり引き込まれる。
恐怖の一夜が明けた朝、彼らの心に・・・
★★★★

玉蘭   (桐野夏生)

2005-07-06 22:51:47 | 読書
恋愛に破れ新天地を求め上海に留学した有子
だが、新しい世界を求めていったはずなのに
そこで質の幽霊に会い、新しい世界など幻想に過ぎない事を知らされる。
日本人同士で固まって暮らす留学生楼の男たちとのかかわりによって
徐々に変わって行く有子・・・
玉蘭の香りのように怪しげに?・・・
★★★

家鳴り(やなり)  篠田節子

2005-07-04 15:48:54 | 読書
7編の短編集。
”幻の穀物危機”東京に大地震が起き安全だと思われた
近辺の県が浸る悲惨さ・・・
人は生きるため其処まで残酷に成るものなのか?
衣食足りて礼節を知る。人間の本質を知る。
”家鳴り”は摂食障害のため限りなく肥満していく妻
その食欲を満たす事に幸せを感じ食事を作る夫
家鳴り・・降り積もった雪の為?肥満の妻のため?
*抑圧された情念が膨れ上がり、過剰な暴力となって
 襲いかかる・・・
★★★★

輪違屋糸里 上・下   (浅田次郎)

2005-06-27 16:27:08 | 読書
輪違屋とは島原傾城の置き屋の名前
糸里は其処の芸子。新撰組の土方に思いをよせる。
しかし土方は芹沢鴨殺害の布石として糸里を利用。
芹沢鴨・お梅・新見錦・平山五郎・・・・
時代の波に翻弄させられた人々の苦悩、孤独が描き出されている。

千年の芸に人並みの愛憎など要らぬ。俗をもてなす芸が、俗であってはならぬ。
さあればこそ人はその芸に感動する。恨みも妬みも、愛する心さえ要らぬ。
芸を修めた身ばかりを矜持とし、其れを授かった恩だけを胸に刻め。
聖なるものを衆俗の愉しみとして分かち与えること。
それだけが島原傾城のつとめ。
糸里の、島原の太夫の誇り高さが窺える。
★★★★

ハルモニア  (篠田節子)

2005-06-17 00:33:48 | 読書
ハルモニアとは宇宙の奏でる調和に満ちた音楽そのものの事。
脳に障害を持つ由希のチェロの指導を頼まれた東野
由希は一度聞いたら自在に再現してみせるが、コピーは芸術ではないと、
自分の音を、彼女自身の音を、魂を、吹き込もうとするが
周りでは不可解な現象がおき始める・・・
音楽家が求める音と、一般大衆が求める音楽のギャップ
ハラハラドキドキ・・・出かける時も持ち歩きチョットの時間でも
ページをめくる。面白さ!
読み終る頃丁度、NHKでチェロの演奏があり思わず聞いてしまいましたが
凡人には、ハルモニアの調べは届きませんでした・・・
★★★★★

神鳥 (イビス)  篠田節子 

2005-06-12 00:33:20 | 読書
夭折した明治の日本画家・河野珠枝の「朱鷺飛来図」。
死の直前に描かれたこの幻想画の、妖しい魅力に魅せられた
女性イラストレーターとバイオレンス作家のコンビが
絵に隠された謎を探り出そうと、佐渡から奥多摩へ。
二人を待ち受けていたのは、時空を超えた怨念の世界。
朱鷺という滅びに瀕した種の怨念と、薄幸の画家。
その情念が生み出した異型の世界。
恐いながらもいっきに読み終わった。
朱鷺が明治には多摩近辺にも居た事を初めて知った。
優しい鳥だったそうだが滅びの怨念・有るかも・・・・
★★★★★



看守眼  (横山秀夫)

2005-06-08 23:41:49 | 読書
看守眼・自伝・口癖・午前5時の侵入者・静かな家・秘書課の男、の短編。
看守眼は、定年をまじかに控え、刑事にはなれなかったが
長年培ってきた看守としての眼で黒と睨んだ男を追う。
日の当たらない人間の屈折した心理・・・
どれもハットさせられ、納得させられる。
★★★★★

ゴサインタン -神の座ー (篠田節子)

2005-05-31 23:41:17 | 読書
題名のゴサインタンとは、ネパール語で「神の住むところ」のこと
しかし、裏側のチベットではシャパンマ、「家畜が死に絶え、麦も枯れる地」
という名前が付いている。
豪農の跡取り結木輝和はネパール人のカルバナと結婚。
妻の奇異な行動で全財産を失う。怒り、悲しみ、恐れ、絶望・・
揺れ動き、さまよいながら失踪した妻を探して辿り着いた場所は
神の山ゴサインタンの麓だった。
 あらゆるものを失って、初めて見えてくるものがあり
 そこに全ての救いと再生がはじまる。
 ネパールの土着の神、原始の信仰というものに驚かされた。
★★★★★