今日の夕食はピザで済ませちゃいました。成り行きで。
韓国にもとりあえずピザはあります。
でもピザといって良いのかどうか。
個人的にピザはクリスピーが真骨頂だと思っております。
いやほとんどの人がそう思っているのではないでしょうか?
し、しかし韓国でクリスピーなピザを食べようとしたら…
かなり探さなくてはならないと思います。
ふわふわ生地が主流で分厚いんです。生地が。
だからどちらかと言うと「ピザ・パン」(まさしく)と言ったほうがあってる。
あーあ。こっちに来てからまともなピザ食べたことありません。
で、最悪なのがここ数年サツマイモを使ったピザが流行ってます。
生地の土手の部分とかにサツマイモ・ペーストが入ってます。
とっても甘いです。
ピザに甘みは必要なのか?
ふわふわ厚手生地に甘い素材が入ってこれはもうピザじゃない!
普通の菓子パンです。
絶対に違う!…とげんこつ握りしめて訴えても誰にも通じない悲しさ。
前に仕事関係でよく一緒になるアメリカ人とピザ屋に行きました。
彼も韓国のピザ事情は良く知っていたのですが、
「もしかしたら」と期待してつい入ってしまうのだそうです。
調度、サツマイモ・ピザが流行りだした頃でした。
よせばいいのに「注文してみよう」と言い出したのです。
私はその時調度、もうふわふわ生地でもいいからトマト・ソースの味と、
サラミ・ソーセージやピーマン、チーズの味を何でもいいから味わってみたい!
と思っていたのでかなり抵抗しました。
結局、彼の好奇心の強さに負けてその「サツマイモ・ピザ」を注文したのですが、
出てきた時すでに見た目で引いてしまいました。
チーズ、サラミ、ピーマンその他ピザの象徴とも言えるそれらの食材が…
食材が…一切乗っかっていなかった!
かつてはプレイン・チーズなどを好んで食していた私にはチーズさえも乗ってない、
その食べ物はもはや衝撃を通り越してピザへの冒涜である!…とまで思いました。
貴様のような小ざかしいヤシがピザを名乗るとは何事か!?
…心の中でそう叫んでいました。
そしてお店のねいちゃんにキッと目を向けて、
「嘘つき!嘘つき!嘘つきー!もう知らないんだからー!」と心の中で叫んでいました。
彼はと言うと落胆した表情の口元がわずかに歪んで、
つぶやくような声で出て来た言葉は「…ぉーまぃがー…」。
頼んじゃったから仕方ない。
で食べ始めたらもう一度、「ぉーまぃがー…」。
甘い!ルノアールのココアのように甘いのです。
でおまけに頼んだのは大判だったりなんかしちゃってました。
よせばいいのにお店に入った時ふたりともおなか空いててノリで頼んじゃったのでした。
余ったらドギー・バッグにして持って帰ればいいし…とか言って。
3分の1ほど食べたところで彼からのコメント。
「ピザじゃない違う食べ物だと思ったら結構いけるよ。」
ふたりで励ましあいながらせっせと食べる食べる…。せっせ、せっせ。
空気を読んでお店のおねいさん、こっちを睨んでる。
言葉の壁を超えるんですよね。こういうのって。
でも…でも、調度4分の3くらい食べ終わったところで…
力尽きました。もはや持ち帰ることなど頭の片隅にもありませんでした。
ふたりが立ち上がった後、
大きなクォーターのピザは寂しそうにお皿の上でじっとしていました。
ちなみに彼はイタリアン・クォーターってもうどうでもいいが。(おしまい)