しかし今、見ると昨日のはすんごい長文ですね。
今日はなるだけ短くしたいと思います。
さてナンだカンだで帰る時間が押し迫って参りますと、
オパヨもさすがに元気がなくなって来ました。
ま、住んでる所も遠いし、
メールなんかもその頃はそんなに大衆化されてなかったし、
この別れが事実上ふたりの終わり(そんな仲か?)だと察してたのでしょう。
電話や手紙で交流を続けるというのは韓国ではなかなか厳しいです。
やはり直に接触するのを好む民族なので。
だから長距離恋愛とかってこの国にはないと思います。
そんな状況になったらどっちかが引っ越しちゃうでしょう。
…或いは別れるか。
勿論、私とオパヨはそんな関係ではなく(向こうは気合十分だったっが)、
彼女も内心、私が無理して付き合ってたのに気付いてましたから、
「ひと秋のロマンス」と頭では理解してたのでしょう。(良かったね、私!)
バンに乗り込んでみんな和気あいあい。
30超えると帰路もまたいいものです。「あー、家に帰れるー」です。
「わー、こののり巻きメチャおいしー!」
「うわ、珍しくネ?」
「へへー!」
みんないい感じです。
友人とも初めて会話を楽しみました。
しかし私の左隣り、窓際席だけは…沈黙の艦隊。
ゆらゆらと黒いオーラを全身から絶え間なく発しながら、
うつむいたり窓の外を見たり…。
誰か話し掛けても黙秘権を行使するだけです。
うわー、しかしあの空気読まなさ加減。すごかった。
いや、正確に言うと読んでたけど自分をコントロール出来なかったんですね。
周囲の状況を気にせず自分の感情に素直になれる。…ある意味徳か。
そんな訳で遂に別れのとき。
バンから降りる私に家族の皆さんが、「じゃあねー!」「またねー!」
「気を付けてー!」と手を振ってご挨拶。
そしてオパヨは、
あたかも喉の手術をして初めて声を出そうとする人の如く、
かろうじて絞り出した末に発した最後の言葉…。
「…電話します」。
もはや笑顔もなにも消えうせてました。
全ての望みを、命の意味を、生きるすべさえも失った廃人の様相でした。
それから数日が過ぎても電話は来ませんでした。
日常の生活に戻り、日々の忙しさに紛れて、
…つか速攻でオパヨとのことは忘れて平穏に暮らしていました。
ただ、時たま街でオパーヨドン候補生を見かけると、
「あの子、今頃何やってるのかな…」と思い出しました。
数年後、私は既婚者となって娘を一人もうけました。
そして久しぶりに友人宅に遊びに行った際に…
いました…。
オパヨです。
腕にはかわいい赤ん坊を抱いていました。
しかし私の姿を見るとにわかに黒オーラを出し始め、
「ォ、オッパ…。…お久しぶりです。」
わずか数秒間で別れたあの時の完全レプリカ完ー成ー!!(゜Д゜;)ウワー!!
ぎこちない態度と会話。…でもその時は小さな赤ん坊が少し和らげてくれました。
前より大丈夫でした。
実はその後もう一度、友人宅で偶然(か?)出会いました。割と最近です。
やっぱり黒オーラを微妙に出されちゃいました。
あの娘にとって私は永遠の黒オーラなんだな、て思ったら、
少し泣けて来ました。(心の中で)
-全完-