日本から遊びに来た友人と食事して感じたこと。
初めて韓国に来た友人にとりあえずはやはりプルコギを楽しんでもらいました。
ま、基本と言えば基本。
で例のごとく最初にダーッと様々なサブ・ディッシュが出て来るのですが、
その時点での友人の感想…。
「こんなに沢山小皿出て来ても同じの一個もないんだね…」
なるほどね…。つまり日本的に言うなら、
「各自に2~3皿づつ出て来た」のかと思った、と言うことです。
あー…そうだよなーそう言えば日本ならそうだよねー。
ふと私までもが日本での感覚を思い出して自然に微笑。
普通、各自に出されますよね…
或いはドンと真ん中に沢山出されたものなら大きな箸とかが添えてあって、
自分の小皿に移して食べますよね。
こっちはみんな一緒に食べるからなー
おかずも何から何まで。
これは友人にはたいそう抵抗があったようで、
特にチゲに至っては一人分くらいのものが4人席の真ん中にひとつだけ置かれる訳で…
不衛生だよね。よく考えると。
口つけたスプーンをおもむろにスープに突っ込むんだし…。
そしてそれをまた別の人が食べる訳だし…。
「おお…その、そっち側のヤツうまそうだな…」
「食べたらいいじゃん」
「い、いや…なんかとりづらくて…」
距離が遠くてとりづらいのではないようです。
隣の席の人の前に腕を伸ばしづらかった、ということです。
彼の右隣には私の妻が位置していました。
そんなに気を使わなくてもいい相手なのに、
彼の理性はそれを拒もうとした訳です。
結局、食の誘惑には勝てず、
というか未知の食材への好奇心が理性に打ち勝って、
「すみませんねー…へへ、ミアナムニダ!」と言いながら箸を伸ばす。
「謝るなよー」
妻は何のことか全く理解せずもとりあえず愛想笑い。
「な、なんか失礼な気がして…」
彼の言葉に私は自分の両親が韓国に初めて来たときのことを思い出しました。
今の彼と全く同じく、家族だけで食事してるのにも関わらず、
自分の前以外の皿に箸を伸ばせずに四苦八苦していた両親を…。
どんなに何度も、
「こっちじゃこうなんだよ」、「全然失礼じゃないよー」と言っても、
「分かっているけど手が出ん…」
習慣とは恐ろしいものです。
もっとも私は当の昔に捨ててしまいましたが。
もし韓国に来ることがありましたら、
食には貪欲になってください。
その国にはその国の礼儀というものがあります。
どこにあろうとも、たとえ人のまん前にあるものであろうとも、
一度食卓にあがったものならナンビトも食する権利があるのです!
いっぱい食べる人は何処へ行っても基本、喜ばれます。
こっちじゃ。
うめーよ!うめーよ、これ!はふはふっ!
と全ての皿に手を伸ばしながら人の分までも食いまくり、
嬉しそうに美味しそうに食べたのならあなたはきっと…
人気者になれるでしょう。きっぱり