浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

刺激

2012-11-09 22:24:41 | 日記
 今日午後畑に行ってサツマイモを掘った。一輪車を押して畑に向かう途中、校外学習をしている小学生の集団にあった。大きな声で挨拶され、同じように大きな声で挨拶を返した。未来の日本を担う人びとである。

 さて、今日『UP』11月号が届いた。出版社は自社が発行する書籍の宣伝をするために、PR誌を発行している。たとえば岩波書店は『図書』、筑摩書房は『ちくま』など。『UP』は東京大学出版会である。

 東京大学出版会は、多くの学術書を発行している。私も必要な本は購入しているが、最近は購入するよりも、できうる限り図書館で借りようとしている。しかし近くの図書館にない場合はやむなく購入することがある。

 今年5月、『岩波映画の1億フレーム』が刊行された。伊藤守氏によるそれを読んだ感想が載せられている。この本、読みたいと思った。静岡県内の図書館には、たった一冊、佐久間図書館が持っている。なぜ佐久間図書館が所有しているかというと、なかに佐久間ダムのDVDがあり、またその映画についていくつかの論攷があるからだ。

 読みたい、しかしこの本は館外貸し出し禁止だという。佐久間図書館に行くのは、遠すぎる。となると買うしかないか。7770円である。さてどうしたものか。

 また国際法学者・最上俊樹氏の「世界の美しさへのまなざし」という文があった。この文に市井三郎の『歴史の進歩とは何か』(岩波新書)からの引用があった。「(歴史の進歩とは)各人が、自分の責任を問われる必要のないことから負わされる苦痛を減らすことである」ーであるが、学生時代だったか、市井の本を読んだとき、ボクもこの箇所に大いに心を動かされた。歴史の進歩に貢献するとするということは、「自分の責任を問われる必要のないことから負わされる苦痛を減らすこと」である、とするなら、たとえばアメリカ軍機による爆撃で傷つき殺されるベトナムの民衆の「苦痛」をなくすために自分は何ができるのか・・・などを考え、ボクは実際、ベトナム戦争反対の運動に参加した。

 またこの文に引用されていた国際法学者のひとり、スイスのアンネ・ペータースの「(法の機能は)弱者を救済することにこそある」に、心動かされた。その通りだと思う。しかし現実の世界では、そうなってはいない。

 また佐藤康宏氏の連載「日本美術史不案内」は毎回とても面白い。今回の「電車の中で読める本は限られている」で紹介された『生老病死の図像学』(筑摩書房)は読んでみようと思う。

 うすい雑誌であるが、この小冊子からもたくさんの刺激を受けることができた。それだけで、今日は良い日だった。サツマイモもたくさん取れたし。

コメント
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