浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

豊かさ

2023-11-25 17:31:27 | メディア

 最近の『週刊金曜日』の記事には、「豊かさ」があると思う。その「豊かさ」とは、怒り、悲しみを抱く現実社会との関わりのなかで、報じなければならないことを、多様な視点から浮き彫りにしようとしているように思われる。

 昨日届いた『週刊金曜日』11月24日号、今までのなかでとりわけ「豊かさ」を感じた。

 その一つは、ガザに対するイスラエルの許すベからざる蛮行の記事である。今、アメリカの支持を得ながら行っている軍事作戦は、ガザからパレスチナ人を一掃するために行われているもので、それはシオニズム運動が当初から企んでいたことであることを明確に記していることだ。ユダヤ人を迫害していた西欧社会が、このイスラエルの蛮行に「寛容」であることの問題性、しかし今イスラエル国家が行っていることは、ナチスドイツがユダヤ人に対して行ったことと相似形であること。だからこそ世界の良識ある人びとが、どこでもイスラエルを批判しているのである。

 もう一つは、古謝美佐子さんが今度出すアルバムのこと、古謝さんへのインタビューもまた「豊かさ」にあふれている。古謝さんのうたそのものが「豊かさ」にあふれているからでもある。よいインタビューである。

 「福田村事件」についてのインタビューもある。私は映画を見ていない。見ていないのはなぜかというと、ベッドシーンがあると聞いたからだ。この事件を描くのにベッドシーンは必要はないだろうと思ったし、見た人からの感想を聞いて、みなくてもよいと判断した。『週刊金曜日』では、この事件について地元で調査をしている市川正廣さんへのインタビューが掲載されていて、市川さんはこの映画に違和感を持っているという。いろいろな意見があってよいが、見た人の評価は概ね良いからこそ、市川さんの意見は重要だ。

 またイギリス人平和活動家のアンジー・ゼルターさんのことが紹介されている。アンジーさんの『非暴力で世界を変えるー活動家という生き方』という本が来年出版されるという。読まなければならないと思う。

 今週号の『週刊金曜日』は多彩な内容で、読み応えがあった。

 

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1 コメント

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Unknown (能天気)
2023-12-03 13:20:11
「福田村事件」見ました。この映画は、事実を元にした、フィクションですね。残虐な行為は、残虐な人が行うのではなくて、普通の人が、何かのスイッチが入った時、残虐な行為を行う。なぜ人は、このような残虐な行為ができるのか?と問うように思います。何故、人はこのような行為にいたってしまうのか。人1人殺せない人が、なぜ多くの普通の人を殺せるのか?人はどのような生き物なのか?という森達也氏の疑問の映画ですね。

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