2012年7月14日(土)
三笠鉄道記念館を出て旧三笠駅跡に整備されたクロフォード公園に向かいます。道路に並行している廃線跡にはレールが残されており<今にも列車が走ってきそうな・・・>と思っていたら、線路の上を車両が走っている!何だと思ったらトロッコ(動力付きモーターカー)です。観光目的で廃線跡を走らせている様です。この区間、公道が線路を横切っていますが、大きな踏切は、鉄道側が一時停止で対応している様です。乗客(運転者)は楽しそうに線路の上を駆けていきます。こればかりは、見ているよりも体験してみる方が断然楽しそうです。とは言え、これ以上の道草は時間的に不可能です。先を急ぎます。
クロフォード公園は、北海道鉄道建設の最初期に活躍したアメリカ人技術者の名を冠した鉄道公園で三笠鉄道記念館の分館と言った位置づけなのですが、実際は駅舎と袴線橋と幾両かの車両が置いてあるだけと言っても良いかと思います。が、このさりげない展示が私的にはぐっとくるものがあります。ここに居る車両は珍しいものは少なく、結構全国的に見られたものばかりです。よって20~30年前の全国的にもよく見られた風景が、再現されています。DD51型機関車の後に続く貨車達のさりげなさに、今では求めても見る事の出来ない風景の儚さを思い知ります。ク リーム色の穀物ホッパ車ホキ2200は現役時代に見たどの車両達より綺麗で輝いていました。黒い採石ホッパは、遠目では現在でもよく見られるホキ800に見えましたが、近寄って見てびっくり!私が1度も目にすることが出来なかったホキ700です。こんなマイナーな貨車を保存しようとするなんて、驚愕です。*危険防止のためか、本来あるべき梯子の段や梯子そのもを撤去してあり、現役車両とはほんの少しイメージ」が違います。そして、奥 にはキハ82系ディーゼル特急の姿が!しかも驚くほど美く、現役と錯覚しそうになるくらいの姿で居ます。国鉄末期からJR発足当初にかけて、私は各地でキハ82系を見てきましたが、ここに今いる程の美しい状態のものは見た事がありませんでした。正直<こんな良い車だったんや・・・>と見なおしてしまいました。保存車両の再塗装は、他所では結構失敗しているものを見ているので、ここの車両達の整備は本当に立派なものだと思います(まだ整備が完了していない車両もあります)。そしてこの美しい車両が1台だけで無くキロ、キシを含む5両編成で保存してある事も特筆ものです。こんな贅沢な展示は、大宮の鉄道博物館や名 古屋のリニア鉄道館でも真似出来ません。小高い丘から眺めれば屋根上の状況も一目了然です。キハ82系の模型をグレードアップしようと思うモデラーはぜひとも足を運ぶべきです。先ほど見た三笠鉄道記念館のキシがおかしな姿に改変されていて憤りましたが、もう1台を美しい状態で保存している以上、先ほどの非難は取り消します。残念なのは先頭車正面の愛称板がなく白地で寂しい事・・・・。<北斗><おおぞら><北海>などのマークがあれば涙を流していたでしょう。間違い無く!とは言え盗難の心配がある以上、無理なお願いでしょうが・・・。そしてそれ以上残念だったのが、 奥の先頭車のパノラミックウインドウが激しく破損していた事。廃車から20年ほど経つ車両の補修部品が果たして あるのでしょうか・・・。