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しょぼい毎日

いつも理想はでっかいが、結果はしょぼい・・・。そんな日常を綴ってみました

みちのく家族旅行(3)鉄分補給&日本感動編

2007-10-26 23:35:53 | 旅行記

花巻温泉郷、志度平温泉の巨大ホテルで一泊

私的には、大きいホテルは少し苦手です。規模が大きくなると湯の循環・消毒が程度の差はあれ、避けて通れません。私は、浴槽はしょぼくても泉質がよければ、Goodなのですが、父は見た目と規模重視です。今回の旅はその意味では親孝行になっているのでしょうが、私は多少不満が積もります・・・・。それにしても大きなホテルは、とにかく浴槽の数が多いです。風呂に一つずつ入っていくだけでも大変・・・・。疲れが溜まります。

そうは言っても3日目もスタートします。

10月23日(火)

車を遠野方面に向け、走らせます。

Img_1406ビタミンじゃなくて鉄分を少し補給

宮守の道の駅で休憩

Img_1410来た道を振り返ると、観光ポスターやテレビのロケで見たことのあるJR釜石線のアーチ橋が見えています。カメラを構えると、ほとんど間を置かずに上り列車が通過していきます。道の駅で売っていたリンゴジュースも先ほどのアーチ橋と国鉄色急行型気動車が描かれておりビタミンと鉄分を少し補給。今回の旅行ではこれが最後の鉄分補給かと思っておりました・・・

そして鉄分大量補給

国道107号線白石トンネルを出ると、やがて進行方向左側からきた線路と併走します。岩手開発鉄道*です。ついつい視線がそちらに行ってしまいます。と、前方から工場から上がってきた、青い凸型機関車にひかれた鉱石列車とすれ違いました。もう、それを見てしまった以上、我慢できません!車を止め、同乗の両親にお願いします。「ちょっと寄り道させてもらって、いい・・・。」山道で突然そんなことを言われて、両親は明らかに戸惑っています。が、思い切って言ってみるもので、意外と簡単に寄り道の許可をもらい、車を反転させ鉱石列車を追いかけます。岩手石橋駅まで鉱石列車を追いかけますが、すでにスイッチバックの引き上げ線に入り待機状態。駅前の空き地に車を止め両親に「15分したら帰って着るから、待ってて下さい」(なぜか丁寧語でお願い)とカメラ片手で構内へ。信号操作のために待機中の職員さんに、おそるおそる「あのー、少しの間だけ列車の写真を撮らせて貰えませんか?」と話しかけると、にっこりと「いいですよ」との返事が返ってきました。

もうそれからは、撮影Timeのスタート!ゲートを出た競走馬のように、ひたすらにシャッターを押し続けます。列車はゆっくりと青い機関車に押されて巨大な積み込み施設に貨車を押し込んでいきます。私にとっては、まさに至福の光景です。

Img_1422Img_1442Img_1438が、後ろの方から視線を感じました。遠くの方から両親が私が撮影に熱中する様を呆然と眺めています。今まで両親にはほとんど見せたことの無い、鉄ちゃん姿・・・

≪恥ずかしぃー!恥ずかしすぎる!この姿≫と一瞬、写真を撮る事をためらいました。自分の子供がいい歳をしてこの醜態・・・・。きっと複雑な思いを抱いているに違いない。でも、私はすぐにこの考えを振り切りって撮影を続行します。≪許して下さい!父よ、母よ!でも撮りたいんです!この光景、この列車≫と心の中で両親に手を合わせて謝ります。そのような心の葛藤はありましたが、岩手石橋の採石の積み込み作業に立ち会えて、本当に幸せでした。

岩手開発鉄道とは、山間部の鉱山に隣接する岩手石橋と沿岸部のセメント工場のある赤崎まで石灰石を運ぶ貨物専用鉄道です。貨物専用なので当然時刻表にも載っていません。 かつては旅客列車も運行していましたし、貨物列車もなんと24時間体制で走っていました。現在は、日中のみ運行されているようです。

盛の料理店でしばし休息

今日に限っては、蕎麦Img_1460でなく海鮮料理の昼飯

なかなか料理が出てこず、これなら対岸の赤崎駅を見に行けたのにと、考えたりもしましたが、これ以上両親にマニアぶりを見せるのは得策でないと判断し、ひたすら魚に舌鼓を打ちます。

ひさしぶりにディスカバーじゃぱん

私自身、国内では沖縄(含む島嶼部)以外ほとんどの場所に行っており、もはや本土の景色で感動することもあるまいと思っていました・・・・。が、それは大間違いでした。いや。本当に世間知らずの、こどもみたいな思い上がりでした。本日最後の訪問先の碁石海岸は良かった・・。実にすばらしかった

駐車場から、人気の無い松林の中の小道をしばらく上ると、どーんと波の音が聞こえてきます。音の聞こえてくる柵の向こうの光景に、思わず息を呑みます!ほとんど風と雲がない暖かい日差しの下、海面が岩場近くで突然大きくせり上がり、巨大な水の塊になってほとんど垂直に起立している岩にぶち当たって行きます。その瞬間、洞窟状の穴の開いた岩から間欠泉のようにしぶきが垂直に上がっていきます。これこそ、テレビの2時間サスペンス劇場のラストシーンに出てくる景色です(私的には・・・)!主人公が断崖絶壁で真犯人と対峙し、「犯人はあなたね!」と名指ししたばっかりに逆ギレした犯人に反対に追いつめられる場面にぴったり!でもここでそれをやったら警察が来る前に犯人に突き落とされるなーと思いながら感動していました。期待していなかった大衆食堂で絶品料理が出てきた感じ・・・・。

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穴通磯(あなとおしいそ)と呼ばれる2連続(ひょっとしたら三連続か?)洞窟付き奇岩に感動!


みちのく家族旅行(2)

2007-10-25 23:21:08 | 旅行記

10月22日(月)

天童温泉で一泊して翌朝は、父のリクエストで急遽<銀山温泉>に向かいます。

父は、ガイドブックであらかじめチェックしていた、眺めの良い露天風呂に入浴出来て大満足のよう。その後大正チックな温泉街に出かけます。旅番組そのままの風景に感動(興奮)したのか、「写真を撮ってくる!」と宣言して、車から降りたまま、なかなか帰ってきません。自らの欲求に忠実な人です。

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その後も父のリクエストで赤倉温泉へ。

何かにとりつかれたように温泉に入りまくります。

あべ旅館の岩風呂は足下湧出温泉で、なぜか浴室を見下ろすギリシャ風裸婦像と相まって味がありました。飲泉所もあり、泉質はGooImg_1373Img_1375_3Img_1378d!

本日のお昼も、そば・・・・

車は、JR陸羽東線に沿って宮城方面へとひた走ります。古川ICにて東北道に入りひたすら北上して岩手県平泉へ。今回の旅行のきっかけは、中尊寺に行ってみたいという父の希望がありました。少し前に父がレンタルビデオ店で藤原家三代の栄枯を描いた一昔前のNHK大河ドラマ「炎立つ」を借りて、影響を受けたことが理由です。当初は私も中尊寺を参詣するつもりでしたが、昨日から運転のしずめで、両親が参拝している間、休憩させて欲しいと申し出ました。父は、せっかく来たのだからつき合えと鬼のような事を言いますが、何とか言いくるめて、しばし車内で休憩する事に・・・。

 すぐそばに東北線が走っている事に気が付きました。今回の旅では、鉄分を封印するつもりでしたが、せっかくの遠出です。少しくらいは自分のやりたいことをしても良いかと思い、撮影出来る場所を探して、線路端をさまよいます。カメラを構え列車が来るのを待ちます

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一時間弱の待機で金太郎(EH500牽引)貨物2本をキャッチ

すこし心のもやもや解消です。でもED75がきたら驚喜するところなんですが・・・。

みちのくがまん旅は続きます・・・


みちのく家族旅行(1)

2007-10-24 23:17:59 | 旅行記

10月21日(日)

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一週間の休暇を取得できました。両親を連れて東北を廻る事になりました。七時に徳島の自宅を出発し、淡路島を通って伊丹空港へ。そこで、車を預けて山形空港に向かいます。CRJETという小さな飛行機です。初めて乗る機体で、機内はマイクロバスの様に狭い!

Img_1310今回の旅は父親のリクエストに出来るだけ応えるべくスケジュールを組んでいます。と言うか東北での一切のスケジュールは父がほとんど取り仕切っています。私はただひたすらハンドルを握って父とカーナビの指示に従うだけです。ひたすら忍従の旅のスタートであります。

空港でレンタカーを借りていざ出発!空港からほど近い天童市内の蕎麦屋で昼飯を取ります。つなぎを一切使っていない創業200年以上の老舗でしたが、両親のお口には合わなかった様です。のっけから不満の嵐。徳島のそばと食感が違いすぎるからとのこと。

気を取り直して立石寺に向かいます。JR仙山線の車窓からは何度も山の上まで続く境内を見てきましたが、実際にお参りするのは初めてです。両親は下の方の根本中堂のあたりを散策するとのことでお寺の入り口で分かれて、ひとり山上を目指します。境内に入ると

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年老いた猫が迎えてくれました。がこちらが何を言っても反応が無い。どうやら耳が遠いみたいで・・・。

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ここは、奥の細道の「閑さや岩にしみ入蝉の声」の句が読まれたことで知られています。当然の事ながら松尾芭蕉と門人河合曾良の像が並んで立っています。曾良の像は初めてです。私的には、師匠より曾良の像の方が珍しくて貴重に思えるのですが、世間の多くの方は、知名度の高い師匠の像に群がり、国民的有名人の前・横・後ろに立って絶えることなく記念写真を撮っています。若い女の人なんかは俳聖の肩に首を回してはしゃいでいます。

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曾良「おい、そこの娘さん。師匠に気安く触るんじゃない!でもちょっぴり羨ましい・・・」とでも言っている様に思えました。 

長い石段を登りきると奥の院に到達します。秋の深まる山々と遙かに下界が見下ろせます。800段の石段を登ると煩悩が消えていくと案内板に書かれていましたが・・・・・。私の脳裏には「せっかく遠くまで来たのに、鉄道写真のひとつも撮りたいものだ!撮らせてくれい・・・」という思いがその時浮かんでおりました。煩悩満タンであります・・・・。

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東海道鈍行紀行(2)なつかし3連発の静岡県

2007-10-05 23:33:21 | 旅行記

9月23日(日)

なつかし3連発の静岡県

なつかし1発目 5年ぶりの再会

三河安城の東横インを8時過ぎに出ます。今日は、浜松市在住の大学鉄研同期でかつ下宿先の隣人であったE上氏の案内で静岡西部を車で案内してもらうことになりました。浜松駅の1駅西寄りの高塚駅で合流します。5年ぶりでしょうか。まず最初は御前崎へ。鉄研OBと言うものの、E上氏は大学在籍中に国鉄完乗を成し遂げたのち、鉄道に対して全く興味を無くしています。今回は足を洗ったE氏に迷惑を掛けない為に、非鉄のドライブにしようと心に決めていました。

なつかし2発目 給食の思いで・・・

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御前崎が静岡県最南端であることを初めて知りました。伊豆半島の石廊崎の方が南と信じていました。ひとつ物知りになりました。でも御前崎には申し訳ありませんが、それだけのスポットでありました。失礼この上無いですが・・・。

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昼飯時になりました。E上氏の案内で以前から行きたかった御前崎市の「学校へ行こう」という名の給食を出してくれる店に行きます。E上氏はソフト麺とオムレツを。私は揚げパン、鯨のオーロラソースあえ、ちくわの磯辺あげ、ゴーヤ炒めを注文。おいしかったです。でも、自分の中で思い出の味を美化しすぎていた様で、「あの時の味って、こんなものだったっけ?」というのも正直ありました。これは、年代や地域によって給食のメニューや味付けが少しづつ違っている事も理由のひとつだと思うのですが・・・・。

なつかし3発目 温泉より・・・・!

 お腹も膨れたことだし、今度は「温泉だ!」とばかり、進路を北にとり大井川沿いの川根温泉を目指します。道中、E上氏が「大井川鉄道の写真、撮りたいのと違うか?」と私に聞いてきます。私は、「いいや、昔と違って熱意も冷めてるし・・・。気を遣わないで!」と返事しました。そうこうするうちに、川根温泉へ。ナトリウムー塩化物温泉です。館内の掲示には、これでもかと言うくらい源泉掛け流しを強調しています。実際効きそう。でも、良質温泉につきものの飲用コップがありません。これについては、成分のフッ素濃度が基準を大幅に超えているため、保健所の許可がおりないという、表示がありました。それほど濃いと言うことの様です。浴槽内は、何度も来ているE上氏でさえ驚くほどのお客さんでいっぱい。だいぶ窮屈さを感じます。それでも露天風呂で手足を伸ばしていると、遠くの方から汽笛が聞こえてきました。身を乗り出すと、意外と静かにSL列車が目の前の鉄橋を渡っていきます。映画のワンシーンのようにゆっくりと、なつかしい光景が繰り広げられています。(実際は、物心ついた時にはSLは引退してましたが・・・)非力なC12形蒸気機関車が引っ張ってると思えないほど、多い数の客車を引き連れています。よく見ると、最後尾に機関車が連結され後押ししていました。このような魅力的なシーンを見せられては、血が騒がざるおえません!E上氏に「いまから撮影行動に入るので、今すぐ風呂から上がる。君はゆっくり休憩してくれ。では・・・」とひとり温泉を後にしました。

早速、大井川の河原に出て、次の列車をねらいます。もう戦闘モードにスイッチが切り替わっています。        

059068元近鉄特急の登場

そして、本日最終のSLが通過します。県道沿いのSLが見える丘公園から俯瞰します。

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撮影し終えると、E上氏は「ほなけんは、昔と少しも変わっていないなあ・・・」とつぶやき、あきれた表情を浮かべていました。今日はE上氏には、本当にわがままを聞いて頂きました。スペシャル・サンクスであります。


東海道鈍行紀行(1)しょぼい美術館訪問記

2007-10-02 23:49:06 | 旅行記

9月22日(土)

しょぼい美術館訪問記

以前から行こう行こうと思っていた「フィアデルフィア美術館展」ももう24日で終わり・・・。少々無理をしてでも行っておきたい!

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と言うわけで、22日の昼前に徳島を出て、神戸経由でJR京都駅前に降り立ったのが午後3時。バス乗り場を捜すのが手間取り、5系統のバスに乗れたのが3時半。そして混み合う河原町を経由して、平安神宮にほど近い「京都会館美術館前」バス停に着いたのが4時20分。5時の閉館まで、あと40分間で77ある今回の展示作品を鑑賞しなければならない。もう、次は無いのだから・・・。1作品あたり2分足らずで観ていく計算になり、素早い行動が必要である!少々悲壮な決意で美術館のエントランスに入っていく。

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展示作品は選りすぐられたものばかりで、駆け足で鑑賞するのは勿体ないものばかりであるが、割り切る他無い。

Img_1209  ただ、お気に入りの作者の作品の前では、なかなか立ち去る事が出来ない。セザンヌやモネ、ルノワールは無論であったが、アンリ・ルソーの「陽気な道化たち」(左写真 売店で購入したミュージアムグッズより)の前からは立ち去りがたかった。この人の絵は、小学校の教科書に載っていた「眠れるジプシー女」を観て以来、心を引かれ続けてきた。幻想的で観るものの想像力をかき立ててくれる。この作者の生前は、素人画家と嘲笑されたとあるが、嘲笑した人の名前は忘れられてもアンリ・ルソーの諸作品は今でも特別なポジションを占めている。自分は、絵そのもの他にこういった来歴を好む傾向があるようだ。

少ない鑑賞時間であったが、念願が叶い多少の充実感もある。

さて、これから東海道線を東上して、今夜の宿泊地三河安城に向かう。切符は浜松まで買ってある。