まずは邪魔になるチェーンを外す。コネクティングピンというか駒が付いているのでマイナスドライバーで簡単に外せた。ほこりにまみれて汚れているが,錆びていないのでクリーニングすれば使用できそうである。
次にハンドルを引き抜いてみた。あらー,やっぱり錆びだらけ。でもクリーニングすれば大丈夫。
お次はクランクを外し,ボトムブラケットを開けてみた。グリースがほとんど残っておらず鉄錆ともグリースの残骸とも知れない茶色の物質に覆われている。ここから段々怖くなる。
左わん,ロックリング,ボトムブラケット軸,ベアリングを取り出す。不思議なことにリテーナー(ベアリングを保持している輪っか)から外れるはずのないベアリングがぼろぼろと外れるではないか。
ベアリングを綺麗にしてみた。ベアリングの表面はあばた状に傷んでいる。驚いたことに1個は3分の1ほど欠けて(すり減って)いる。
ボトムブラケット軸を見てみる。こちらもベアリングが当たる部分が虫食い状に傷んでいる。
リテーナーからベアリングが外れてしまった原因を考えてみた。ベアリングがすり減ってしまった。あるいはリテーナーの爪が広がってベアリングを保持できなくなった。一番良いのはリテーナーごとベアリングを交換することだが,すぐには手に入らない。
とりあえずベアリングをはめてBB軸とあわせてみた(注:実際の取り付け方向とは逆である)。
すると,ベアリングではなくリテーナーの爪がBB軸に当たっていることが判明した。写真でわかるとおりベアリングが浮いている。
代替部品がすぐに手に入らないので,次善の策を考えた。ひらめく。リテーナーの爪を内側に曲げてやればよいのである。きつくしすぎるとベアリングが回らない。かといって緩いとBB軸に爪が当たりベアリングも落ちてしまう。何度か調整しできあがった。ベアリングがちゃんとBB軸に当たっている。クランク付近はこれでよしとしよう。3分の1ほどすり減ったベアリングも交換しないままむりやりはめこんだけど,大丈夫だろうか?
最後に(唐突に最後である)後輪のハブ軸ベアリングを見てみる。詳細に見るとさきほどと同様に怖くなるのでさらっと見るだけにした。でも内装3段変速機部分まで開けてしまった。複雑な仕組みである。黒い専用グリースに包まれている。専用グリースがないので,色だけは似ているモリブテングリースを補充して早々にナットを締める。前輪ハブは内装ダイナモが入っていて複雑そうなので開けるのを断念した。
何年も駆動系のメンテナンスをしないとベアリングもすり減り大変なことになることを実感した。
次回はいよいよ完成報告。BBの様子は気になるが,あと4年ほど動けば良い。手に入れられる交換部品を組み付けてとりあえず完成を目指す。