武本比登志の端布画布(はぎれキャンヴァス)

ポルトガルに住んで感じた事などを文章にしています。

122. イエスの馬小屋 Presepio

2014-12-31 | 独言(ひとりごと)

 一昨年のクリスマス(2013年)は久しぶり(23年ぶり)に日本で過ごしたが、このところ毎年はアルブフェイラのホテルで過ごすことが多くなっている。

 アルブフェイラはポルトガルの南に位置し、夏場はリスボンあたりからはもちろん、イギリスやフランスなどからも大勢が押し駆ける海水浴場で1級?のリゾート地。

 昔はひっそりとした寒漁村だったのが、今は大小無数のリゾートホテルが建ち並び、リゾート客目当てのアメリカ風バー、ディスコ、アイリッシュパブ、果てはフィッシュ・アンド・チップスの店まで開店し、夜はラスベガス?なみのネオンが煌く通りも出現する。

 夏のフェリアス(ヴァカンス)にはポルトガルの政治家、財界人、芸能人などもこぞってアルブフェイラに集結し、秘密会合?なども行なわれ、テレビ局もスタッフ一同移動、アルブフェイラからの中継。

 そんなリゾート地も冬場には比較的ひっそり。冬場でもイギリスやドイツあたりから老人リゾート客がパックツアーで大挙訪れるが、夏場に比べるとほんの僅か、全てのホテルの客室が埋まることはない。それで閉めてしまうホテルも続出するが、閉めるには忍びない、と安売り競争。3星や4星ホテルが朝食付き1泊2人で20~38ユーロ。簡易キッチンの備わっている部屋も。部屋はビーチに面し、ベランダに出るとカモメの声、打ち寄せる波の音、そして大西洋へ沈む夕日が美しい。

これは夕陽ではなく日の出。ホテルのベランダから。

 イギリスあたりからのリゾート客は水着になり、日焼けしていない真っ白な肌を露に日光浴。2014年12月24日、2人の子供が泳いでいたのには驚き。天気は良いと言へども海水は氷水ほどの冷たさ。

砂浜に制作中のプレゼピオ。

 三人の男女が競い合って砂城作り。

 夕陽が落ち夕食(2食付4星ホテル2人1泊58ユーロ)も済ませた後、町に出てみると広場にはクリスマスイルミネーション。

 お正月早々、クリスマスの話。何と蛍光灯的話題。(古い言いまわし?)

 日本では12月25日も夜になるとクリスマスケーキの投売りが始まり、クリスマスツリーも早々と片付けられ、お正月飾りに衣替え、などと慌しく、文字通り先生も走り出す師走。

砂浜に制作中のクリスマスツリー。2014年12月23日。

 一方ポルトガルではクリスマスケーキ(ボーロ・レイ)など1年中売られているし、クリスマスは静かに、など昔の話。ポルトガルのクリスマス商戦など日本以上?テレビでは11月初旬からクリスマスソング。先日はサンタクロースの赤い帽子を被った200台ものバイク軍団が我家の前をクラクションを鳴らしながら爆走。お巡りさんもバイクのヘルメット着用義務に大目を見ているのか?いやはや。

 そしてポルトガル(ヨーロッパ)のクリスマスは1月6日のエピファニアEpifania(公現祭=東方三博士の礼拝日?)まで続くのです。クリスマスツリーもそのまま、イルミネーションもそのまま、クリスマスリース(ドア飾り)もそのまま。

 クリスマス飾りといえば「プレゼピオ Presepio」。

 ポルトガルの各町々、村々の礼拝堂はプレゼピオ飾り。

 まあ日本ではお雛様飾りの様なものでしょうが、人形が動く仕掛けになっていたり、最近はLEDのイルミネーションを取り付けたりと、楽しませてくれます。その中心にキリスト誕生の「馬小屋」

ドライブインのプレゼピオ。12月23日なのでイエスはまだ誕生していない。

 ところが今年のセトゥーバルの礼拝堂はプレゼピオなし。以前には毎年、箱庭のプレゼピオで楽しませてくれていたのが、作る人がいなくなったのか淋しいかぎり。セトゥーバルの中心、ボカージュ広場のクリスマスツリーといえば、古タイヤにペンキを塗り、大きいのから順番に重ねただけ。メルカドのツリーもジュースの空きパックの再利用。

ジュースの空きパックで作られたメルカド(公設市場)のクリスマスツリー。

 プレゼピオも古雑誌などの再利用。ごみのリサイクルを喚起する呼びかけにもなっているのかも知れないが、異教徒の僕から見ても「キリストさんを冒涜しているのじゃないの。」と言いたいくらい。

古雑誌などを再利用し作られたメルカドのプレゼピオ。

 まあ、宗教色が薄れているのは良いことかもしれませんが。VIT

 

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