紳士・淑女の昔物語・・・蕪の女(その4)
拙者思う・・・
単なる男の過去の性の衝動を大声で喋る、軽薄な今昔物語はこれだけで十分面白い。
若い時この話を単なる面白い話と思っていた。
しかし、中年になり、今昔物語の註釈本を読むと、この話は親子の縁の不思議さを語っている。
この男、蕪の女、そして男の子。
この男の子・・・この子は大きくなって信じられない異能により、世界を支配する。
どんな世界であるかは、古今物語は、何も教えていない。
しかし、世界中のあちらこちらで、似たような話が存在している。
この男の子は神、神仙、宗教者、国王など聖なる存在になる話。
聖なる存在になった立場から父と母を物語るのである。
解説は時により、話を面白くもするが、面白味を半減させてしまう。
拙者の場合、この話に限り、「最近は」解説なしで読んだ方が面白いと思う。
下手な解説をして皆さんの面白味は如何なりましたか。
今昔物語も奥が深のです。