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B級会社員のOFF日記(現在無職です)

尻毛助左衛門と尻毛又丸の珍道中の日記を公開しています。

定年サラリーマンのOFF日記もあります。

骨折入院日記 其の八十九 自宅で入浴は真剣リハビリ

2018-06-06 23:04:33 | 骨折入院日記

平成30年5月29日

退院の日である。

A療法士が 最後のリハビリをしてくれた。お礼を申しあげた。

A看護婦は 退院に際して 特にお世話になった。お礼を申しあげた。

 

建設会社のWさんに 車で荷物の運搬をお願いした。お礼を申しあげた。

 

心配であった 玄関の段差は 難なく 昇れた。

手すりのない トイレも へっちゃら。

 

自宅の風呂は工夫が必要だ。松葉杖を二本 浴室に入れる。

拙者の家はリハビリ施設のような椅子はない。

この小さな椅子に腰を落とすには 注意が必要。

一本の松葉杖を浴室に入れて 

斜めに立てて、座ること 立つことの 介助とする。

ゆっくり小さな桶に 尻毛の尻を 導く。

小さな桶に乗って 始めて安心である。

石鹸で体を洗い 痒いことろまで 洗えた。

シャワーで石鹸を流せば いよいよ入浴。

 

浴槽に手すりはないため 浴槽にもう一本の松葉杖を渡す。

浴槽に溺死することは ないだろうが 

念のため 湯が少なめの状態で右足を入れ

松葉杖を支えにして 腰を落とす。

浴槽にお尻が降りてから 湯を適量まで 入れ足す。

 

湯船から出るときは 浮力が働くので 容易いが

慌てては いけない。拙者の浴室にはリハビリ用の椅子はなし。

バランスよく両足を踏ん張って 右の痛い手足を入れてから

左の手足に移る。

二本の松葉杖をお脇に抱えて 浴室を出ると

安心した顔を見せることができた。

 

 (続く)


骨折入院日記 其の八十八 明日は退院だ

2018-06-06 15:58:08 | 骨折入院日記

平成30年5月28日 月曜日

明日は退院である。

お世話になった山田病院と松葉杖に別れを告げなければならない。

松葉杖をレンタルする。

レンタルの申込書をもらうが、料金は銀行口座の引き落としになっている。

「申込書は ご自宅に帰られてからで 十分ですよ。」と言われるが

銀行印は二階の引き出しにある。

 

拙者はとても二階へ上れない。母も二階に上れない。

又丸は現在 家に居ない。

誰かに頼むことになる。

 

先週から 月、水、金曜日は入浴日である。

本日は月曜日、入浴=リハビリである。

午後3時から一時間。一人で入浴する。

3時半頃 外から 

「尻毛さん! 大丈夫ですか!」と看護婦さんの声。

念のため 拙者に声をかけているのである。

「背中を洗ってください。」と冗談話をしようと思ったが

「ありがとうございます。大丈夫です。」と返事する。

 

夕食後 荷物の整理をする。

日記を読み返す。

昨年の5月28日は日曜日で

こもよ氏と旧東海道を藤川宿から赤坂宿へ歩いている。

 

当たり前に 歩いていることが

今はとても難しくなっている。

来年の今頃はどうなっているだろう。

 

(続く)

 

 

 

 


骨折入院日記 其の八十七 不眠は続いている

2018-06-05 20:02:11 | 骨折入院日記

平成30年5月27日

昨夜も眠ることができなかった。

入眠剤を服用しても。

アロマの香りに落ち着いても。

 

病院の夜は大変である。

遠くの部屋から何回も看護婦を呼ぶ声が聞こえる。

「おばちゃん!! 助けて!!」

夜間の看護婦さんは少ない。

拙者なら「若い(又は綺麗な)看護婦さん! 助けてください。」と呼ぶだろう。

看護婦も人の子である。

看護婦さんは おばちゃんではなく、みなさん若い。

「若い(又は綺麗な)看護婦さん・・・」と呼ばれれば 

気持ち良く 走って行くだろう。

 

同室のOさんは 今夜も 痰で苦しんでいる。

「かあ~ かあ~ かあ~」と奥さんを呼んでいる。

「夜だから 奥さんは いらっしゃいませんよ。」と拙者が言っても

「かあ~ かあ~」である。

拙者はナース・センターへ行き、痰の吸引をお願いする。

痰の吸引が済むと Oさんは静かになった。

 

看護婦さんの携帯に別のコールが入る。

「どうされましたか?。少しお待ちください。」

看護婦さんは 直ぐに 別の病室へ行く。

 

暫くして 病室は静かになった。

すると看護婦さんの楽しそうな笑い声が聞こえる。

拙者は時計を見る・・・午前三時半。

同室のOさんは 気持ちよく 寝ている。

拙者の目は覚めて 朝まで 眠れそうにない。

 

静かだった廊下に

「お~い お~い」

看護婦を呼ぶ無慈悲な声が聞こえる。

すると看護婦さんは廊下を走って行く。

五分後 ナースセンターに戻る足音は疲れていた。

 

拙者も眠ることが 出来ず 疲れている。

入院生活にも 疲れた。

 

(続く)

 

 

 

 

 

 

 


骨折入院日記 其の八十六 ちいさこべ

2018-06-04 21:45:52 | 骨折入院日記

平成30年5月26日

拙者は病室でテレビは余り見ない。

ニュースはネットのラジオで十分である。

同室のOさんは 寝ている・休んでいる時間が多い。

 

おじいさんは ニュースにも関心はない。

拙者も少しずつ ニュースへの関心もなくなってきた。

 

NHKラジオでは「朗読の時間」という番組がある。

らじるらじるでは 聞き逃した番組を聴くことも可能である。

 

拙者は何気なく聴いていた。

山本周五郎「ちいさこべ」である。

大工の若い棟梁が 江戸の火事で孤児を育てるという話。

 

拙者はOさんの目が変わったことに気づく。

「おじいちゃん、この話面白いですか?」と聞くと

返事はないものの おじいちゃんは頷いた。

 

おじいちゃんと二人きりの時はラジオを聴いた。

若いころ 職人だったので 通ずる所があるようだ。

ちいさこべ 漢字で書くと 「少子部」

 

検索して分かったことであるが

雄略天皇が 養蚕のために「蚕(こ)を集めて来い」と命じると

部下は 勘違いして 子(こ)を何人も連れて来た。

あきれた天皇はこの部下を 処罰せず、

少子部(ちいさこべ)という姓を与えた。

 

退院の近づいた拙者は山本周五郎の「さいさこべ」を

図書館で借りて読もうと思う。

 

(続く)

 


骨折入院日記 其の八十五 立って小便する

2018-06-03 20:33:11 | 骨折入院日記

平成30年5月25日

山田病院のトイレは便利にできている。

トイレは広いばかりではなく、右手用のトイレ 左手用のトイレがあります。

拙者は右手が満足に使えなかったので 左手用のトイレへ。

最近は 良くなり 右手用のトイレにも入りました。

しかし 拙者は思いました。

「世間のトイレは 決して親切ではないはず。」

「普通のトイレにも入れるように しなければ・・・」

 

フロアーの端に 普通のトイレを発見。

恐る恐るトイレに入る。

 

意を決して 男性用の小便器へ。

さすがに 小便器の回りには手すりあり。

右手の松葉杖を近くに立てかる。

 

拙者は ズボンを少し下げ 自分自身を小便器に向ける。

若い時ならすぐ出る小便がなかなか出ない。

手すりをしっかり握り 出るのを ひたすら待つ。 

転倒しては大変。今はバランスが大事と思っていると

ようやく 出てきた。ちょろちょろと。

一句もでる。

「やっとかめ 立って小便 三月ぶり  助左衛門」

 

(続く)