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B級会社員のOFF日記(現在無職です)

尻毛助左衛門と尻毛又丸の珍道中の日記を公開しています。

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例の夜深く出でたまふ(その1)

2016-06-05 08:41:58 | 源氏物語

例の夜深く出でたまふ(その1)

 

この文章は源氏物語の須磨の巻にある文です。

光源氏は都落ちすることになり、紫の上との別れの時を迎えます。

原文では以下の通りになっています。

 

「その日は女君に御物語のどかに聞こえ暮らしたまひて、例の夜ふかくでたまふ 」

 

下線の訳、解釈が分かりません

 

拙者は調べる、以下の2通りの解釈に分かれました。

① 夜遅く・・・瀬戸内寂聴、円地文子、谷崎潤一郎

    ・瀬戸内 「旅立ちの習慣として、夜も深く更けてから」

    ・円地   「旅立ちの習いで、夜深く」

    ・谷崎   「例の夜深く」・・・・原文と同じ・・・・解釈を避けている?

② 夜明けまえ・・・与謝野晶子、橋本治

    ・与謝野 「例のとおりに早暁に」

    ・橋本   「旅立ちの時は、すべての人がそうするように、夜明け前」

 

疑問がまた起こりました。

光源氏はどういうルートで京から須磨へ行ったのだろうか?

(光源氏自身フィクションの主人公であるが、モデルは存在するのである。)

 

(次回へ続く)

 

 

 


「韻塞ぎ」の遊び

2016-04-05 22:54:24 | 源氏物語

源氏物語「賢木」の巻きには「韻塞ぎ」という遊びが紹介されています。

漢詩の韻を踏んでいる文字を隠しておいて、それが何であるかを推測してあてる遊びです。

例えば次の高校生の時に習った「春暁」という漢詩があります。

(問) 次の第二句の最後の字はなんでしょう?つまり◇の字を当ててください。

 

春眠不覚暁

処々聞啼◇

夜来風雨声

花落知多少

 

五言律詩には偶数句の最後の字には韻を踏む必要があります。つまり第4句の最後の字「少(sho)」と同じ韻の字を探して詩を作る遊びです。

読み下し文を以下に記しますと

春眠暁を覚えず             (しゅんみん あかつきを おぼえず)

処々に啼◇を聞く                 (しょしょに けい◇をきく)

夜来、風雨の声           (やらい ふううのこえ)

花落ちること知んぬ多少ぞ    (はな おちること しんぬ たしょうぞ)

 

情景として春の朝、起きてみると◇が処処に啼いている

啼くのは「鳥」ですね。cho鳥です。答えは「鳥」となります。

 

高校時代は何もわからず、読んでいました。今は少し理解してきた気がします。

 

因みに、「賢木」の巻では光源氏のグループと頭中将のグループが韻塞ぎでいくつ当てるかの遊びをしました。光源氏のグループが勝ち、頭中将は罰として後日宴をすることになりました。

いつの時代にも罰ゲームの類はあるものです。

 

次回は又南九州の旅です。