夜になると 「カタッ」という音がして
猿が家に入って来た。
部屋は暗いので
猿は囲炉裏の火を 手探りで探す。
火箸を抜くと 灰の中から
火種が出て来て 爆竹の紐に
火が付いた。100連発の爆竹は
次々に破裂して 猿を襲った。
猿の目には 灰が入り
何回 こすっても 眼が痛い。
甕の水で 眼を洗おうと考えた。
手を伸ばすと そこに 蟹がいた。
猿が痛みで叫ぶと やっとの思いで
蟹を 振り払う。 布を引っ張り
顔を洗った。すると 顔中
針の洗礼を受けた。
猿はおばあさんは 二階にいると思い
階段を急いで 上がろうとした。
階段の途中に蒔いた豆の登場である。
猿は豆を踏んで 階段を落ちた。
おばあさんは 階段の上で
猿が落ちる音を聞くと
最後の臼を落として
見事 猿を 退治したそうである。
(完)