goo blog サービス終了のお知らせ 

B級会社員のOFF日記(現在無職です)

尻毛助左衛門と尻毛又丸の珍道中の日記を公開しています。

定年サラリーマンのOFF日記もあります。

猿とおばあさんの決闘・・・中国浙江省(下)

2019-02-21 20:09:15 | 各国の民話

夜になると 「カタッ」という音がして

猿が家に入って来た。

部屋は暗いので

猿は囲炉裏の火を 手探りで探す。

 

火箸を抜くと 灰の中から

火種が出て来て 爆竹の紐に

火が付いた。100連発の爆竹は

次々に破裂して 猿を襲った。

 

猿の目には 灰が入り

何回 こすっても 眼が痛い。

甕の水で 眼を洗おうと考えた。

手を伸ばすと そこに 蟹がいた。

 

猿が痛みで叫ぶと やっとの思いで

蟹を 振り払う。 布を引っ張り

顔を洗った。すると 顔中

針の洗礼を受けた。

 

猿はおばあさんは 二階にいると思い

階段を急いで 上がろうとした。

階段の途中に蒔いた豆の登場である。

猿は豆を踏んで 階段を落ちた。

 

おばあさんは 階段の上で

猿が落ちる音を聞くと

最後の臼を落として

見事 猿を 退治したそうである。

 

(完)

 

 


おばあさんは道端で泣いていた・・・中国浙江省(中)

2019-02-20 21:48:19 | 各国の民話

おばあさんは 夜になると 猿が来て

襲われると 考えると 怖くて 動けない。

いくら考えても 良い方法が

思いつかず 道端に座りこんで 泣いていた。

 

そこへ 知識人が通り 声をかけた。

「おばあさん どうして 泣くのですか」

おばあさんは 涙と鼻水を流して 言いました。

「夜に 猿が来て 襲われるのです。」

 

知識人は言った。

「おばあさん。心配しなくて 良いですよ。

100連発の爆竹をあげよう。

これを 囲炉裏の中に これを入れなさい。」と。

 

おばあさんは 爆竹を貰ったが まだ泣いていた。

そこへ 漁師のおじいさんが 通り声をかけた。

「おばあさん どうして 泣くのですか。」

「夜に 猿が来て 襲われるのです。」

 

「おばあさん。 心配しなくて 良いですよ。

大きな毛ガニを あげよう。

これを 大きな水がめに 入れて置きなさい。

そして・・・・・・」

 

おばあさん まだ 心配で 泣いていた。

そこへ 行商人が通り 声をかけた。

「おばあさん。どうして 泣くのですか。」

おばあさんは説明し 一つ包みの針をもらう。

 

おばあさんはまだ心配で 泣いていた。

農夫から 一握りの 豆を

石工から 臼を もらった。

おばあさんは まだ心配であったが 夜になった。

 

(続く)


猿と戦う・・・中国浙江省(上)

2019-02-19 21:14:58 | 各国の民話

山間の狭い土地に おばあさんが一人暮らしていた。

この土地で生まれ 育ち 80歳になっていた。

家の前には桃の木が一本あった。

5月になると 桃は熟れ 赤くきれいだった。

 

ある日猿がここを通りかかった。

赤く熟しているのを 猿はみた。

「おばあさん。桃をひとつ おくれよ」

優しい あばあさんは 猿に 桃を渡した。

 

次の日 猿は又来て言った。

「桃は美味しかったよ、もう一つおくれ。」

おばあさんは 又ひとつ やった。

3日目 4日目 と 毎日やった。

 

おばあさんは ついに心を鬼にして 話した。

「桃はあんたに 食べつくされてしまうから

あげないよ。」と。すると猿は憎々しげに言った。

「桃をくれないなら おばあさんを・・・」

 

(続く)

 


女の執念 殿様の無念・・・秋田県

2019-02-17 23:38:59 | 各国の民話

男は庭に桃の種を蒔いた。

毎日成長を祈願した。

祈願が通じて 翌年には桃が実った。

二人の執念で 桃が一年で実がなるのであろうか。

 

女は殿様に 何をしても 笑顔を作らなかった。

殿様はあまりに ええ女だから なんとしても

機嫌を取りたくなった。

そして 殿様は 女の言いなりに なっていった。

 

男は「桃、桃」と殿様の屋敷に桃を売りにいった。

けれど なかなか 中へは入れなかった。

女は桃売りの声を聞いて

殿様に 桃売りを中に入れさせてくれと 頼んだ。

 

そしたら 笑ったことがなかった女は

にっこりと 笑った。食べた。女は殿様に

「桃売りの着物を着せて 桃を担いで見せて」と注文する。

殿様は姫の笑顔を見たくて桃売りの衣装を着た。

 

殿は「桃 桃」と言って 門の外も歩いた。

暫くは 屋敷の中から女の声が聞こえたが

急に 女の声は聞こえなくなった。

女は門を閉めて 閉まった。

 

婿は 殿様の着物を着て

女と二人並ぶと 喜びに喜んだ。

殿は桃売りになって しまった。

二人は一生 面白く 暮らしました。

 

(完)

 

(参考)日中韓」の昔話

鵜野 祐介

みやび出版

 

(参考) 中国の男「にら」を売って、中国の皇帝に近づきます。そして 宦官に殺害されてしまいます。


全土に布告する・・・エジプト

2019-02-13 20:53:39 | 各国の民話

王は盗賊の大胆さと狡猾さに脱帽した。

王は全土に布告する。

「盗賊の罪を許すだけでなく、

多大な報酬を授ける」と。

 

弟は王を信じ 出頭した。

王は彼の才気に感嘆し

先日の後宮の女性を

嫁として 与えた。

 

(完)

(参考) この話はインド 中国 日本にも 伝わった。

確か「古今著聞集」にあると思います。