恋の句を・・・連歌(その9)
寺女さんの声が聞こえた。
(寺女) 「恋の句を短句で作ってください。」
(拙者) 「拙者と寺女さんとは 身分が違います。御許しを。恋の句は・・・」
(寺女) 「何か 勘違い していませんか。」
(拙者) 「寺女さんへの恋の句と聞きましたが・・・」
(寺女) 「私ではなく 連歌の上で 恋の句を 作るのです。」
(拙者) 「はあ~」
(寺女) 「はあ~ ではありません。」
「連歌の続きですよ。」
「第三 清げなる 乙女の二人 住むといふ 寺女」
「 雑 乙女 (恋 人倫) の句です。」
「ここからは 句材は解禁です。 恋も神様も仏様もOKですよ。」
「次は 恋を続けてください。」
(拙者) 「すこし 時間をください。」
(寺女) 「周りに 素敵な女性が たくさん いるではありませんか。」
(拙者) 「助左衛門は 女性は好きですが、恋に成りません。」
(寺女) 「なかなか 正直なお話です亊。早くしなさい。」
(拙者) 「承知しました。暫しの猶予を」と言って その場から逃げた。
(続く)