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B級会社員のOFF日記(現在無職です)

尻毛助左衛門と尻毛又丸の珍道中の日記を公開しています。

定年サラリーマンのOFF日記もあります。

恋の句を・・・連歌(その9)

2017-10-01 20:38:35 | 連歌

恋の句を・・・連歌(その9)

 

寺女さんの声が聞こえた。

(寺女) 「恋の句を短句で作ってください。」

(拙者) 「拙者と寺女さんとは 身分が違います。御許しを。恋の句は・・・」

(寺女) 「何か 勘違い していませんか。」

(拙者) 「寺女さんへの恋の句と聞きましたが・・・」

(寺女) 「私ではなく 連歌の上で 恋の句を 作るのです。」

(拙者) 「はあ~」

(寺女) 「はあ~ ではありません。」

    「連歌の続きですよ。」

    「第三 清げなる 乙女の二人 住むといふ   寺女」

    「 雑 乙女 (恋 人倫) の句です。」

    「ここからは 句材は解禁です。 恋も神様も仏様もOKですよ。」

    「次は 恋を続けてください。」

(拙者) 「すこし 時間をください。」

(寺女) 「周りに 素敵な女性が たくさん いるではありませんか。」

(拙者) 「助左衛門は 女性は好きですが、恋に成りません。」

(寺女) 「なかなか 正直なお話です亊。早くしなさい。」

(拙者) 「承知しました。暫しの猶予を」と言って その場から逃げた。

 

(続く)


梅丸の句は佳作に・・・連歌(その8)

2017-09-27 23:35:26 | 連歌

梅丸の句は佳作に・・・連歌(その8)

 

梅丸とは尻毛 助左衛門の雅号である。

さすがに、尻毛を雅号にすることはできない。

平成29年9月26日

寺女さんより連絡がある。

 

(寺女) 「梅丸さんの句が佳作になりましたよ。おめでとうございます。」

    「揖斐川町文化協会では 文芸作品集を印刷中です。」

(拙者) 「有難いことです。寺女さんのおかげです。」

    「二句のうち どちらの句ですか。」

(寺女) 「『雪深み 山道遠く あと消えて』の句です。」

    「文化協会では 特選 佳作 入賞 の順番で発表されます。」

(拙者) 「佳作に選ばれ 内心 ホットしています。」

(寺女) 「作品集が楽しみですね。そうそう 次の付け句は少し お待ちください。」

 

拙者は 特選に選ばれた句を是非知りたいと思った。

 

(続く)

 

今回の作品の前提となる 発句と脇句 以下の通りです。

発句 散り紅葉 小島の宮の 跡どころ 島津 忠夫

脇句 鄙も都ぞ 声冴ゆる歌      松井 郁子

第三 雪深み 山道遠く あと消えて  梅 丸

 

 

 


宿題は出来ましたか・・・連歌(その7)

2017-09-23 21:13:00 | 連歌

宿題は出来ましたか・・・連歌(その7)

 

平成29年の夏の暑いある日のことであった。

(寺女) 「今日 発句からはじめます。」

    「広やかな 狩場くまなく 巡りゆく・・・寺女」

    「連歌の場合 初折と裏二句までは 格調高く 和語で 景色などが良く」

    「恋や思い出などの感情の入っている句はいけません。」

    「短句で季節無しの雑の句をお願いします。」

という内容の連絡が入る。

(拙者) 「拙者は雑な男で、一年中 季節無しの服を着ている。」

    「 そのまま 雑の句が、 すぐ出来そうでござる。」

    しかし、出来ない。暫くすると寺女さんより催促の連絡が入る。

 

(寺女) 「宿題は出来ましたか。」

(拙者) 「引っ越しで大変でござる故、暫し猶予を。」

(寺女) 「猶予などなりません。連歌ですよ、今すぐに。」

拙者はとっさに話題を変えた。

 

(拙者) 「先日 応募しました揖斐川町の文化祭の連歌はいかがでしたか。?」

(寺女) 「おかげさまで22名、42句の応募がありました。12句が入賞します。」

(拙者) 「入賞の確率は約5割ですな。」

(寺女) 「毎年良い句がありますね。」

(拙者) 「恥をかきに行っただけになりそうだ。」

(寺女) 「入賞すると 良いですね。」

(拙者) 「出来の悪い作品を添削してもらい出した句です。」

    「昔 小学校の夏休みの図画の宿題で 母に途中から描いてもらったことがありました。」

    「それと 似ています。」

(寺女) 「元々、助左衛門さんの作品を少し 手直ししただけですよ。そのままの作品もありましたね。」

    「少し待ちますので、付け句 お願いしますね。」

(拙者) 「は~い」

と拙者は元気に言って 当面を切り抜けた。

 

 

 


連歌(その六)・・・真夏の夜の夢

2017-08-28 00:15:38 | 連歌

連歌(その六)・・・真夏の夜の夢

拙者はこの真夏の夜、寝苦しくて、このような夢をみた。

 

時は元禄。ところは平和な西美濃の禅寺に助左衛門は従者の又丸と来ていた。

(拙者) 「拙者でござる、助左衛門でございます。門番殿、ご開門をお願いします。」

(門番) 「なに用でございます。こんな朝早く。」

(拙者) 「寺女様にこれを。」


(門番) 「この付け文は何ですか。怪しいですな、殿にご報告せねば。」

(拙者) 「付け文ではなく、付け句でござる。」

(門番) 「付け文ではなく、付け『く?』でござるか。ますます、怪しい。」

(拙者) 「致し方ない!  この通りでござる。」

    「あられがち みやまのかげに やどをとり

(門番) 「くずした文字ですな。門番には読めない字ですな。」

 

 

(寺女) 「何ですか。門のあたりが騒々しい。」

 

(門番) 「寺女様。怪しい男が寺女様にこれを」

(寺女) 「それはなんですか。」

(門番) 「付け『く』とか申していました。」

(寺女) 「それはつけ句ですよ。」

(門番) 「はあ、付け 句? ですか。わかりませんなあ」

(寺女) 「そのお侍様はどうしました。」

(門番) 「この棒を上にあげまして、追い返しました。」

(寺女) 「・・・どうしましょう。・・・」

 

そのころ拙者と家来の又丸は、這う這うの体で逃げ帰った。

後日、助左衛門の家に知らせが入る。

(寺女) 「応募していただき、ありがとうございます。」

    「全て、かなですので、みゆきは深雪が良いと思います。」

    「先日の句と二句いただきます」

 

 目覚まし時計が朝の六時を告げる。

(拙者) 「今の夢は正夢か? 確か 『あられがち・・・・・・・』と言っていたような。次が思いだせぬ。・・・」

 

そしてなんとか、思いだしたのが、「あられがち 深雪のかげに 宿をとり」である。

 


連歌(その五)・・・掻けば垢(あか)が、叩けば埃(ほこり)が

2017-08-27 05:22:21 | 連歌

(寺女)  「助左衛門さん、少し垢ぬけましたね。」

(拙者) 「いいえ、なかなか、垢ぬません。」

(寺女) 「垢ぬけましたよ。!」

(拙者) 「拙者、掻けば垢が、叩けばほこりが、出てきます。そして頭は抜け毛とふけが落ちます、この通り。」

    拙者は寺女さんの前で、頭を掻いて、証拠の抜け毛とふけを見せた。」

(寺女) 「きやー。やめてください。何をされるんですか」

(拙者) 「・・・拙者はこんな男です。・・・」

(寺女) 「句の話をしましょう。 句の・・・話を・・・」

(拙者) 「そうです、句の話をお願いします。」

(寺女) 「雪深み 山道遠く あと消えて・・・前句によく付いていますよ。」

    「囲炉裏端 生姜湯すする しわ増えて・・・深刻な句は使いません。和語で景色を読みます。良い句ですから、取っておいてください。」

    

(拙者) 「一勝一敗ですな。」

(寺女) 「宜しくお願いします。」

 

拙者は手を頭の上に置いて、掻きはじめようとしたが、すぐにやめて、辞した。