中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

他者を発見する

2007年11月07日 | Weblog


授業が思い通りにいっていても、毎回、授業前には教案をにらんで、
本当にこれでいいのか?
こんなんでいいのか?
これで自分は満足か?
今回は準備に時間をかけていないけど、教師として怠慢では?
などと、眉間にしわを寄せて自問自答してしまう。
同一の母語話者集団の学習者に対し、独り、ネイティブ話者として、マイノリティとして、教壇に立つのも実はたいへんなことだし、そこで日本語しか使わないで日本語を教え続けるのは、それなりにシビアな仕事をしているのかもしれない。
うーんアクロバティック。

同じ内容の授業計画で2クラスやるので、2回目にやるクラスがベターなんじゃないかと思っていたが、やってみるとそうでもなく、うまくいったポイントといまいちだったポイントがクラスによって全然違うことが多い。ティーチング・ポートフォリオをつけて振り返っているが、次に何をどう活かせるのかが見えにくい。分析の仕方が問題か、直感的に授業を進めている部分が大きいのか。いつもどこを改善できるのか手探り状態だ。

日本語教師養成用の書籍には、よく、「自己研修型教師」などというジャーゴンが載っている。妙な言葉だ。その、自己研修型教師…ってなぁ、なんだい?熊さん、なんだい、はっつぁん、藪から棒に。決まってるじゃねぇか、自己研修型教師って言やぁ、なんだ、「猫型ロボット」みてぇなもんじゃねえのかい?そうかい、そりゃまた強そうだねぇ。てーしたもんだ。…で、いってぇ何をするんだい?

筆がすべった。

ともかく、自分のインプットをアウトプットにつなげないと面白くない。
ある程度のパターンは決まってきたが、ワンパターンは自分が飽きるのでやりたくない。

どうしてかというと、私自身、学生時代には授業中居眠りばかりしていた学生だったから。(そういえば、ブログのプロフィールに出身校を書く人もめずらしいと思うが、年をとるにつれて、いろいろな面で出身校で受けた教育に感謝することが増えているので載せている。居眠りの日々を含め。)
それで、今、自分の授業で居眠りする学生を一人も見かけないことに、実を言うと「びびって」いる。とても。

最近、作文の授業に、もうちょっと会話の授業の要素を取り入れたいと思った。
3年生は、日本語能力試験1級の受験勉強の日々なので、クラスの雰囲気が少しぎすぎすしてきたし。
それで、授業の後半は、構成的グループエンカウンターの手法を取り入れて、タスクワークを作ってやらせてみた。
面白かった。非常に。
表情が生き生きとして、クラスの雰囲気が明るくなった。皆、クラスメートが自分と異なる価値観を持っていて、それが多様であることに気付き、驚いていた。授業が終わっても話し合う雰囲気が続いていた。話し合いで深まった自分の意見を作文のテーマにして今回の宿題にした。皆、書きたい、という顔をしていた。来週、添削するのが楽しみである。

でも、私、エンカウンターについての知識も無いのに、てきとうに流用してしまった。勉強しなくちゃ~。