中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

文化祭総括

2007年11月10日 | Weblog

同僚の2人は、それぞれ別の研修プログラムを受けるために、文化祭最終日には日本へ出立した。10日くらいで帰ってくるのだが、文化祭の合間に荷造りやお土産の買い物などで忙しく動いていた。そんな中でも、文化祭で不測の事態が次々発生すると、学生たちにビシバシと電話指令を出して対処していた。模擬店や担当の催しにも参加していたし、私へのフォローもきっちりやってくれていた。私も、夜会リハーサル中の待ち時間などに、日本に持って行く原稿のチェックや発音指導をしたり、前日に文化祭とは別の仕事を手伝ったりしていたが、主任ら上司はもっと多忙で、徹夜で報告書を書いていたりしたようだ。文化祭中に、遅れて卒論を出した学生への指導をしていた先生もいた。皆、ベテラン編集者のような見事な同時進行仕事。(日本と比較すると)直前まで具体的に動きをかけない癖があるせいなのかもしれないけれど、すばらしい集中力だと思う。本当にお疲れ様でした。

学生たちが模擬店で日本料理を作るが何を作ればいいのか分からないと1週間前に言ってきたので、用意していた写真つきレシピのコピーを共同研究室のパソコンに入れて、好きな物を選ぶように言っておいた。おそらく材料や作り方が分からずにまた相談に来るだろうと思っていたが、4クラスのどこも来ない。きっと前日に泣きついてくるんじゃないかと予想して準備していたが、やっぱり来ない。で、当日、おそるおそる行ってみると、自分たちなりにクリームシチュー、お好み焼き、ポテトコロッケ、カレー、手巻き寿司を作り上げて売っていた。全部食べさせてもらったが、なかなかの出来栄えで、入手できない材料を補う工夫やアレンジもよくやっていた。きっと自分たちで日本語のレシピを解読し、私が作って食べさせたことのある学生や料理の得意な学生が頭を寄せ合ってがんばったんだな、と思う。学生たちの底力に感動した。

浴衣や着物の着付けも、自分ひとりでは量的にも質的にも到底できないので、1ヶ月前から同僚の担当の先生に教え込んで当日はその先生に任せるつもりでいたが、内心どうなることかと思っていた。が、ちょうど日本の旅館やホテルで1年間研修していた4年生たちが帰国してきていたので、彼らが素晴らしい働き振りで着付けをしてくれた。4年生たちに教わったのか、2日目には、これまで浴衣に触ったこともなかったような低学年の学生の何人かも、素早く着付けできるようになっていた。安心した。これで先々も、たとえ日本人の先生がいなくても自分たちで着物を着ることができるだろう…。

夜会では、最後に2年生が浴衣姿で現代風のよさこいを踊った。
非常にかっこよくきまっていて、講堂はわきにわいた。
私も見たことがなかったが、いつの間に練習していたんだろうと思いながら、彼らの踊りに感動の嵐。

大学時代って、きらきら輝いている時代だなーとあらためて思う。
可能性に満ち溢れている彼らがまぶしい。
自分がそんな彼らを見守れる場所にいることがうれしい。
私自身は人生の2回戦か3回戦が終わって、これからどこで何をしようかというところだが、そんな私から見て、希望と可能性で輝いているこの子たちは、これから社会に出てどんな仕事をして、どんな活躍をするのだろう…と思うと、心底わくわくする。