Sydney Yajima


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混乱

2011-08-07 22:54:29 | 政治
明日からの市場が 混乱する。

日本としては、さらにアメリカ国債を買うしかないのであろう。

しかし、とてもリスクの高いやりかただ。
すでに1トリリオン近いリスクを持っているのに、さらに買い増すのだという。

私は、かつて、ダイムラーとクライスラーが合併したことを思い出している。
ドイツのダイムラーは、業績がよく、製品も メルセデス ベンツという最高級品質の車を持っていた。
一方、アメリカの クライスラーといえば、リーアイアコッカが引退した後、どんどんと業績を下げ、死に体の状態であった。

ダイムラーとしては、助け舟のつもりで、合併をした。
ダイムラーの幹部は、吸収し、今後自分たちの技術を投入することによって、クライスラーを立ち直らせると考えていた。
にもかかわらず・・・
アメリカ人は、やはりアメリカ人だ。
彼らは、自分たちがボスだと勘違いしていた。
つまり、低姿勢に傘下に入り、教えを乞い、なんとか生き延びさせていただきたいとお願いをしていなければならない立場のはずが、経営権は我々にあり、ダイムラーは我々の傘下に入ったと勘違いをしていた。
むろん、こんな結婚が長く続くはずもない。
彼らは 離婚した。

その後の、ダイムラーとクライスラーの結果は、ご存知のとおりである。

アメリカは、「金を貸してください」とは言わない。
「こんな 魅力のある投資機会は二度とないから、買えばいいよ」と言う。

日本は、買う。
そうしなければドルがさらに下がり続け、日本の保有国債の価値も下がるからだ。
日本が買い支えをしてアメリカという巨木の倒壊をふせごうとしている・・・が

将に、大木の倒れんと欲するところ 一縄のつなぐところにあらず。
である。

私は、今の日本には、他人に金を貸す余裕など ないと言っている。

日本の製造業と輸出は、今までのような構図では継続できない。
物を作って アメリカに買ってもらうという構図は、アメリカのほうが維持できないと言っているのだ。
彼らに金を貸して、買ってもらうという方式は、1980年代から延々と続けてきたがすでに30年経っている。
金を返して、なんとか自力で買う力を持とうとするどころか、アメリカはその後もたくさんの経済的な過ちをし、そしていくつもの戦争出費をし続けてきた。
日本の弱ってきている原因は、アメリカのこの30年間の失策にも原因があったのである。

本当に、日本の製造業と輸出に、正しい方向性を示したいのであれば、日本は、戦略をかえなければならない。

まず、第一に考えなければならないのは、今後のマーケットのニーズ・・・平たく言えば、お客さんがどこにいて、何を欲しているのかということである。

お客さんが、アメリカだという考え方は、それ自体がやや古くなってきていることは すでに述べた。
まだまだ、アメリカの底力はこんなもんじゃない。まだまだ、アメリカは復活する力を持っている。だから、大丈夫だ。
と言う人もいるだろう。
それならば、今までのようにアメリカの国債を買い続け、アメリカを買い支え 金を貸し続けることのみが、正しい方向性だろう。
なにもしなくて いいことになる。
しかし、本当に、それで安心だろうか?
もし、失敗したら、日本は、どんな巻き添えを喰らい、そして、どんな危機になるのであろうか?

私は、100%今までのやり方を変えろというほど、アグレッシブな提案をするつもりはない。
しかし、保険をかける意味でも、今後の日本の製造業をもう一度点検しなおし、そして、「お客さん」になる新市場を開拓しておくべきではないだろうか?と、やや控えめながら、重要な提案をしているのである。
そして、アメリカの国債を買う金があるのなら、より、復興と日本の製造業のR&Dへの刺激策と、さらに新しい「お客さん」へのマーケティングに力を入れるべきではないだろうか?と、提案してみたいのである。

この続きは、いずれ書くが、今のままの閉塞感で、ため息をついているか、今までどおりの政策を盲目的に進めている政府のどちらも、間違っていると、思う。

ハイリスク ノーリターン・・・

2011-08-07 00:01:00 | 政治
私が7月に書いたとおり、アメリカの評価が下がった。
AAAがAA+になったことで、では、どんな影響が出るのか?

まず、アメリカはより高い利息を支払わなければならなくなるであろう。
そして、それは経済の足かせとなり、また、さらに赤字を増やしていく結果となるであろう。
そうなると、さらに借金を増やさなければ、首が回らなくなるであろう。
そのときに、AA+からさらに、レートが下げられると、アメリカのデフォルト・・・メルトダウンが始まるであろう。
それまでに、何らかの手を打つ必要があるが、大戦争でも起こして世の中の秩序を一旦無茶苦茶にでもしない限り アメリカは普通の方法では立ち直ることはできないであろう。
例えば、リビアにアメリカが攻め込んでいくということを想定している中東の友人がいる。
イランは、強大だが、リビア程度だとちょうどサイズがいいからだという。
そうかもしれない。
またヨーロッパもひとつ加わりたいと言うかもしれない。
なにしろ、ヨーロッパもギリシャをはじめとし、アイルランド、スペイン ポルトガル イタリアと次々に、デフォルトの危機が迫っている。
どうしようもないのに、なんとかしようとするならば、ただ借金を膨らましていくしか ほかに手のうちようがない。

借金だけなら、人は死なないのだが 結局、戦争にでもなってしまうと、今度は戦争経費がかかり、多くの人が亡くなり、そして、アメリカにはまた膨大な借金が出来上がるが、とりあえず米ドルは継続できることになるだろう。

そんなシナリオは、考えたくもないが、今の時代は、手詰まり感が充満している。

こんなときに、何を買えばいいのか?
と言われれば、金の現物だななどという、まあ、一昔前なら、馬鹿にされたことを、今では、一般のOLでも買うという時代になっている。

私がかつてホームページを始めたころは、ゴールドはまだまだ250ドル=オンスであって、それは、それは、安かった。
そのころに、買いだめをしていた人たちは、今頃、「それみたことか」と笑っているか、あるいは現実にこうなってしまうと、今後のことが恐ろしくて震えているかのどちらかだが、恐らくは 後者であろう。
なぜなら、先の見える人にとって、今後の世界は、まったく、ろくなもんではないからだ。