Sydney Yajima


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日本に擦り寄る アジア諸国 その中で日本がとれる中期的な戦略 プロトコール

2010-10-03 06:41:09 | 世界情勢
中国の一連の 行動を見て、一番複雑な感情を持っているのは、台湾である。
尖閣諸島の所有権が、台湾にあると活動しても、結局 台湾自身が、尖閣諸島と同じ扱いを、いつ中国からされて、どんな恫喝を受けるのか分からないという気がしているからだ。

沖縄は、緊張している。いずれ 戦争ともなれば、第一線になってしまうのは 目に見えているからだ。普天間問題を、沖縄以外に移転してほしいという島民感情は 高まるだろう。

フィリピンは、この情勢を見極めている。自国だけで領有を主張できないのは、日本に似ている。アメリカに頼らざるを得ず、しかし アメリカも かつてのような力が無い。
かといって、第二次世界大戦の記憶がフィリピンの民衆にとっては、日本を信用しないとか、日本に嫉妬するという感情もあいまっているうえに、日本の軍事力が大したことがないことも見抜いているので、一歩 間をおきつつ それでも経済的な結びつきを日本に求めている点では、ベトナム、インドネシア、マレーシア、などと共通している。
この点において、日本は、まだまだ影響力を発揮できるので、今まで中国に製造業として進出した企業に、考える必要が出てきている。

しかしながら・・・

中国には、とても大きなマーケットがあり、それを抜きにして、ビジネスを考えることは、できない。
冷蔵庫を作って売るというだけでも、向こう30年間は食べていけるほどのビジネスになるのだし、また、建築ブームで、建材や、さらには、デザイン、トータルなビジネスとしての環境ビジネス、もちろん自動車、電化製品、家具 それに豊かになった中国人への食文化、例えば、日本酒などの販売や、中国国内での日本酒の製造・・・それも中国料理にあった口当たりで・・・などと考えると、垂涎もののビジネスチャンスがゴロゴロ転がっている。
宝石ビジネスでも、中国の成金層は、最高のターゲットだ。

日本のビジネスを、中国でどうやって発展させるかという方法と同時に、中国国内の政治状況や世論をどうやって、日本びいきに変えていくかを考えるほうが、理にかなっている。

まずは、中国の若い世代に期待したい。
一人っ子政策によって、生まれた次世代の中国人たちが、権力を握るまで、あと20年はかかるが、その期間を、アニメやゲームという日本のお家芸である 文化を通じて 深く浸透している今の状況を さらに進化させて、より 広く日本ファンを作ることが、未来を補償することになる。
彼らは、古臭い中国が 大嫌いだ。
特にインターネットに制限をかけたり、あるいは、SMAPのコンサートを中止にしたりする中国政府にはうんざりさせられている。

日本の大学は、若い世代の中国人を積極的に受け入れて、日本語教育と同時に、アニメなどの文化交流、コスプレなどの開催、それに、ゲーム開発などをどんどんと進めるといいだろう。
日本に中国の若者が多く 留学するようになると、それは日本にとっては、同時に中国の子供たちを人質に取ったことと同じである。
そこに原爆を打ち込むことは、しないだろうし、第一 自分の子息が日本にいるのに、そんな馬鹿なことをする親もいないだろう。

日本に来た中国人の若者を、大事にしてあげたほうがいいだろう。
彼らは、我々の将来を保障してくれるからだ。
ゲストとして、この人質たちを過保護にしてやることが、我々日本にとってはプラスになる。

日本は、中国の競争相手になってはならない。
日本はしかし、同時に、中国の競争相手を作らなければならない。ありがたいことに、今回の事件は、かなりそのために、寄与してくれるだろう。

冒頭に書いたとおり、多くのアジア諸国は、中国に脅威を覚え、同時に武力の保護に関してはアメリカを頼り、経済に関しては日本を頼るようになってきている。
日本は、今まで中国一辺倒だった製造を、アジア諸国に振り分けて、アジアの小国 VS 中国という構造を作り上げることが、国益となることを知るべきである。
それによって、中国は、日本に対して露骨に対抗することをやめ、競合相手である アジア諸国に対しての戦略を練り直すことになるだろう。

資源を得ることが中国にとっては、最大の課題であることを、見逃してはならない。
日本はいままで、かなりソフトに資源開発をしてきた。現地との合弁を繰り返しながら、それは行われていたが、中国は札束で資源国の会社を まるごと買い取ると言う方法をとる。
オーストラリアではそういう中国のやり方を、脅威ととらえている。
特にイギリス系列の会社は、そう考えている。
これは、人種差別もからんでいる。キャッシュの力は強く、それで人は変わることがあるけれど、人種への不快感は生理的な気分から始まるので、理屈抜きに、中々変わることは出来ない。