Sydney Yajima


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Mining27

2009-05-22 23:22:18 | オーストラリア資源
この錆びたトラックを別の角度から撮ってみた。
なぜか、ヘッドライトが錆びず新品のように、太陽の光を受けてきらきらと銀色に輝いている。
生々しい死体をみたような錯覚に陥った。

風、雨、霧、太陽、そして、多くの夜と朝を重ね
トラックはそこに、立っている。
ただ、立っているだけだ。

タイヤには輪留めがしてあり、ここに停めた最後の男は、このトラックをまた乗るつもりだったはずだ。そのときに、ドアを閉め忘れたままこうして、助手席は、半開きのドアになっているのかもしれないし、あるいは誰かが中をのぞいてみたのかもしれない。

どんな歴史があったのだろう・・・

もしかすると、花嫁とともに、若い男がこのトラックに、ブドウやら、オレンジを積んで、配達していたのかな・・・

もしかすると、木綿の服を着た男がシャツを捲り上げて、このトラックの荷台から、柵を積んで、あちこちに杭を打っていたのかもしれない。

想像は広がるが、誰も何も語らない。

このトラックの名前を私は知らない。
何年ごろにどこで、どの会社が製造したのかも、知らない。

忘れ去られたトラックが一台。