Sydney Yajima


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Lemon

2009-05-10 00:30:48 | 世界情勢
レモン

ニュースのないときは、悪いニュースが進行しているからだ。
これを、マーケットの世界では、レモンと呼ぶ。

オッペンハイマー ファンドが、クライスラーの債権者の反対をしていた先鋒として名前が出てきだした。他の多くのファンドはすでに名前が出るのを嫌って、さっさと、取り下げたのであぶりだされた形だ。(Seib,C. Rebel funds step back from Chrysler opposition .TIME ONLINE ;URL: www.tradingplaces.com.au/jpmorganportfoliocompetition )


オッペンハイマーが、なぜ クライスラーを流出させて利を得ることができるのかどうかが、私には一瞬ピンと来なかった。

利を得るためなら、通常会社の存続を望むであろうし、そのためには、協力していくのが投資家のやり方だろうと思っていたからだ。

とすると、一つ目に考えられるのは、流出した資本を買収し、さらにクライスラーやGMへの支配力を強めていこうと考えたのだろうか?

これもピンとこない。
なぜなら、いまや、GMもクライスラーも死に体で、すでに売れない車を作り続けてきた・・・それも長年・・・に、価値を見出す投資家は、まずいないからだ。あまりにも リスクが大きく、しかもリターンが望めない。新しい技術力もなく、ただ、眺めているだけの大会社の形を、何年もとり続けてきたからだ。

では三つ目の選択とは・・・

おそらく、これが一番しっくりくる・・・つまり中国資本とすでに結託しており、そして、クライスラー、GMの流出を、中国資本に安く買わせて、その上、アメリカの雇用を守るという条件で、アメリカ車を中国政府の肝いりで生産し、やがてノウハウをすべて中国に逆輸入して、中国製の最新車を世界に売り出すという販売網をも 手に入れる。そのために、ファンドは中国に裏側から手を貸し、時には円高など競争企業のある国の産業をもつぶしてしまう。

こうすれば、新しい生産拠点と、販売を持った新企業ができ、しかもその企業拠点には(中国)多くの労働者が潤い、そして潤った労働市場はさらに大きな消費市場として生まれ変わる。すると、ファンドは多くの利潤がここで得られる。まさにWIN WINシチュエーションになる。

つまり、ファンドや、多くの金融は、中国共産党と手を握ることで双方の利益を獲得できるという構図があることが、うかがわれるのである。

China telecom 8.7% China Life insurance 7.7% China Construction Bank 6% Industrial & Commercial Bank of China 5.1%, Chin Petroleum & Chemical Corp 4.8%, CNOOC 4%, Petro China 3.4%, Ping An Insurance Co. of China 2.7%, China Overseas Land & Investment 2.6%, China Shenhua Energy 2.5%, Weight Average Cap 13.1 Billlion, Weight Median Market $7.3 Billion…(Oppenheimer Baring China Fund URL: https://www.oppenheimerfunds.com/digitalAssets/b2d4511c1c287110VgnVCM100000e82311ac____-0.pdf )


これは、現在のオッペンハイマーのポートフォリオの一部である。他にもあるかもしれない。力の入れようと、そしてガソリン関係への投資に多くの比重があることに気がつく。ガソリン市場が大きくなれば、利益が出るということがうかがわれる。

こうして、様々なアメリカ資本が実に中国の細部にまで入り込んでいる。これは、今後も大きな市場として伸びていく中国の将来と深くかかわっていく問題だ。

子供に中国語を習わせる親が増えている。中国語(マンダリン)は、今後英語とともに、重要な国際語になっていくという。

日本は今後どうなっていくのであろうか?と不安を感じている諸兄も多いはずだ。それもそのはず、日本は、世界第二位という経済大国の地位が、あと、どのくらいの期間維持できるのかが、心もとない状態の中で、中国の文化圏の端のほうで、アメリカの基地をかかえながら、太平洋に浮かぶ孤島として、漂っているのだから、不安を感じないほうがどうかしている。

2大国の利益のハザマで、かろうじて自分の国を守っていくためには、不安だけ持っていても役には立たない。もっと、自分の力を見つめなおし、もう一度、やり直した未来図を描き直しておくべき時期にきている。

この危機感はすでに、国の根幹を動かしている人たちには、当然のテーマとして流れているのであるが、残念ながら、まだ、いまひとつ決定打がないまま ずるずるきている。
それは、国債の発行額とその赤字問題などと同じで、分かってはいるが、誰も触れたがらないパンドラの箱で、時間だけがいたずらに経っていくという構図だ。
できれば、自分の勤めている間に、大事にならなければそれで、ほっとする・・・というずるさがそこにはある。