やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

プロジェクションマッピングの最近

2014-11-10 | カルチャー
仕事がら、いろんなプロジェクションマッピングを教
えてもらったり、みてたんだけど、印象的だったもの
をいくつか;



屋内のもので、19世紀初頭に立てられたポーランドの
ドームにAntiVJ達が制作したO (OMICRON);



別の屋内作品。Joanie Lemercier さんと James Ginzburg
さんのNimbesという作品で、「観察と宇宙進化の関係、
知性と個性の概念を探るもの」らしい。





寝そべる様にして見ている

最後に淡路島のプロジェクションマッピングのディ
レクターでお世話になった石多ミチさん達の旭川雪
まつり2013年での子どもたちによる作品。



雪だるまだって被写体になる。イキイキと力強い。

プロジェクションマッピング&照明の多彩さ

2014-11-09 | カルチャー
昨日に引き続き、プロジェクションマッピング&照明の
こと。今年の初めにお話を淡路島からいただいて以来、
最新の動向をいろいろチームのメンバーから教わった。

その中でも特に印象的だったことを2つ;

1)プロジェクションマッピングの多様さ

昨今はプロジェクションマッピングがあちこちで見ら
れる様になったけど、屋外の駅、城、寺院などの外壁
から、屋内、什器はては人体まで多彩な表現へが広が
っている。

プロジェクションマッピングというのは、プロジェク
ターなどによって投影される映像と被写体とをマッピ
ング=重ねあわせることなんだけど、被写体の最大要
件は、プレーンな平面でないこと。


被写体の55面体オブジェの設営風景

だから、普通のスクリーンが一番苦手。のっぺりとし
てるというか何もないから、マッピング=重ねあわせ
の面白さがでない。

白いスクリーンや壁には絵や線を描くだけでも、マッ
ピングも対象として生まれ変わるから不思議。

2)LED照明の多彩さ

淡路島の作品にはLEDが数百の単位で設置されている
んだけど、その一つ一つを別個に点滅させたり、色を
変えたりすることが可能。100万色を超える色数から
自由に選ぶことができる。

 

各LEDをナンバーリングしてプログラムに対応させる

すごい時代になってきている。交換器とPCがあれば、
好きな色で自由なタイミングで点滅させることができ
るから、演出はアイディア次第。

プロジェクションマッピング&照明 in 淡路島

2014-11-08 | カルチャー
淡路島の個人宅からご依頼をいただき、プロジェクションマッピングと
照明を融合させる新しいクリスマスイルミネーションを制作してきたん
だけど、無事点灯が始まる。

3メートルの藤棚の上に、高さ4メートルの55面対のオブジェクトを設
置するから頂点は約7メートル。プロジェクションマッピングの映像を
投影し、下部に囲むように照明を配置。約8分間なんだけど、音楽もオ
リジナルで、それぞれが有機的な関係性をもつ。



1日3回18:00、19:00、20:00に点灯し、1/5までの予定。

ご依頼が個人というのも凄いことだけど、美しく品のあるアート作品と
いう方向性だったので、どこにもない日本ではじめてのものを目指せた。
クライアントにはとても感謝、ありがとうございます。



検討を重ねるなかで、『古事記・日本書紀』の国生み神話をテーマと決
まってきた。淡路島が日本の最初の島であるという神話。

神々に命じられたイザナキとイザナミが青海原に剣を入れかき混ぜる。
引き上げると、剣の先から一滴落ちたのが最初の島が淡路島という物語。

この物語をベースモチーフに、オブジェクトやプロジェクションマッピ
ングの演出­を構築していった。





チームのみなさんのクレジットを記すと;

オブジェ設計:トラフ建築設計事務所
照明設計:Tokyo Lighting Design
照明、オブジェ制作施工:株式会社コマデン
設備、施工、運営:有限会社たかなべでんき

アートディレクション、マッピングプラン:石多 未知行 (PMAJ)
コンテンツディレクション:殿内章久
テクニカルディレクター:石川雅大 (PMAJ)

音楽:KENKO

プロデューサー:桧垣康彦(HIBIKU Inc.)

いろいろお疲れさまでした!

鳥獣戯画・4巻公開

2014-11-07 | art
昨日に引き続き、国宝鳥獣戯画と高山寺展。鳥獣戯画、
全4巻=甲乙丙丁を一挙に見たのは初。正確にいうと、
前後期で半分づつの展示だから、全体の半分を見れた
ことになる。

すごい人気。4年にわたる修復後の初お目見というこが
大きいのだろうけど、もともと人気が高い。国内外の美
術館からの貸出依頼はひっきりもなし、というか何年待
っても無理っていう状態と聞く。

随所にスタッフが立っていて、「立ち止まらない様に」
と列の動きを促し続ける。じっくり作品を見るのは無理。
全貌を把握するにはよかったかも。甲乙巻が好きだって
ことが、全巻を見てわかる。


擬人化された動物の動きが秀逸の甲巻。


架空の動物もまじる「動物図鑑」の乙巻。

丙乙ってあまり見たことないから、期待していくと、丙
の後半は擬人化した動物なんだけどタッチに力がないと
いうか、うまく真似したろうという感じでいまいち。

乙巻に至っては、動物は出てこないし、描写が下絵みた
いで深みがなさすぎ。こういう類を好きな人も多いのか
しら。



今回の修復を担当しはった大山昭子さんが、丙巻につい
ての新発見を発表してはったけど、

長らく前半が人物画、後半が動物画という組み合わ
せに疑問が持たれていた丙巻について、もとは表裏
の両面に描かれていたものを相剥(あいへぎ)し、
つないで一巻に仕立てたもの



裏紙に描いたのを剥がして2倍にしていたっtこと!
例えばこの写真にあるように、蛙の横にある墨は、
烏帽子の位置にぴったり合う。

気軽に描いたのではないかという推測が生まれる。紙
も繊維が荒い比較すれば安いもの。紙は当時貴重だっ
たにしろ、天皇などが描かせた絵巻などは繊維が細い
高級紙が使わわれるのが常だそうだから。



修復の4年の間、鳥獣戯画と向かいながら地道で細や
かな作業をしていくといろんな発見があるんだろう
なと思う。

大山昭子さんは美術館や大学所属かと思ったら、民間
企業の部長だった。京都にある明治創業の岡墨光堂
いう会社。修復技術も世界的に上がってきているとか。

明恵上人と高山寺

2014-11-06 | art
平成新知館を見終わったのが夕方。本館の国宝鳥獣戯画
と高山寺展
はだいぶ空いてきてて、30分待ちだとか。ちょ
っと揺らぐ。

東京でも来春開催(東博で)されるから、わざわざ待た
なくてもとも思ったけど、京都でこの混みようだから、
東京では見る気が失せるかも、と思い並ぶことに。

鳥獣戯画がメインだし目玉だけど、タイトルの通り絵巻
を所蔵する高山寺の国宝を初めとした名宝たちにまず迎
えられる。お寺さんは平成6年に世界文化遺産に登録。

数多くの文化財が集まっているのも、中興の祖、明恵上
人(1173-1232)が皇族、貴族から武士、女性にいたる
まで広い信頼と尊敬を得たからだ。


国宝 明恵上人像

明恵上人が著した華厳経に関する真摯な書物にもみいる
けど、なんといっても「夢記」。19歳から60歳まで、見
た夢を書き続ける。おそらく人類最初といわれている、
長期間にわたる夢の記録。実物は初めて。


重要文化財 明恵筆 1191

華厳経の書とは違って、軽やかな筆致。絵もあるんだ。
仏様や道具など夢で見た絵が書かれている。そして「華
厳宗祖師絵伝」って絵巻まで。

明恵上人が発案と考えられているが、華厳宗の開祖の伝
記を描いたもの。

善妙という女性が開祖の一人に恋するのだけど諌められ、
彼の航海を守るため、海に飛び込み!龍になって!!守る、
という物語なんだけど、この動きあふれる色と造形。


国宝 華厳宗祖師絵伝(華厳縁起)

一部しか展示されてないけど、カタログにはかなりの部分
が掲載されている。このカタログは出色の出来で、鳥獣戯
画の全巻豆本もついてて、京都国立博物館と共催の朝日新
聞社の本気度が表れている。

にしても、ここまででもお腹いっぱいw後半が鳥獣戯画の
展示に続く。それはまた明日に。

京博・平成新知館・リニューアルオープン

2014-11-05 | art
京都国立博物館の平常展示館がリニューアルして、国宝62点、
重要文化財130点という豪華な「京へのいざない展」へ行く。
「鳥獣戯画展」がお目当てだったんだけど2時間待ちというの
で諦めて、新しくなった「平成新知館」へ。



建替えは20年越しの計画だったそうで、概略はこちらなど。
美術館設計の重鎮谷口吉生さんの設計。葛西臨海水族園と東
博法隆寺宝物館くらいしか行ったことないけど、後者と感じ
が似ている。



大きさが手頃だし、1階2階の吹き抜けが中央にあるから、全
体感を把握しやすい。その吹き抜けには、仏像がずらり。



仏教といえば、空海、最澄、親鸞、明恵といった錚々たる宗教
家の直筆が置かれていた。なかでも書も達人と言われた空海の
書をまじまじと見る。


国宝 金剛般若経開題 空海 

絵巻物好きとしては、動物が武士になっている「十二類絵巻」
が見れて満足。


重文 十二類絵巻

国宝、重要文化財っていっても、これがなんでなんだろうって
思うのもある。逆にこれはなんで国宝でないんだろうって感じ
るのも。とくに縄文時代のものなど。国宝選定の基準がわかっ
てないw

抜糸。皮膚の再生。

2014-11-04 | からだ
6針縫った人差し指のケガだけど、いよいよ抜糸の段階に。
田中先生から、「経過もいいから、次は抜糸します」と言
われた時は、嬉しいっていうより、「ちょっと、まだ早い」
って内心思う。

まだ押すと痛いし、大きな力がかかると切り傷が開こうと
してかなりの痛みが走る。まだ糸で留めておいた方がいい
のでは、って思うけど、経過がいいならお任せ。

絆創膏を貼ってるんだけど、水に濡れた時は新しいものと
交換する。縫合した当初はちょっと痛々しかったけど、見
慣れたし、肌に馴染んできたから写真に撮る。



抜糸は痛いよ、って経験者には脅かされてたけど、意外に
痛くなかった。最後の6縫い目の糸を取る時が、ちょっと
痛かったけど、どうってことなくて済む。

丁寧に小さい紙を縫合跡に貼っていただく。その間から見
える地肌。あれ、傷口は縫い合わさっていない。包丁が割
いた皮膚はそのままだ。



てっきり包丁で引き裂かれた皮を縫い合わせて、元に戻す
のかと思ってたら、新しい皮が育ってくるまでの防波堤役
を、元の皮や糸が担ってたってことを今になって知る。

2日後に白い紙を剥がして治療が終了。新しい皮が露出す
る。まだまだ、触ると痛いけど、だんだん慣れてくる。じ
き絆創膏も外す。



新しい皮が下から育っている。指紋がまだ大雑把だけど、
包丁の傷跡は消えている。皮膚の再生能力はすごいなって
思う。6針縫った糸に助けてもらってたわけだ。感謝。

ウサギニンゲン「ラビ&ピース」at ロバハウス

2014-11-03 | music
ベルリンに拠点をおく、平井伸一さん&絵美さんの夫
婦ユニットウサギニンゲンがロバハウスにやってきた。
ショピンなどで活躍する田中馨さんのプロデュース。
日本への初ツアーの最終公演!

彼らによるエコバック作りのワークショップがまずあ
って、それからライブ。冒頭は田中馨さんたちのユニ
ット=ロバート・バロー(ロバの音楽座のコピーバン
ド!)がオープニンアクトでなごむ。

そして、ウサギニンゲン。独創的な映像と楽器による
パフォーマンスは素晴らしかった。音楽の様な、現代
アートの様な。言葉や写真では伝えようがないから、
彼らの映像を見てみて;



EMIさんが動かす映像機TA-COがすごい。木枠の上部
にマイクロカメラが組み込んであって、彼女の手元を
プロジェクターとして映し出す。

彼女の手元にある3層のガラスに置いたものに、足元の
ドラムが重なるんだけど、そのドラムは自転車のペダル
を踏むことで回転する。



いやいや、すごい。見たことのない映像体験。この装置
は彼女の考案で、大工仕事が好きなお父さんに作っても
らったとか。だから自分たちで直せるから、子ども達に
触らせても平気。

そう、子供でもガラスの上で物を動かしたり、水をかけ
たり、ドラムをペダルでまわすことができる、っていう
ことも素晴らしい。



大きな箱だと、映像と音楽は伝わるけど、彼女が何をや
ってるかまではわからない。ロバハウスくらいの小さい
小屋がちょうどいい、って言ってくれたけど、ほんと間
近に見れて、不思議な体験を共有できた。

ベルリンへ移住したこと、暮らしぶりのことは、こちら
の記事
が面白い。ヨーロッパへ移住しようとあれこれ計
算している人は結局来てない、まずは来ること、と平井
伸一さんは語っていた。

イランのペルシャ伝統音楽ライブ

2014-11-02 | music
ロバハウスで、ペルシャ音楽とクルド音楽の名手シ
ューレシュ・ラァナーイーさんをお招きして、ライ
ブが行われた。


クルド人だそうで、彼の父親は優れたタンブール奏
者の一人で、母親もタンブール奏者兼歌手という音
楽一家に育つ。

ペルシャやクルドの伝統的音楽を、次々楽器をもち
かえて演奏したんだけど、最初がタンブールという
弦楽器。6000年前に存在したという記録がある古い
楽器だそうだ。



即興要素が強いそうだ。2曲弾く;

1 《タルズ》 ガブリエル天使が弾いて魂を入れた曲
       800年前の頃の曲
2 《スワルスワル》 馬上の人が恋人へ会いにいく曲
      お父さんが完成



トンバク、ダフという太鼓系の演奏家・蔡怜雄さん
が共演。とても楽しかったそうだ。彼がロバハウス
で太鼓フレームドラムを作るワークショップを開催
していることが、今回のライブにつながる。


ワークショップ参加者も自作の太鼓を叩いて参加。

最後には通訳もしてくださっていた、慶九さんが、
セタールという楽器で参加。シューレシュ・ラァナ
ーイーさんに師事、というかイランの首都テヘラン
にある国立芸術大学に留学中!



しかも7年間も。面白すぎ。女性差別の件をお聞き
すると、それはあるけど、家庭では女性の方が、と
ても強いのです、と笑う。自信の笑み。そろそろ日
本に戻るそうだ。

絵と古道具の展覧会「エノナ」

2014-11-01 | art
地元のギャラリー・◯ミで久しぶりの展覧会が
始まっている。国立ローカルな組み合わせで、
国立に住む近藤晃美さんの油絵が、国立北口で
古道具屋コレノナを始めはったしまもとありさ
んの古道具に囲まれたコラボ企画。



題して絵と古道具の展覧会「エノナ」。11/17ま
で。時間が止まったような、懐かしい感じの趣き。



アトリエみたい、と在廊中の近藤晃美さんに話す
と、こんな整然としてなく、散らかし放題ですよ、
と笑う。そりゃそうだw



近藤さんの描くのが身近なものばかりということ
も、古道具とマッチしている。古道具もいつもの
お店とは違って、お家にあるみたい。



よく見ていくと、古道具に描いたものもある。面
白いって思い、古い小皿に電球を描いた小品を買う。